藤原大祐×西垣匠が明かす、映画『キリコのタクト』合唱の裏側「『ハモリ我慢ゲーム』の感覚でした(笑)」

藤原大祐×西垣匠が明かす、映画『キリコのタクト』合唱の裏側「『ハモリ我慢ゲーム』の感覚でした(笑)」

突然姿を消した伝説の音楽教師はいま――。いきものがかりの大ヒット曲『YELL』をモチーフにした、心温まる感動作の映画『キリコのタクト~YELL』にて同級生を演じた藤原大祐と西垣匠に、撮影のエピソードや、音楽教師を演じた鈴木京香との裏話、さらには2人にとっての恩師についてなど、じっくりと話してもらった。

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■"先輩気質"でツンデレ? 初共演で見えた互いの素顔

――今作で初共演となるお2人ですが、一緒にお芝居をしてみていかがでしたか?

西垣「藤原くんは、太陽のような人です。コミュニケーション能力も高いですし、とっても明るいんです。他のキャストの方々ともしっかりとコミュニケーションを取って進めていくので、尊敬のまなざしで見ていました。僕はどちらかというと自分の世界に入りがちなのですが、それをガッとこじ開けて、みんなの輪の中に連れて行ってくれたので、おかげで現場に早くなじむことができました」

藤原「西垣くんは"先輩気質"なんですよ」

西垣「"先輩気質"ってダサくない!?(笑)」

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藤原「あはは!本当に1人の世界に入り込んでいるわけではなくて、ちゃんと押すと開くんです。なので、後輩として毎回ぶつかりに行っていました」

西垣「そうやってぶつかってくれるのは、すごくうれしかったですね」

藤原「西垣くんは、ツンデレなんです。現場ではものすごく優しいのに、どこかツンツンしている雰囲気を出していて(笑)。きっと、西垣くんのファンの方は、それを分かって、いとおしいと思っているんだと思います。だって、そこを知ったらかわいいですから!」

西垣「あはは!」

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■試練の合唱シーンは「1人で『ハモリ我慢ゲーム』の感覚(笑)」

――そんなお2人は今回、同級生を演じていましたが、演じた役どころと、お互いに似ていたところを教えてください。

藤原「西垣くん演じる東山慎吾は、壁にぶち当たってから、めちゃくちゃ頑張る姿が、西垣くんと似ていると思いました。ほかの同級生はみんないろいろ苦労を抱えて成長しているんですが、慎吾だけはミュージカルスターになっていて、成功しているんですよ」

西垣「確かに、そうかも」

藤原「慎吾は、野球でけがをして、合唱に出会い、才能を見出されてミュージカルの道に進んでいくという役だったので、合唱の練習も1人で居残りをして取り組んでいたんです。結果的に歌をしっかりと形にしていたので、本当にすごかったですね」

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西垣「僕は歌があまり得意ではなかったので、撮影は試練の連続でした。合唱の先生についてもらっていたのですが、声の出し方から普段とは違いますし、音楽の先生によく"ピッチが違う"と注意されていたんです。まず、"ピッチ"という言葉さえ知らなかったので、本当に大変でしたね。みんなに迷惑をかけながらも、やり抜いた充実感でいっぱいです。

藤原くんは、もともとシンガーソングライターとして活動もされているので、とにかく歌がうまいんです!撮影中もその歌唱力で、引っ張ってもらっていました。ただ、僕とはパートが違うのでいつもつられちゃうんですよ。なので、1人で『バナナサンド』の『ハモリ我慢ゲーム』をしている感覚でした(笑)」

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――あはは。藤原さんと、藤原さん演じる北村翔はどこが似ていると思いましたか?

西垣「キャラクターの性格的には、真逆だと思います。普段はあんなにおどおどしていないですし、すごく頼りがいがあるんです。でも、そういった役を違和感なく演じることができるのは、演技力があるからこそなんですよね。それに、歌っている時の目は、普段の藤原くんにすごくリンクするので、北村であり、藤原大祐でありという、すごくいい融合をしていたように思います」

――実際にライブハウスや路上での歌唱シーンもありました。ギターでの演奏でしたが、もともとなじみはあったのでしょうか。

藤原「僕は、もともとピアノで音楽活動をしていたので、今回のギターはかなり練習をして臨みました。なので、路上のシーンはすごく緊張していたんです。これまで軽く遊び程度で弾くことはあっても、人前でギターのパフォーマンスをしたことがなかったので、今までとは違う緊張感でした。あのシーンは、実際に本厚木の駅前で演奏をしていたので、人が立ち止まって聴いてくれていたんです。僕自身、路上ミュージシャンの気持ちになり、しっかりと届けたいという気持ちで歌っていました」

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■鈴木京香の圧倒的なオーラと、青春を追体験した撮影の日々

――注目のシーンですね。さらに今作では、鈴木京香さん演じる貴理子先生のすてきな姿も描かれていましたが、一緒に演じてみていかがでしたか?

