ケンドーコバヤシ&「宇宙兄弟」作者・小山宙哉が今後の夢について語る
エンタメ インタビュー
2026.06.26
ケンドーコバヤシが、大好きな漫画家のもとを訪れひたすら話を聞く、漫画好きのための漫画専門番組「漫道コバヤシ」(不定期放送、フジテレビONE)の6月30日(火)放送回に漫画「宇宙兄弟」の小山宙哉先生が登場する。
漫画「宇宙兄弟」は、2007年から青年誌「モーニング」(講談社)で連載を開始し、2011年に小学館漫画賞、講談社漫画賞をダブル受賞。2012年にTVアニメ化&実写映画化され、累計発行部数は3500万部超えの人気漫画だ。今年6月に18年にわたる長期連載が完結した。
番組では、ケンコバが小山先生の仕事場を訪問し、作業現場を見学するほか、小山先生とのトークを展開。漫画家デビュー作から「宇宙兄弟」誕生の経緯、キャラクターについて、ストーリーの裏話に至るまで、自身の感想や思いなどを語りながら、読者が知りたかった話を引き出していく。
今回、収録現場に潜入し、2人の対談の様子を取材。さらに収録後、2人に独占インタビューを行った。

収録では、小山先生の作業現場を見学した後、打ち合わせスペースで対談することに。ソファーに置かれている、作品に登場するセリフ『(IT'S A)PIECE OF CAKE』の文字が入ったクッションを目ざとく見つけたケンコバは「PIECE OF CAKE!(※楽勝だよ) これ、いつかそういう状況になったらバシッと決めてやろうと思ってるんですよ。でも、なかなか機会がなくて」と早くも作品のコアなファンの顔をのぞかせ、「先生は使いました?」と尋ねる。小山先生も「使ったことないですね(笑)」と苦笑いで応えるなど和気あいあいとした雰囲気でスタート。
漫画家を目指したきっかけや漫画家デビュー作についてなど、小山先生の半生をひもといていく中、ケンコバは「後に『宇宙兄弟』を描く人の本名が『小山宙哉』?うそですよね?(笑)」とジョーク混じりに、作品と名前の不思議なつながりに迫る。また、「宇宙×家族」というテーマが生まれたきっかけの話では、ケンコバが「もしかしたら『陶芸姉妹』になっていたかもしれないですね」と目を丸くする場面も。
ほか、キャラクター秘話では、兄・六太と弟・日々人の名前やキャラクターデザイン誕生秘話が語られる中、小山先生から「まさか1巻から仕事の粗さが出てしまいました...」とコミックスの表紙の秘密が明らかになる。
ストーリー展開にまつわる話では、ケンコバが「この時には、後の展開まで考えていたんですか?」「この試験は、NASAで実際にあるんですか?」「これは、どういった発想から生まれたのですか?」など、読者にとって痒い所に手が届く質問を投げかける。
そんな中、小山先生から「10代の若い人を描くより、おじさんを描く方が楽しい」と、ケンコバを感心させる漫画家ならではの金言も飛び出す。

