竹内涼真が湊かなえ原作ドラマ「落日」など話題作で見せた新境地
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2025.10.14
湊かなえ「落日」
10月から放送中のドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」で、夏帆とW主演を務めている竹内涼真。本作で彼が演じるのは、食にはうるさいのに料理の苦労を全く理解せず、長年の恋人に愛想を尽かされる、典型的な亭主関白系の男性だ。2013年の芸能界デビュー以来、竹内は清潔感あふれるビジュアルと爽やかな笑顔、そして圧倒的な存在感で、映画やドラマを中心に幅広く活躍をしている。
2014年放送の「仮面ライダードライブ」で主人公・泊進ノ介／仮面ライダードライブを演じ、一躍注目を集めた竹内。翌2015年のドラマ「下町ロケット」では、さらに多くのファンを魅了した。以降も誠実で熱血な青年役を数多く演じ、視聴者の心を揺さぶる存在へと成長。そして2020年代に入ると、刑事や看守、殺人犯、ヤクザなど、持ち前の存在感を生かした重厚な役どころに挑戦し、その幅広い演技で鮮烈な印象を残している。
重い十字架を背負う死刑囚を熱演！
湊かなえ原作の衝撃ミステリー「落日」では、竹内が家族を殺害した死刑囚・立石力輝斗を演じた。スターらしい華やかさを完全に封印し、刑の執行を待つ中で重い十字架を背負う青年の孤独と葛藤を、緊張感あふれる演技と微細な表情の変化で見事に表現している。第3話で見せた獄中での感情爆発のシーンでは、過去の悲劇を思い出させる手紙に涙し、怒りと悲しみを爆発させる力輝斗の姿を鬼気迫る迫真の演技で描き出した。その演技は、爽やかで好感度の高い竹内のイメージを覆す挑戦的なものでありながら、視聴者に深い共感と圧倒的な緊張感を与えた。まさに俳優としての新境地を切り開いた作品といえる。
信念を貫く青年役や一人二役で魅了！
「六本木クラス」では、巨大企業への復讐（ふくしゅう）を誓う男・宮部新を熱演。不器用ながらも信念を貫く青年の姿を、情熱的かつ繊細に描き出し、役作りとして個性的なヘアスタイルにも挑戦。「Believe－君にかける橋－」では、橋の崩落事故で亡くなる作業員と、その瓜二つの兄である刑事の一人二役に挑み、誠実で実直な青年と、冷静ながらもミステリアスな刑事という二面性を巧みに演じ分けた。どちらの作品でも、竹内ならではの情熱と演技力が光り、役ごとに異なる表情を見せる彼の幅広さを改めて印象付けた。
熱血刑務官役で見せた誠実な演技力！
城山真一の小説を原作とした「看守の流儀」では、受刑者に真摯（しんし）に向き合う刑務官・宗片秋広を演じた。受刑者の更生を心から願い、そのためなら規則違反も辞さない熱い情熱を持つ人物を、真剣さと誠実さが伝わる演技で表現。実直で熱血なキャラクターは、竹内自身のイメージと自然に重なり、彼の魅力を最大限に引き出した作品だ。
全く正反対の立場の役や一人二役など、竹内涼真は役ごとに異なる表情を見せる実力派へと着実に成長を遂げた。爽やかさだけでなく、鬼気迫る熱演や複雑な感情表現も自在にこなし、見る者を物語の世界に引き込む力は唯一無二である。これからどのような役柄で新たな一面を見せてくれるのか、今後の活躍から目が離せない。
文／中村実香