西垣「鈴木京香さんは本当にパワフルで、気配りの方でした。現場でも、生徒にアイスを差し入れしてくださったんです。暑い夏に撮影をしていたので、とてもうれしかったですね。お芝居では、僕たちのことはもちろん、そこに参加した生徒役全員を本当の先生のように引っ張ってくださったんです」

藤原「お芝居を一緒にしていると、鈴木京香さんの瞳からは、ものすごい情報量の多い気持ちがあふれてくるんです。一対一でお芝居をしていると、一瞬しか目が合っていないのに、気持ちをグッと持っていかれるんですよね。さらに1対合唱部全員であっても、ちゃんと全員にエネルギーを届けてくださるんです。改めて、本当にすごい方だなと思いました」

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――実際に合唱をするなかで、青春の追体験をできたのではないでしょうか。

西垣「練習は、2~3カ月がっつり取り組んでいたのですが、それも含めて本当に部活をしているような感覚になりました。夏休みの学生さんがエキストラとして入ってくださり、一緒に練習したのはすごくいい思い出です。鈴木京香さんも指揮の練習があったので、時間があう時は一緒にコンクールのシーンを練習させていただいて。それも青春の1ページのようでした」

藤原「この期間が、僕たちにとってすごくいい役作りの期間になりました」

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■まるで青春映画!?2人が語る「自身の恩師」のエピソード

――さて、今作では恩師について書かれていますが、お2人の恩師について教えてください。

藤原「実は、僕にも貴理子先生のような存在がいたんです。小学生のときに、僕は聖歌隊という名前の合唱部に入っていたんですが、3年生の時点で、顧問の先生が『君は歌を歌った方がいい』と僕の才能を見出してくれて、6年生を差し置いてメインを歌わせてもらったんです。でも、5年生のタイミングで男の子が僕1人しかいなくなってしまって、やめてしまったんですよね。そんな中、6年生の時に、最後のクラスでの合唱で、その先生が『ソロを歌って』と言ってくれて、再び歌うことになったんです。それが、この『YELL』だったんです」

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――映画になるエピソードじゃないですか!

藤原「確かに(笑)」

西垣「ちょっと、この後だと言いづらいんだけど!(笑)」

藤原「いやいや、教えてください!」

西垣「僕の恩師は、父です。父はフェンシングの日本代表選手だったので、僕もこのお仕事を始める前は、フェンシングをやっていたんです。一緒に海外遠征なども行っていたので、すべてを教えてもらっていました。父はいま、オリンピックのコーチをしているので、"この人に教えてもらっているんだ"という自信にもなっていたのですが、家に帰ると、本当にただのお父さんで(笑)。今も仲が良いですし、道を極めた父は、今でも尊敬する恩師です」

藤原「それも映画化だ!」

西垣「あはは!」

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――では最後に、お2人が思う今作の魅力を教えてください。

藤原「登場人物がいろんな悩みを抱えているからこそ、自分に重ねてみてもらえる作品になったと思います。自分の思い出を旅するように楽しんでいただけたらうれしいです」

西垣「いきものがかりさんの『YELL』はもちろん、歌が持つ力を実感してもらえる作品になっていると思います。改めて音楽の素晴らしさが伝わったらうれしいです」

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藤原大祐 PROFILE
2003年10月5日生まれ、東京都出身。2022年にアーティスト名「TiU」として活動を開始。翌年、1st EP「SHOW TiME」にてメジャーデビュー。2024年5月からアーティスト名義を藤原大祐に変更し、新たな一歩を踏み出していく。2026年にはTVドラマ「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」にて主演。 映画、ドラマ、CMなど役者としても幅広く活躍中。今年4月に大阪・東京でのワンマンライブ「TAIYU FUJIWARA ONE-MAN LIVE 2026」を開催した。

西垣匠 PROFILE
1999年5月26日生まれ、石川県出身。2021年にTVドラマ「夢中さ、きみに。」で俳優デビュー。以降、TVドラマ「みなと商事コインランドリー」シリーズや「続・続・最後から二番目の恋」、映画『ほどなく、お別れです』や『ブルーロック』、劇団☆新感線の舞台『薔薇とサムライ2 海賊女王の帰還』に出演するなど幅広く活躍している。

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取材・文/吉田可奈 撮影/梁瀬玉実

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