真風涼帆が明かす宝塚歌劇の固く強い絆「卒業してもなお、先輩方のお言葉に心が救われる瞬間がある」

真風涼帆が明かす宝塚歌劇の固く強い絆「卒業してもなお、先輩方のお言葉に心が救われる瞬間がある」

時代劇専門チャンネルの人気企画「華麗なる宝塚歌劇の世界」のシーズン8が7月20日(月・祝)よりスタートする。同番組は、案内役の中井美穂が毎回、ゲストのタカラジェンヌOGと共に「日本物」の宝塚歌劇作品を中心に紹介するほか、本編前後のトークコーナーでは公演当時の思い出や近況について掘り下げていく。

7月20日(月・祝)よる10時放送の初回では、真風涼帆が登場。中井と共に、真風が出演した『白鷺の城』(2018年、宙組・宝塚大劇場)を鑑賞し、当時の思い出などについて語った。

今回、収録後の真風にインタビューを行い、収録の感想や退団後の暮らし、今後の活動の展望などについて語ってもらった。

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――収録はいかがでしたか?

「中井さんはすごく安心感がありますし、2人で映像を見てファンのような感覚になるコーナーもあったり、すごく楽しい収録でした!基本的に自分の映像を見るのは苦手で、『このような機会がない限りは、出演作品を振り返ることもなかった』と思うので、すごくいい機会をいただけたと思いました」

――今シーズンから始まったクイズコーナーでは、出題もされていました。

「結構前の作品だったので、当時のエピソードでクイズになりそうなものを(スタッフに)聞いていただいたのですが、遠い記憶を探り探りだったので、出てきたのがあの問題だったんです(笑)。きっと後日、当時の宙組のメンバーに会ったら『あれもあった、これもあった』と、もっと出てくるのかなって思います。ですので、今の私の渾身の1問を出させていただきました(笑)」

――公演時の思い出は?

「このショーは、シーンごとに時代が変わるため、お衣装の早替わりのシーンが多く、公演が始まっても早替わりで着替え、休憩中もお化粧替えをするので、みんなで『急げ!』という感じでした(笑)。

トップになり1年くらい経っていたので、慣れてきて地に足が付いてきたタイミングだったと思うのですが、"日本物のショーと洋物のオリジナル2本をやらなければいけない"という、いい意味で慣れることなく新しい挑戦をさせていただき、フレッシュな気持ちで作品に取り組めていたのかなと今改めて思います。

当時は日本物の経験が少なかったので、どうすれば『すてきだな』『カッコいいな』と、思ってもらえるようにできるのか不安が大きかったです。経験を積まれている方なら、『この時代ならこうだね』と十八番もお持ちかと思います。私は宝塚人生で日本物のショーは2、3回くらいしか演じたことがなかったので、青天を被るなどとにかく初めて尽くしでした。ですので、"自信を持ってお届けする"というよりは、『所作や着物の着方1つ、かつらの被り方1つ、これを1つやるだけでも初めてで大変なのに、こんな数の衣装を着こなさなきゃいけないんだ...』というプレッシャーを抱えながら、なんとかお客様に満足していただけるようスタッフの方々と相談して、先生方にもアドバイスをいただきながら、お力をお借りして頑張ったという感覚でした」

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――退団されてから3年。出産後、芸能活動を再開された現在、改めて宝塚歌劇について思うことは?

「今回、日本物の作品を取り上げていただいたということもあり、特に思うのは"継承"です。宝塚歌劇自体もそうですが、日本物の作品もまた宝塚歌劇の伝統の1つです。先輩方が長い年月をかけて築き上げてきたものを受け継いでいく。それが宝塚歌劇の大きな魅力の1つだと思いました。もちろん、"女性だけで作る舞台"であり、世界的にも珍しい"この多人数がワンチームで動く"ということも魅力ですが、先輩方が作り上げてきたものや美学を、惜しみなく下級生に伝えてくださる先輩がいて、下級生はそれを必死に学び、また自分が体現していく...。伝統や芸術は目に見えるものではないので、言葉で『受け継ぐ』というのは簡単ですが、実際にやるのは簡単ではないことだったと、卒業してから一層強く感じます。そういう宝塚で培ったものが自分の舞台人としての基盤となっているので、卒業してから立つ舞台でもそれらが息づいているのを感じています」

――今年は舞台にも、出演されてらっしゃいますが、大変ではないですか?

