市川染五郎さんの銕三郎が好きすぎる!「鬼平犯科帳 本所の銕」で見つけた鬼平の原点 「鬼平犯科帳 本所の銕」【夫婦のじかん・大貫さん】
2026.10.07
2024年の年末、市川染五郎さんへインタビューをさせていただく機会がありました。「よしもとドラマ部」にて、私が話の脈絡に関係無く、染五郎さんの素晴らしさを語り始めるという通常運転をしていたお陰で舞い込んだ、ありがた過ぎるこのお仕事。失礼があってはいけないということで、絶対に風邪をひかないよう体調管理を万全にし、醜態を晒したくないという勝手な思いで10キロのダイエットにも成功しました。
あのときの感動と緊張がまだ胸に残る中、ありがたいことに、今回は染五郎さんが主演を務めた最新作「鬼平犯科帳 本所の銕(てつ)」(10月10日(土)時代劇専門チャンネルにて放送)についてのコラムを書かせていただくことになりました。再び染五郎さんの魅力についてペンを走らせる機会をいただけたことへの喜びを噛みしめつつ、ファンの一人として、今作においての染五郎さんの圧倒的な魅力についてたっぷりと語らせていただきたいと思います。

(C)日本映画放送
『鬼平犯科帳』といえば、言わずと知れた池波正太郎先生による時代小説の金字塔です。本作を原作に、松本幸四郎さん主演でこれまで7作品にわたり映像化されてきました。シリーズ最新第8弾「本所の銕」で染五郎さんが演じるのは、のちに"鬼平"と呼ばれる長谷川平蔵(幸四郎)の若き日、銕三郎。博打(ばくち)と酒に溺れ、己の赴くままに放蕩無頼に生きる銕三郎。そう聞くと、危険な香りの漂う不良のように感じますが、ただの不良ではありません。人に対して情に厚く、きちんと筋を通し、のちの"長谷川平蔵"を彷彿とさせる「品」も持ち合わせているのです。それを見事に体現されている染五郎さん。気がつけばテレビの前で「銕さん、ちゃんと道場行って!」と、思わず江戸の町の住人になってしまいます...!
そして、「本所・桜屋敷」、劇場版「血闘」に続く、鬼平こと長谷川平蔵役の松本幸四郎さんとの父子共演も、今作ではさらに深いものになっていました。同じ一人の男の人生を、実の父子が世代を超えて体現するという奇跡。とても贅沢な演出に、この時代に生きていて本当に良かった!と、心から思いました。ただ父子が共演しているというだけではなく、「この若者が、あの鬼平になっていく」という時間そのものを、父と息子が演じているのです。染五郎さんから幸四郎さんへと受け継がれる、"長谷川平蔵"という一人の男の物語にも、ぜひ注目してほしいです。

(C)日本映画放送
また、染五郎さんの殺陣も本当にすばらしい!所作の一つ一つが本当に丁寧で品があり、かと言って美しいだけではありません。銕三郎の荒々しさや、迷いの中での刀さばきなど、その場面ごとに殺陣にも感情があり、「この刀の先に、のちの『鬼平』の伝説がつながっていくんだ」という重みとロマンをひしひしと感じさせられます。美しさと泥臭さが完璧に融合したその殺陣は、もはや一つの芸術の域でした。

(C)日本映画放送
そして物語を重厚に彩る、他の共演者たちの名演も見逃せません。まず、中島瑠菜さんのおまさ。可愛らしさだけではなく、相手に対して一歩も引かない芯の強さがあり、「この人がのちの密偵・おまさにつながっていくんだ」と思うと、今まで知っていた人物の"始まり"を見ているようで非常にワクワクします。阿佐辰美さんの岸井左馬之助の凛々しさも素晴らしい。銕三郎と同じ若者として並んだときのふたりの空気感が最高なんです!若いって本当に、無鉄砲で、不器用で、面倒くさい。でもキラキラしている。そんな時代を一緒に生きている感じがあり、二人の関係そのものが、この物語の青春部分になっているように感じました。

(C)日本映画放送
そして個人的にかなり印象に残ったのが駒木根葵汰さんの横山小平次。息子と一緒に見ていた「機界戦隊ゼンカイジャー」の主人公を演じていたとは思えないほど、本当に嫌な奴なんです!(褒めています!) 「機界戦隊ゼンカイジャー」の役どころとは別人のようですが、とにかく色気がすごい!所作が良い!どこか哀しさもあり、こういう「嫌いになりきれない悪役」って、物語を面白くしますよね。銕三郎との対峙では、二人の間にある緊張感と美しさに目が離せませんでした。さらに相模の彦十を演じた、尾美としのりさん!尾美さんといえば、「鬼平犯科帳」ファンの中には同心・木村忠吾(中村吉右衛門主演シリーズで演じた)を思い浮かべる人も多いと思います。それが今回はまったく違う役で本作「本所の銕」よりシリーズに出演しているんです。長く「鬼平犯科帳」を見てきたファンにとっては、こうしたキャストの出演もうれしいところではないでしょうか。これから「鬼平犯科帳」を楽しんでいく世代はもちろん、これまでの鬼平ファンも楽しめる要素がいっぱいの今作。物語は後日譚となる第9弾「鬼平犯科帳 密告」(今冬放送予定)へと続いていきます。「本所の銕」で描かれるできごとや人との出会いが、どのように「密告」へつながっていくのか。そんなところにも注目してほしいです。

(C)日本映画放送
また、「鬼平犯科帳」の世界の食べ物にもぜひ注目してご覧ください。本当に美味しそうで、甘味やおつまみ、お鍋など、鬼平カフェなるものがあったらぜひ行ってみたいと毎回熱望しております。できれば、染五郎さん演じる銕三郎が食べていたものを「これが銕三郎の食べたもの...!」と噛みしめながらいただきたい。そう考えるだけで、もうお腹が空いてきます...。と、食べ物の話まで始めると止まらなくなってしまうのですが、それくらい「鬼平犯科帳」には、登場人物の生き方も、江戸の空気も、食べ物も、すべてをひっくるめて楽しめる魅力があります。
そして何より、今回の「本所の銕」で私が一番心を奪われたのは、やはり市川染五郎さんが演じる銕三郎でした。荒々しくて、危なっかしくて、でもどこか品がある。まだ"鬼平"ではない。でも、確かにその片鱗がある。そんな銕三郎を染五郎さんがどう生きるのか。ぜひ、物語の行く先を楽しみながら、「本所の銕」から「密告」へ、その姿を目に焼き付けていただきたいです。
<プロフィール>
大貫さん(夫婦のじかん)
NSC東京11期生。タカダ・コーポレーションを経て
2016年に旦那の山西 章博と「夫婦のじかん」というお笑いコンビを結成。
普段は芸人として活動しているが、漫画家やイラストレーターとしても活躍中。
コミックエッセイ「母ハハハ!」発売中。第35回フジテレビヤングシナリオ大賞最終。
NHK脚本開発チーム「WDRプロジェクト」2期メンバー。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。




