話題作に立て続けに出演!神木隆之介が見せる表現力と存在感
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2024.11.08
現在放送中のドラマ「海に眠るダイヤモンド」で主演を務める神木隆之介。2歳の時に芸能界デビューを果たした彼は、数多くの映画やドラマに出演し、さまざまなジャンルで多彩な顔を見せている。そんな神木の表現力と存在感を堪能できる出演作品をご紹介。
思わず応援したくなるユーモラスな若殿様を好演
「海に眠るダイヤモンド」で神木と共演する、杉咲花との息の合ったやりとりを堪能できるのが、浅田次郎の同名小説を映画化した『大名倒産』だ。神木演じる主人公・小四郎は、父から突如、徳川家康の血を引く大名の跡取りであることを告げられ、越後丹生山(にぶやま)藩の殿となる。しかし、丹生山藩は借金25万両(約100億円)を抱えるワケありの藩だった。先代藩主の一狐斎(いっこさい)は藩を救う策として、藩の計画倒産を小四郎に命じるが、実は全ての責任を小四郎に押し付け、切腹させようという腹積もりだった。小四郎に残された道は25万両を返済するか、切腹をするかの2択のみ。果たして彼は、絶体絶命のピンチから、奇跡の大逆転をもぎ取ることができるのか。
藩が抱える膨大な借金を返済していくという深刻なテーマの物語も、神木が演じるとどこか軽やかでユーモラスな感じとなる。まさに巻き込まれ型の若殿様という神木の奮闘ぶりは、思わず応援したくなるような存在感だ。また、ピンチに見舞われる小四郎を支えるしっかり者の幼なじみ、さよを演じる杉咲もきっぷの良さと、カラッとした明るさが魅力的なキャラクター。そして、本作のメガホンをとった前田哲監督は、アドリブをはじめとした現場のライブ感を貪欲に取り入れる監督として知られているが、本作でも個性豊かな登場人物たちが織りなす、ユーモラスで生き生きとしたやりとりが魅力だ。
実際に高校生だった神木が見せた力強い演技に注目
スクールカーストをテーマに、学生時代の"見ないふりをしていた記憶の扉"をほろ苦くも残酷に刺激し、多くの支持を集めた『桐島、部活やめるってよ』も、神木のキャリアにおいて重要な作品といえる。高校のスター的存在だった男子生徒・桐島が突如、誰にも相談せずにバレーボール部を辞めるというニュースから、高校中に動揺や波紋が広がっていく。話題の中心であるはずの桐島が不在の中、時間軸や視点を変えながら、高校生たちの生々しい息づかいを、リアリティーあふれる描写で映し出している。
神木が演じるのは映画部の前田。映画撮影中にスクールカースト最上位の生徒たちがカメラの向こうに見切れても、何も言えないような大人しい生徒だが、映画作りへの情熱を内に秘めている。そんな男子高校生を神木が好演。本作の撮影時、実際に彼自身も高校生だったが、クライマックスで見せるパワフルな芝居は、屈指の名シーンとして語り草となっている。
真正面から挑んだ神木初の本格的ラブストーリー
神木が初の本格的ラブストーリーに挑んだのが、三木孝浩監督の『フォルトゥナの瞳』だ。相手役のヒロインは、ドラマ「コントがはじまる」「11人もいる!」、映画『3月のライオン』など、神木とは数多くの作品で共演している有村架純。『3月のライオン』では、互いに複雑な感情を抱き合う義理の姉弟を演じていた2人だが、本作ではそこから一転。互いのことを思いやり、惹かれ合う男女を演じている。
主人公は、幼少期に飛行機事故で家族を失った木山慎一郎。彼は「フォルトゥナの瞳」と呼ばれる、死を目前にした人間が透けて見える能力を持っていた。自分はなぜこんな能力を持ってしまったのか、苦悩する日々の中、偶然入った携帯ショップで桐生葵という女性と出会い、慎一郎の孤独な人生は彩りを見せていく。しかし、ある日、彼は葵の身体が透けていることに気付く。孤独だった慎一郎が葵に出会うことで芽生えてくる、大切な人を守りたいという思いを、神木が真っすぐに演じきっている。
これまで数多くの作品に出演してきた神木は、名実ともに国民的俳優として多くの支持を集めている。今後もどんな作品で、どんな演技を見せてくれるのか楽しみだ。
文/壬生智裕