ドラマ「名探偵のままでいて」の主演でも話題!若手実力派俳優の筆頭・吉川愛の演技を堪能できる作品3選

ドラマ「名探偵のままでいて」の主演でも話題!若手実力派俳優の筆頭・吉川愛の演技を堪能できる作品3選

現在放送中の金曜ナイトドラマ「名探偵のままでいて」(テレビ朝日系 毎週金曜よる11:15~放送(※一部地域を除く))で主演を務めている吉川愛。ミステリーマニアの孫娘と認知症の祖父という超異色バディが、事件の謎を解く極上のヒューマンミステリーである同作で、名優・奥田瑛二を相手に負けずとも劣らない名演技を見せている。

吉川といえば、2022年には映画『ハニーレモンソーダ』(2021年)で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、現在では次世代を担う若手実力派の筆頭役者だ。そんな彼女の演技の魅力を、いくつかの作品を例にひもといてみたい。

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■せりふ以外の方法で心情を細やかに表現 ドラマ「名探偵のままでいて」

現在放送中のドラマ「名探偵のままでいて」では、"ミステリーオタク"の小学校教諭・楓役を熱演中。同ドラマは、「このミステリーがすごい!」大賞の第21回大賞に輝いた小西マサテルの同名小説を映像化したもので、吉川演じる楓を中心に、心温まる極上のヒューマンミステリーが展開される。

楓は、元小学校校長で無類のミステリー好きである祖父の影響で、"ミステリーオタク"になったほどの"おじいちゃん子"であり、祖父への思いが人一倍強い。加えて、レビー小体型認知症を発症した祖父を労わり寄り添いながら、ミステリーの話題になると祖父が生き生きと謎解きに挑むことに気づき、日常の謎や小さな事件を祖父のもとへ持ち込んでいくという背景がある。

そんな複雑な心情を抱えた役どころを、吉川は丁寧に描き出している。祖父とのシーンでは、祖父に寄り添っているため、そこまでせりふが多くないのだが、楓の"祖父の病気を心配する気持ち"、"生き生きとした祖父が見られてうれしい気持ち"、"次々と推理を構築していく祖父への畏敬の念"など複雑な心情を、祖父の言葉を聴きながら表情だけで表現。せりふに頼らない芝居で、心情を雄弁に語っている。

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ドラマ中盤からは、楓に思いを寄せる四季(綱啓永)と岩田(高松アロハ ※高ははしご高)との狭間で揺れ動くシーンも描かれ、恋愛要素も加わってくる。吉川がせりふ以外の芝居で表現する心の機微にもご注目いただきたい。

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■20代女性を瑞々しく等身大で表現したドラマ「やっぱそれ、よくないと思う。」

2023年にテレビ朝日系で放送された単発ドラマ「やっぱそれ、よくないと思う。」。同ドラマは、全く再生数が伸びない3人組の動画配信者が、起死回生の一手として「かわいい女の子を交際経験ゼロの男性にアプローチさせ、それをドキュメンタリーふうに配信する」という企画を計画し、カフェで働く冴えない青年・石橋渉(岡山天音)をターゲットに実行していくという内容で、主演の吉川は3人組の1人、上新井田みどりを演じている。

みどりは、「動画で世の中を楽しくしたい!」という理念で、園木佳奈(久保田紗友)、池照海(井上祐貴)と共に動画配信者として活動しているが、なかなか芽が出ず、資金も底をつきかけ、実家の酪農を継ぐ未来が現実味を帯びてきている女性。また、外資系コンサル社員に妻子持ちであることを隠されていたり、イケメンアナウンサー・谷山(濱尾ノリタカ)に二股をかけられるなど、見た目はいいが男運がないというキャラクター。

そんなみどりを、吉川は瑞々しく表現している。作品がラブコメディであるため、全体的に明るく演じているのだが、恋人に裏切られていたことを知った瞬間や、渉の純粋さに触れて罪悪感を感じていくさまなど、若い女性ならではの溌剌さをまといながら、気落ちする場面もしっかりと演じて、みどりの心情を繊細に表している。

またTELASAではオリジナルコンテンツ「やっぱそれ、よくないと思う。大盛り。」も配信中。本編の裏側で、みどりの身に実はこんなことが起きていた...という"秘密のエピソード"を見ることができる。

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■主人公を揺さぶる"怪しい"ヒロインを怪演 ドラマ「降り積もれ孤独な死よ」

2024年の連続ドラマ「降り積もれ孤独な死よ」(日本テレビ系)では、ヒロインの蓮水花音を怪演。同ドラマは、原作・井龍一、漫画・伊藤翔太による同名コミックを、成田凌主演でドラマ化したもので、13人の子供たちの白骨死体が見つかった"灰川邸事件"をきっかけに始まるヒューマンサスペンス。"灰川邸事件"の捜査で、刑事の冴木仁(成田)たちが遺体の身元確認と、屋敷の持ち主である灰川十三(小日向文世)の行方を追う中、灰川を「父」と呼ぶ花音(吉川)が現れるというストーリー。

花音は冴木と共に事件の真相を追うのだが、常にどこか怪しさをまとっており、冴木を揺さぶるという役どころで、「やっぱそれ、よくないと思う。」のみどりとは全く異なった役柄。育児放棄をされていた自分を灰川が救ってくれ、6年前まで一緒に暮らしていたという過去があり、あまり感情の起伏もなく年相応とは思えない落ち着きがある。さらに、あまり「相手がどう思うか」を気にしていないようなところがあり、それも彼女の不気味さを助長している。

降り積もる謎が捜査を二転三転させ、予測不能な結末へと誘うのだが、数ある謎の1つは花音であり、そんなつかみどころのない難しい役を、演じる身として全て理解した上で、視聴者に怪しく見えるように、絶妙な塩梅で強弱をつけている力加減が秀逸だ。

数々の役を経て、役者としてさまざまな引き出しを開放し続ける吉川愛。表現方法が限られる役どころにも関わらず、心情を雄弁に語る演技力をリアルタイムで堪能してほしい。

文/原田健

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