収録後、2人にコメント取材を敢行し、収録の感想や今後の夢などについて語ってもらった。
――収録の感想は?
小山先生「スタッフの方を含め、(作品に対する)熱量がすごかったのがありがたかったですし、とても面白く収録させていただきました。細かいところは僕の方が覚えてないっていう...(笑)。僕も見返していないことが多いので、話を聞きながら『ここ覚えてないわ(焦)』と探りながらやっていたところもありました(笑)」
ケンコバ「先生にたくさんしゃべっていただいて、テンションもいい感じに高くやらせていただいたのですが、(収録中に)先生から『連載を終えたところなので、とりあえずゆっくりしたい』という話を聞いて、『やっちまったな』と思いました(笑)。『お疲れのところで、ただただボーっとしたいんやろうな』と。でも、長年の連載が終わった今がチャンスだったので、ご出演いただいてすごくありがたかったです」
――次の漫画家さんにつながるようにやんわり小山先生にお願いしているシーンもありましたが?
ケンコバ「漫画家の先生方って、こう言ったらあれかもしれないんですけど"限られた資源"なんですよ。世界中でも一番少ない人口の職業なんちゃうかなって思うし、この番組も100回を超えちゃってるので、深刻な資源不足なんですよね(笑)。僕らも出版社の人からお願いしていただくことも多いんですけど、1個でも次の先生につなげられるようにね」
――ご自身も大好きな作品という『宇宙兄弟』の魅力はどんなところですか?
ケンコバ「『嫌なことなんてないんだ』という人生訓になるというか。辛いことや困難なことがあっても、嫌なことなんてないんちゃうかな、みたいな。"気持ちさえ強かったら乗り越えられる"ということをすごく教えてくれる漫画ですよね。あと、最終回に向けての盛り上がりがすごいんですよ!改めて読み直した時に、『こういう盛り上がりがほしいねん。俺らは!』と率直に感じました」
――読み直して、作品で描かれている兄弟の絆に触れたことで、息子さんに弟を、という思いになったりは?
ケンコバ「その前に俺、実の兄とすごく仲が悪いので、そう思う権利はないな、と(笑)」
――小山先生は、18年間走り続けて、完走した今の気持ちはいかがですか?
小山先生「やっと重い荷物を肩から下ろしたような『終わった~』という感じで、ほっとしたというのが一番大きいですね。漫画って長くなるとどんどん終わりにくくなるというか、終わらせるのが結構難しくなることがあるので、そこに関しては自分的に真っ直ぐ描けたつもりなので、終わりに向かって時間はかかってしまいましたが『なんとか終わってよかった』という感じです。作中で、六太がシャロン天文台の建設が終わった時に、お尻をついて『くたびれた~』って言うシーンがあるんですけど、(連載中は)『そんな気持ちになるんじゃないかな』って思っていたんですけど、正にそんな気持ちになりました」
ケンコバ「『ドキュメンタリー的にはこのシーンで終わってくれりゃ問題ないな』というね」
小山先生「本当にそうですね」
――小山先生は、次回作の構想などは?
小山先生「全然決めてないです。しばらく休んで、面白いものが思いついたらで。『宇宙兄弟』が長かったので、次回作は短いので考えていきたいですね。全然違うジャンルに挑戦してもいいし、もう一回"宇宙"をテーマにした作品でもいいかもしれないです。"宇宙"といえば(自分)、みたいなポジションもありかもしれません(笑)。あとは、スピンオフもやろうと思えば可能なので、やろうと思えば、ですね」
――『宇宙兄弟』は兄弟が夢をかなえる作品ですが、お2人の今後の夢は?
ケンコバ「さっき小山先生の(バイクの)モンキーのカスタムを見させてもらったので、『もう一回バイクのカスタムやろうか』って火が付きそうです」
小山先生「何に乗ってらっしゃるんですか?」
ケンコバ「KAWASAKIのZ1っていう古いバイクと、ハーレーとスーパーカブに乗ってます。カブはちょっと手を入れないとなって感じなんですよ」
小山先生「僕は『宇宙兄弟』のアニメが結構求められているので、そこはちょっと関わって考えてみて、いい物を作ってみたいなという思いがあります」
――最後に視聴者、ファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
ケンコバ「連載では最終回を迎えて、コミックの最終巻の発売が控えているという、理想のタイミングで取材させていただきました。(最終巻で最終回を知る方には)知る前に(それまでのストーリーを)振り返ることのできるちょうどいいタイミングなので、連載中に離れてしまった人も、今回の放送をきっかけに、もう1回『宇宙兄弟』を味わっていただけたらと思います」
小山先生「僕自身が作品を振り返ったことがなかったというのもありますけど、今回の収録で『長いこと描いてきたな』という気持ちになりました。最終巻発売前にこの番組で1回振り返ってもらうと、より没入して楽しめると思うのでぜひご覧ください」

PROFILE
ケンドーコバヤシ
大阪府出身。1972年7月4日生まれ。1992年4月に大阪NSCに入学。2組のコンビ活動を経て、2000年よりピン芸人として活動開始。大喜利イベント「ダイナマイト関西」で輝きを放つほか、2003年頃から全国区で活躍。プライベートでは2025年に結婚、2026年に第一子が誕生。
小山宙哉
京都府出身。1978年9月30日生まれ。デザイン会社勤務を経て、青年誌『モーニング』に持ち込んだ『ジジジイ』で第14回MANGA OPEN審査委員賞を受賞。『劇団JET'S』で第15回MANGA OPEN大賞を受賞。『ハルジャン』『ジジジイ』の連載を経て、2007年より初の週刊連載作品となる『宇宙兄弟』がスタート。
文/原田健 撮影/皆藤健治




