「LOST10」に集まる期待!脚本・奥寺佐渡子×監督・塚原あゆ子――その信頼を確かなものにした「最愛」に見る中毒性

話題作が揃った"秋ドラマ"の中でも、ドラマファンの心をくすぐるトピックに事欠かない1作といえばTBS金曜ドラマ「LOST10」。9月に30歳の節目を迎えた横浜流星が、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」以来の民放ドラマ出演を果たし、GP帯連続ドラマ初の単独主演を飾る完全オリジナル作品であり、加えて、日本映画史を揺るがした大ヒット映画『国宝』の脚本家・奥寺佐渡子との再タッグとあって、いやがうえにも期待は高まっている。

さらに、その"信頼"を決定づけているのは、"脚本・奥寺×監督・塚原あゆ子×プロデュース・新井順子"という布陣だ。

この3人がこれまで手がけた作品には、人物の感情を丁寧に描きながら、物語自体には先の読めない仕掛けを組み込んだ作品が多い。彼女たちが再び集まることで、どんな人間ドラマとサスペンスが生まれるのか?過去の作品を知るドラマファンほど、期待を寄せたくなる顔ぶれである。

■湊かなえ原作の「Nのために」に続き、完全オリジナルで制作された「最愛」への熱い支持

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この組み合わせの強みを知るうえで重要なのが、2021年の10月期に放送された「最愛」だ。2014年の「Nのために」以来、3人が同じTBS金曜ドラマ枠で再びタッグを組んだ本作は、吉高由里子演じる実業家・真田梨央と、その初恋相手であり事件の真相を追う捜査一課の刑事・宮崎大輝(松下洸平)、あらゆる手段を用いて梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)を中心とした完全オリジナルのサスペンスラブストーリー。「LOST10」と同じく完全オリジナルで、15年前に起きた失踪事件と現在の殺人事件がつながり、登場人物たちの過去と現在が交錯していく。

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「最愛」の魅力は、事件の謎を追う面白さだけではない。タイトルが示す通り、物語の中心にあるのは"誰かを守りたい"という純粋な想いだ。愛する人を守るために何を選び、その選択が別の事件や誰かの人生にどう影響するのか。登場人物たちの切実な感情を軸にしながら、次々と明らかになる事実が物語を思わぬ方向へ動かしていく。そのスリリングな展開は、一度見始めると先が気になってしまう中毒性も生み出していた。ピュアな愛の物語と、先の読めないサスペンス。その両方を成立させた点に、「最愛」が多くの視聴者を引き込んだ理由の一つがある。

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■監督・塚原あゆ子の手腕も光る!目黒蓮(Snow Man)が映画単独初主演を飾った『わたしの幸せな結婚』

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塚原あゆ子のキャリアを振り返っても、その表現の幅は明らかだ。映画監督デビュー作『コーヒーが冷めないうちに』(2018年)に続く2作目として手がけたのが、2023年3月に公開された『わたしの幸せな結婚』だ。

大正ロマンを思わせる時代を舞台にした、顎木あくみの和風ファンタジー小説の映画化となる本作は、家族から虐げられて育ったヒロイン・斎森美世(今田美桜)と、冷酷で無慈悲な性格で知られる名家の当主・久堂清霞(目黒蓮)との政略結婚から始まるラブストーリー。鬼や妖(あやかし)とも呼ばれる"異形"が蔓延る世界観を背景にしながらも、孤独を抱えて生きてきた2人が少しずつ心を通わせていく恋模様を繊細に紡ぎ出した。サスペンスとは異なるファンタジーの世界でも、人物の感情の変化を丁寧に紡ぐ塚原演出を見ることができる。

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■「アンナチュラル」「MIU404」と同じ世界線!作品性とエンタメ性を両立させた映画『ラストマイル』

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そして2024年、新井順子プロデューサーと塚原監督が再びタッグを組み、新たなチャレンジに注目が集まった作品が、映画『ラストマイル』だ。2人が組んだTBS系ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と同じ世界線で物語が展開する"シェアード・ユニバース・ムービー"という試みが話題を集めた本作は、主演に満島ひかりと岡田将生を迎え、未曾有の連続爆破事件の収拾に奔走する人々と、その謎を追ったノンストップサスペンス。

「アンナチュラル」より石原さとみや井浦新ら、「MIU404」より綾野剛&星野源らが登場するなど、豪華キャストの再集結もファンを喜ばせ、息つく暇もないスリリングな4日間が、より多角的な視点で描かれた。

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こうして「最愛」『わたしの幸せな結婚』『ラストマイル』を並べてみると、ジャンルはそれぞれ異なりながらも、人物の感情を物語の中心に置き、そこにサスペンスやファンタジー、社会性のあるテーマを掛け合わせていることが分かる。それは3人がそれぞれの持ち味を生かしながら、人物の感情と物語の面白さを両立させてきたからこそ生まれる魅力だ。

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「LOST10」に期待が集まる今、"脚本・奥寺佐渡子×監督・塚原あゆ子×プロデュース・新井順子"が集うことで生まれるケミストリーと、個々の力量が発揮されたヒットドラマや映画を改めて楽しんでみてはいかがだろうか。

文/川倉由起子

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