声優・早見沙織インタビュー番外編「家族の笑顔を守るために」(TVアニメ『SPY×FAMILY』ヨル・フォージャー)
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2025.10.03
TVアニメ『SPY×FAMILY』のヨル・フォージャー役、「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶ役、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」のリュー・リオン役など、数々の人気キャラクターを演じ、その魅力を引き出してきた声優・早見沙織さん。歌手としての顔も持ち、2025年にはアーティスト活動10周年を迎えます。
今期は、2025年10月4日より放送予定のTVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3に要注目です。
――幅広い世代から絶大な人気を誇るTVアニメ『SPY×FAMILY』。こちらでは凄腕の殺し屋でありながら、おっとり天然なフォージャー家の仮初めの妻を演じるヨルさんを務められています。早見さんから見た、ヨルさんの魅力を教えてください。
(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
「素直でどんなことにも真面目、一生懸命に取り組む姿が、本当にかわいらしい人ですよね。本業こそ殺し屋ではあるんですけど、家族思い。実の弟に対しても、ロイドさんやアーニャさんという、擬似的に生まれた家族に対しても、愛情たっぷりで、家族のために自分の人生を生きている、そんな人だと思います。殺し屋という仕事も彼女の中ではあくまで"家族のための仕事"という面があると思います。やっていることはなかなかに凄惨なシーンが多くなるけど、自分以外の誰かのためにその仕事を選択している、というのがヨルさんらしい気質が表れている部分ですよね。仕事そのものが『楽しくてしょうがない』というよりも、弟を守るため、家族の笑顔を守るため...そういう軸が彼女の中では大事なんだろうなって。だからこそ、多分、家族の前のヨルさんと殺し屋稼業をしているときのヨルさんって、ちゃんとスイッチがあって、それが無意識のうちで切り替わっていくのかなと思います」
――ヨルさん一人の中に、どちらの面もある、というのはお芝居的な難しさはないですか?
「作品の雰囲気的にも、そこはテンポよく切り替わるほうがリズム感が出やすいし、ヨルさん自身が殺し屋の一面を、家族の一面のところまでは引っ張らないようにしてると思うので、そこはしっかり分けたほうがお芝居的にもいいのかなと思っています」
――早見さん的にこれまで放送された中で、好きなシーンや注目してもらいたいシーンはありますか?
(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
「Season 1の冒頭は、『この物語がなぜ始まったのか』というところなので、まず前提として絶対見ていただきたいです。ヨルさんの登場シーンに限っていえば、Season 2中に数話にわたって続く"豪華客船編"というエピソードですね。そのお話の中で、お仕事と家族に対する思いの間で生まれる葛藤と、それをどう乗り越えていくのかが描かれているんですよ。ヨルさんという人物をより深く理解するんだったら"豪華客船編"は絶対に外せないお話だと思います」
(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
取材・文/郡司 しう 撮影/小川 伸晃