北川悦吏子作品にいつもの常盤貴子とキムタク(木村拓哉)マシマシで、最後に◯◯を添えて 「ビューティフルライフ~ふたりでいた日々~」【LLR・福田恵悟】
国内ドラマ 連載コラム
2025.11.05
当時、ノリに乗っている脚本家の北川悦吏子さんが、ノリに乗っている木村拓哉さんと、ノリに乗っている常盤貴子さんのお二人で、得意のトレンディー感マシマシの切ないラブストーリーを手掛けたって言うんだから、そりゃヒットしますよね。
トップスタイリストを目指す沖島柊二(木村拓哉)は図書館に勤務する車椅子の女性、町田杏子(常盤貴子)に出会い、お互い惹かれ合っていく。しかし、健常者の柊二と障がい者の杏子との恋愛には、さまざまなしがらみがあり...。

ストーリーとしてはこれだけです。これだけで全11話行くんです。正直すごいですよね。昔のドラマには、このパワーがありました。なんか小細工なしの正面からのぶつかり合い、みたいな感じ。
今回、25年振りにこのドラマを見返してみて、その真っ直ぐさに完全にやられました。やっぱりこれで良いんですよね!
そして、このドラマの真っ直ぐさを成立させているのは、やっぱり「キムタク」なんですよね。木村拓哉さんではなく、「キムタク」なんです。

北川悦吏子さんのラブストーリー脚本に出て来る男性って、とにかく超絶優しいんです。でも、その優しさっていうのは、全面に出さず相手に押し付けない、無骨な優しさ。何かの見返りを求めるような優しさじゃないんです。
男から見たら、こんなやつ居ねぇーだろっていう、普通に居たら見てるこっちがテレてしまうような、そんな男性なんです。
しかし、こんな男性をいとも容易く自然に体現出来て、男の僕たちでさえ惚れさせてしまうのが、
「キムタク」
なんですよね。
居る人が演じちゃダメなんです。存在する人が演じると嘘になっちゃうんです。だから木村拓哉じゃなくて「キムタク」なんです。「キムタク」というのは、もはや人ではない、概念なんです。
国民が作り出した圧倒的憧れの存在。普通には存在しない人間。それが「キムタク」なんです。

しかし、ただ「キムタク」だけじゃ無いのがこのドラマ。北川悦吏子さんのラブストーリー脚本に出て来る女性は、気が強くて天真爛漫なんですが、実は乙女ですぐ落ち込む。要するにメチャクチャ面倒くさい女性です。
これも普通に演じたら、すごい嫌な奴に映っちゃうでんすが、そこを抑えるんじゃなくて、徹底的に突き抜けてやれるのが常盤貴子さんなんですね。
ドラマ「愛していると言ってくれ」でも個性的な女性の役をやっているんですが、その時のはちゃめちゃさが鮮烈でした。
この「ビューティフルライフ」でも、見ている僕らとしては「じゃあどうしたら良いんだよ!」と、思わず言いたくなるような行動をいっぱいとってくれました。だからこそ、可愛いときに抜群に可愛く見えるんですよね。
そして、そのはちゃめちゃが過ぎれば過ぎるほど、「キムタク」が輝く。この凄まじいスパイラルが、とんでもないシナジーを産みだすんですよね。

北川悦吏子、キムタク、常盤貴子。
まさに合わさるべくして合わさった、究極のドラマと言っても過言では無いでしょう。しかし、この三者が織りなすシナジーをさらに加速させる存在があるんです...。
それが、「B'z」。
そう、このドラマ、最後にB'zが手掛ける主題歌の「今夜月の見える丘に」が流れるんですが、イントロ最高なんです。ドラマの終盤になってきたら、脳がイントロを求め始めてきます。このイントロを聴いてやっと「ビューティフルライフ」を見終わることができるのです。
北川悦吏子、キムタク、常盤貴子、そしてB'z。
とんでもないコラボのこのドラマを、現代でもう一度お楽しみ下さい!
【プロフィール】
福田恵悟(LLR)
1979年11月9日生まれ、東京都出身。
NSC東京校 7期生。2002年に伊藤智博とともにLLRを結成。コンビでの活動の傍ら、ドラマ好きとして「よしもとドラマ部」でのライブを約10年、回数として実に100回以上開催している。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。














