戸田恵梨香、石原さとみ、深田恭子らの若き日の演技が堪能できる「世にも奇妙な物語」の傑作エピソードをピックアップ!
2026.10.16
日本を代表する俳優たちの貴重な姿が見られるのが、、日本映画専門チャンネルで10月24日(土)に全40エピソードが一挙放送される「世にも奇妙な物語」だ。
ホラーからサスペンス、ギャグ、感動からSF、シュール系まで、多種多様な物語を放送してきた「世にも奇妙な物語」。今回放送される作品の中から、戸田恵梨香、石原さとみ、深田恭子が出演している作品を取り上げたい。

(C)共同テレビジョン
■当時19歳の戸田恵梨香が魅せる現在のポジションを予感させる圧巻の演技
戸田が出演する「これ...見て...」(2008年)は、突然現れた謎の少年が持つ、近い未来の映像が映るビデオカメラを通して若い女性の悲恋を描く。
河井あさみ(戸田)は久保田光一(向井理)に想いを寄せていた。図書館で、わざと本の棚から自分の顔を出したりしてアピールしているが、なかなかそれに応えてくれない彼。だが、光一にぞっこんのあさみは、毎日自宅に手作り弁当を届け、ことあるごとに電話をかけるなど、一途に思い続けていた。そんなある日、23時過ぎに自宅のチャイムが鳴り、光一かと期待してドアを開けると、謎の少年が立っており「これ......見て......」と持っていたビデオカメラを見せてくる。訳が分からずドアを閉め、動悸が収まるのを待っていると、先ほどビデオカメラに映った状況が現実のものとなる――というストーリー。
日本一有名な"女帝"占い師を演じ上げるなど、圧倒的な存在感を放つキャラクターを数々演じてきた戸田だが、本作に出演した時は19歳。恋に夢中の若い女性を、可憐でキュートに演じている。そんな中で、恋を巡るトラブルや、謎の少年による不気味なできごとに振り回されるシーンで見せる焦燥感や恐怖、戸惑いなど、さまざまな感情表現の幅の広さは圧巻。あさみを通して、いつの間にか不可思議な世界に引きずり込まれてしまう吸引力がある。

(C)共同テレビジョン
■石原さとみがグラデーションで魅せる地続きの感情表現
石原が出演する「仮婚」(2013年)は、"仮婚"という結婚を疑似体験できるサービスを利用した女性の姿を描く。
独身OL・盛田成美(石原)は、彼氏無しの27歳。友人の結婚式帰り、「そろそろ結婚したいけど、相手がなぁ...」などと思いを巡らせていると、"仮婚相談員"という肩書の謎の男・並木(北村有起哉)が現れ、"仮婚"というシステムを紹介する。"仮婚"とは、焦っていないと言いつつも、実は結婚に興味がある、という働く女性のために提供されている"二日間限定の結婚"のことで、3つのプランに分けられていた。試してみようと決意した成美は、一番リーズナブルなプランである「エコノミークラス」を体験することに――というストーリー。

(C)共同テレビジョン
成美は、相手の男性の年収で分けられた「エコノミークラス」「ビジネスクラス」「ファーストクラス」と、順に3つのプランを体験し、生活レベルと生活習慣が異なる3人の男性と疑似結婚生活を送るのだが、石原が表現する感情のグラデーションが秀逸。懐疑的なところから、次第に相手に惹かれていくさままで、プランごとに相手に感じる違和感を繊細に表現。劇中では時間の進みが早いにもかかわらず、物語が進むにつれて"仮婚"にハマっていく心理もありありと表しており、地続きの感情表現が役への感情移入を促してくれる。数々の主演作を完遂してきたからこその、習熟された細やかな感情の"変化"に注目してほしい。

(C)共同テレビジョン
■深田恭子の相反する面を絶妙なバランスで落とし込んだ役作り
深田が出演する「捨て魔の女」(2016年)は、何かを捨てることで幸福が訪れるという運命に翻弄される女性の悲劇を描く。
29歳のフリーアナウンサー・栞(深田)は、レポートはワンパターンで人気もなく、スケジュールはがら空きの状態だった。そんなある日、道で僧侶とすれ違い「何かを得たければ何かを捨てなければならない」と言われる。その夜、一人暮らしの家にやってきた彼氏にお気に入りのシャツが破れていることを指摘され、しぶしぶ捨てることに。翌日、商店街のくじ引きで松坂牛1kgが当たる。シャツを捨てたから当たったのか、半信半疑になりながらも選挙レポーター募集の張り紙を見て、大切にしていたレアもののキーホルダーを捨ててみる。すると、見事選挙レポーターに。以来、物を捨てるたびにどんどん仕事が舞い込むようになるが――というストーリー。

(C)共同テレビジョン
元々、栞は物が捨てられないタイプだったが、「何かを捨てることで何かを得られる」という成功体験から、次第にその"呪い"に囚われていく。そんな彼女の"変化"を、深田は丁寧かつ大胆に描写。冒頭ではパッとしなかった女性アナウンサーを、思わず"推し"たくなるようなチャーミングさを携えたキャラクターとして演じ、最終的には「何か捨てなきゃ!」という強迫観念から抜け出せず、人相までも激変させていく。深田ファンならご存じだろうが、10代から20代前半によく見せていた、いじらしい役を演じさせたら右に出る者はいないほどの愛くるしい面と、30代から見せるクールビューティーな"魔性の女"な面という相反する一面を、絶妙なバランスで役柄に落とし込み、劇的な"変化"で"呪い"に囚われていくさまを表現している。
日本を代表する女性俳優が魅せる三者三様の"変化"に注目しながら、不可思議な世界に浸ってみると、より没入できること請け合いだ。
文/原田健



