大人気「ガリレオ」シリーズの劇場版でしか味わえない"涙"を堪能せよ

大人気「ガリレオ」シリーズの劇場版でしか味わえない"涙"を堪能せよ

手に汗握る推理戦や読者の予想を見事に裏切る展開、淡い恋心や深い親子の愛情、一人の女性の成長、思わず考えさせられる社会問題など...。さまざまなテーマをミステリー、ヒューマンドラマ、SF、ファンタジーというジャンルにとらわれず、あらゆる角度から描いて多くのファンを魅了し続ける大ベストセラー作家、東野圭吾。「読んだことはなくても、名前は知っている」という人も少なくないほど、普段読書をしない層にも認知度が高い人気作家だ。

理由としてはやはり東野作品が多数映像化されているからであろう。新作だけでなく、ひと昔前の作品が映像化されることもしばしばあり、それは彼の作品が時代を超えても愛される色褪せない魅力を有しているからに他ならない。思わず引き込まれてしまう魅力的な登場人物たち、一度読み始め(見始め)たら抜け出せないジェットコースターのようなストーリー展開、読み応え(見応え)のある想定外のラストなど、いくつものストロングポイントが高次元のクオリティーで盛り込まれているため、映像化を企画する者にとってはつい触手が伸びてしまうのもうなずける。

傑作だらけであるため、シリーズ化して実写化されているものも多く、阿部寛主演の「新参者」シリーズや木村拓哉と長澤まさみ共演の「マスカレード・ホテル」シリーズなどがある。そんな中でも屈指の人気を誇るのが、福山雅治主演の「ガリレオ」シリーズだ。

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同シリーズは、福山演じる「ガリレオ」こと天才物理学者・湯川学が常識を超えた謎に挑むミステリーで、最先端科学や専門知識を必要とするトリックを扱っており、"推理小説では世間においてあまり一般的でない科学技術を駆使したトリックは使用しない"という暗黙の了解をあえて破った理系出身の著者ならではの独創性を誇る人気作をドラマ化したもの。短編小説であるため、ドラマでは1話完結のスタイルで制作され、毎回見終わってスッキリできるところも人気が出たポイントといえる。

劇場版の長編ならではの魅力

そんな中で、同シリーズの劇場版として製作された作品が、映画『容疑者Xの献身』(2008年)、映画『真夏の方程式』(2013年)、映画『沈黙のパレード』(2022年)だ。原作においても長編作で、ドラマ版での魅力はそのままに、映画ならではの魅力があり、シリーズの新しい魅力を備えている。それは、登場人物たちが紡ぐ"愛"だ。

ドラマ版と比べると2倍強の時間があるため、登場人物たちのバックボーンや心情の動きがしっかりと描かれており、「トリック」による"わくわく"、「ストーリー展開」による"ドキドキ"に加えて、登場人物たちが織り成す「人間ドラマ」による"胸アツ"が付与されており、ドキドキ、わくわくして、"泣ける"のだ。

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例えば、映画『容疑者Xの献身』での自己犠牲もいとわない深い愛、映画『真夏の方程式』での血縁関係を超えた親子愛、映画『沈黙のパレード』での復讐心を駆り立てるほどの浅からぬ家族愛と妻のために自ら身代わりとなった夫と妻が紡ぐ夫婦愛など、さまざまな"愛"を濃密な人間ドラマで描き出している。

「ガリレオ」シリーズお約束のあっと驚くトリックに"わくわく"し、二転三転するストーリーに"ドキドキ"しながら、劇場版ならではの人間ドラマで"涙"してみてはいかがだろうか。

文/原田健

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沈黙のパレード

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