バカリズム脚本による、ほのぼの日常系SFコメディー 「ホットスポット」【フルーツポンチ・村上健志】
国内ドラマ 連載コラム
2025.08.06

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
【プロフィール】
村上健志(フルーツポンチ)
1980年12月8日生まれ、茨城県牛久市出身。
2004年にNSC東京校10期として入学。在学中に、同期の亘健太郎とともにフルーツポンチを結成。特技の俳句で、MBS「プレバト!!」にて日常の風景を切り取る独自の才能を発揮し、永世名人の称号を獲得。2021年には「フルーツポンチ村上健志の俳句修行」と題し、句会での様子を書籍にして出版している。よしもとドラマ部に所属。ドラマ好きが高じて、多数ドラマ出演経験あり。
山梨県、富士山麓ののどかな町で暮らす遠藤清美(市川実日子)、41歳。地元のホテルで働く清美は、娘を女手一つで育てるシングルマザー。穏やかな暮らしをしていた清美は、車に轢かれそうになったところを間一髪、同じホテルで働く先輩の高橋(角田晃広)に命を救ってもらう。人間離れしたその救い方に高橋を問い詰めると、高橋は「自分は宇宙人だ」と話し始める。突然現れた非日常によって、動き始める小さな町の日常を描いたコメディードラマ。
(C)NTV
毎秒おもしろいバカリズム脚本の雑談
バカリズムさんの脚本の醍醐味といえば「雑談」。ホテルのフロントでの清美と同僚の雑談。喫茶店で話す清美と幼馴染の雑談。宇宙人・高橋との雑談。作中で交わされる雑談どれもがおもしろいんです。あるある感がとびっきりで「うわー、わかるー。」と共感しまくります。共感と言うと、前から自分もそう思っていたみたいに聞こえるかもしれませんが、バカリズムさんの脚本に触れていなければ、なんでもないことと見過ごしていたことばかりです。バカリズムさんが言葉にしたことによって、僕の中にあった「そういえばあったこと」が「あるある」となったのです。
しかも、あるあるとしての精度が高いだけではなく、ずっとふざけていることがまたおもしろい。そのおもしろさを可能にしている俳優さんたちの演技。これどうでしょう感のない、押し付けがましくないおもしろさ。半歩間違えれば、リアリティーのある「あるある」な会話を手放してしまいそうなところを、絶妙な塩梅のふざけで笑いを増幅するのです。ふざけるという非日常と、あるあるという日常が絶妙に混ざり合い、ずっと見ていたくなるドラマになっているのです。
(C)NTV
登場人物、全員好きになる。この町が好きになる。
宇宙人というSFがテーマでありながら、ずっと聞いていたくなる日常の会話に引き込まれ、出てくる人全員のことが好きになっていました。その人たちが住んでいる町が大好きになっていました。ただの視聴者となり、彼女たちに愛着を持てただけでも得した気分なのに、後半にかけて、新たな真実のラッシュにより加速する物語!「これだから連続ドラマはたまらない」と、感謝とただの視聴者であるにも関わらず、誇らしい気持ちで最終話を見終えていました。出てくる登場人物が好きになって、ドラマの舞台である町が好きになるドラマにハズレなしです。
市川実日子、角田晃広、夏帆、鈴木杏、平岩紙
もうドラマのことについては書き終わっていたのですが、このドラマを見ると、俳優の皆さんに賛辞を送りたくて、ついつい名前を書きたくなってしまうのです。表情が、間が、演技が、とかも当然そうなんですが、そういう解説を超えて、中学生の時に、片思いしている好きな子の名前をノートにただただ書き連ねたように、名前を連ねたくなるのです。市川実日子、角田晃広、夏帆、鈴木杏、平岩紙、木南晴夏、田中直樹、坂井真紀、志田未来、、、、、、、大好きです!!!