「もう『聞くのとやるのでは大違い』という言葉が身にしみています(笑)。今まで想像でしかなかった経験したことのない"子育て"というものに直面して、もう自分一人では手が回らなくて!『仕事なんて無理だ...』という感覚に陥った時期もあったのですが、家族に支えてもらいバランスを取りながら、必死にやっています。ありがたくもお仕事のお話をいただくので、やりたいと思えるものはぜひ挑戦していきたいですし、待っていてくださるファンの方たちがいてくださる限りは応えていけたらと思っています」

――仕事と子育ての両立はできていますか?

「母親1年目なので、正直なところ、まだまだ道半ばです。仕事と家庭のバランスについても、これが正解という自分なりのメソッドはまだなく、日々模索しながら過ごしています。
ただ振り返ってみると、今年の前半は少し仕事を詰め込みすぎたかなと思う部分もあります(笑)。これからは家族との時間も大切にしながら、自分にとって心地よいバランスを見つけていけたらと思っています」

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――"子育て"という初めての経験の中で指針となっているものは?

「"母親"の先輩であるOGの方たちとお話をさせていただいた際に、瀬奈じゅんさんから『(子育ては)お母さんが笑顔でいることが一番だから』というお言葉をいただきました。初めの頃は、子供を置いて仕事をするのが、心のバランスがうまく取れずしんどかったのですが、この瀬奈さんの言葉に『卒業してもなお、先輩方のお言葉に心が救われる瞬間があるんだ』と感激しました。"誰かのお母さん"ではない自分というものを表現できる場所と、"誰かのお母さん"という母としての自分をうまく共存させていけたらと思います。

舞台は、自分の人間性や人柄が出る場所だと思うので、結婚・出産をした私だからこそ表現できるもの、感じられるものが、以前とは違うなという感覚が芽生えてきているので、そうやって表現していく喜びは続けていけたらいいなと思っています」

――子育て1年目なうえに舞台への連続出演。普通ではこなせない量のタスクだと思いますが、やはり宝塚歌劇時代の多忙な日々を乗り越えた経験があるからこそこなせているのでは?

「もう、おっしゃる通りです!早替わりだったり、お風呂に入る速度が一般の女性の方より大幅に速いという特殊能力を身に付けています。お食事とかも爆速でいけますから。スピード感ということに関しては、かなり活かされていますね(笑)」

――そんな多忙な日々の中で、"癒やしの瞬間"はどんな時ですか?

「子供の笑顔です。最近ハイハイができるようになり、自分から一生懸命こちらに近づいてきてくれるようになりました。そんな姿を見るだけでも幸せですが、さらに満面の笑顔を向けてくれた日には、その日の疲れが全部吹き飛びます。『明日も頑張ろう!』という気持ちをもらえる、私にとって何よりの癒しの時間です」

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――今後の活動の展望は?

「ミュージカル作品に呼んでいただくことが多いのですが、ストレートの芝居だけの作品にも挑戦してみたいですし、朗読劇や映像作品といったいろんなジャンルにも挑戦していけたらと思っています」

――ご自宅で俳優である夫・勝矢さんと演技論を交わすこともあるのでしょうか?

「演技論を交わすというほど大げさではないですが、見た作品に関して意見を交換することはあります。夫は映像作品がベースなので、すごく刺激や学びをもらえて有意義な時間になっています」

――最後にファンの皆さん、視聴者の方々にメッセージをお願いします。

「今回このような機会をいただいて、私も久しぶりにこの作品を見るという貴重な時間を過ごすことができてとても楽しかったです。ご覧になる皆さまにも楽しんでいただける番組になっていると思います。ぜひ、最後まで楽しんで見てください!」

PROFILE
1986年7月18日生まれ。熊本県出身。2006年に宝塚歌劇団に入団。同年3月、『NEVER SAY GOODBYE』で初舞台を踏む。2017年11月、宙組トップスターに就任。2023年、退団。プライベートでは、2024年に俳優・勝矢と結婚。2025年に出産し、2026年は『エリザベート・ガラ・コンサート』、『AmberS-アンバース-』に出演。7月にはミュージカル『空白の響き Blanked Sound』に出演を控える。

文/原田健 撮影/皆藤健治

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