ブルーインパルス元4番機パイロット・高橋KYONCEE喜代志が語る!「松島基地航空祭」の魅力と知られざる舞台裏
エンタメ 生中継インタビュー
2026.10.01
航空自衛隊の航空祭をはじめ、大阪・関西万博や第20回アジア競技大会などで、華麗なアクロバット飛行を披露するブルーインパルス。その本拠地である宮城・松島基地で開催される「松島基地航空祭」は、国内の航空祭で唯一、午前と午後の2回にわたってブルーインパルスの展示飛行が行われることでも知られ、例年3~4万人のファンが全国から訪れる。
Jテレ、J:COMチャンネルでは、10月4日(日)に開催される「令和8年度松島基地航空祭」の模様を生中継。ブルーインパルスの一糸乱れぬフォーメーションを、さまざまな角度からお届けする。今回は放送に先駆け、かつてブルーインパルスの4番機パイロットとして活躍した高橋KYONCEE喜代志(たかはしキョンシーきよし)氏にインタビュー(※「KYONCEE」は作戦用の無線呼び出し名である「TACネーム」)。松島基地航空祭の魅力から、ブルーインパルスのパイロットに求められるもの、4番機ならではのエピソードまで、貴重な話を聞いた。

――航空自衛官の皆さんにとって「基地航空祭」とは、どのようなものなのでしょうか?
「米軍基地などでは『オープンハウス』と呼んだりしますが、年に一度、基地を一般開放して、多くのお客さまに日頃の訓練の成果や航空機、車両などの装備品を見ていただける唯一の機会です。隊員は皆、ホストとしてお客さまをお迎えするビッグイベントですが、事前の準備は結構大変です(笑)」
――ブルーインパルスという存在は、どのような役割を担っているのでしょうか?
「編隊飛行や編隊でのアクロバット飛行は、アクロバット専門チームだからこそできる特別な世界です。自衛隊パイロットの卓越した技術を国内外に披露・アピールするだけでなく、次世代を担う子どもたちに『航空自衛隊に入りたい』という夢を与える役割も担っています」
――少年時代の高橋さんにとって、ブルーインパルスはどのような存在でしたか?
「小・中学生の頃は、特に強い関心があったわけではありませんでした。高校生の時に戦闘機好きな友人に誘われて千歳基地航空祭へ行き、そこで引退間近だった初代ブルーインパルス(F-86F)のフライトを初めて見ました。でも、当時は自分が将来ブルーインパルスのパイロットになるとは夢にも思っていませんでしたね」

――実際にブルーインパルスのパイロットに選ばれた時は、どのようなお気持ちでしたか?
「私が配置された当時は、ちょうど機種がT-2から3代目のT-4へ移行する初期の段階でした。発令当時は部隊の立ち上げ期で情報も少なかったため、不安と期待が入り交じった心境でした。当時は、若手パイロットの間で"ブルー"を希望する人はあまり多くなかったため、T-4の第11飛行隊では『後輩たちが憧れるブルーインパルスを作る』という目標を掲げてスタートしました。30年が経ち、今では多くの若手が"ブルー"を目指すようになっており、当時の目標が達成できたと感じています」
――松島基地航空祭ならではの魅力を教えてください。
「松島基地はブルーインパルスのホームベースですので、通常の航空祭では1回のみの展示飛行が、午前と午後の計2回見られます。そこが最大の違いであり、魅力ですね。パイロットにとってもやりやすい環境で、他の基地よりもタイトで整った編隊飛行をご覧いただけると思います。観覧される皆さんには、ぜひ肉眼で空全体を見渡して楽しんでいただきたいですね」
――高橋さんが担当されていた「4番機(スロット)」のエピソードや裏話があれば教えてください。
「4番機は編隊の先頭である1番機の真後ろに付くポジションで、激しいジェット排気を受けることから『地獄の4番機』と言われることもあります。でも、私自身は『4番機が一番楽だ』と感じていましたね。目の前にレファレンス(参照指標)となる1番機がいるため、左右に付く他機よりも、機体姿勢のコントロールがしやすいという利点があると感じていました」

――ブルーインパルスのパイロットには、特別な技術が必要なのでしょうか?
「標準的な技量を持つ戦闘機パイロットであれば、しっかりと訓練を積み重ねることで誰でも適応できるようになります。何より大切なのは、『この人はポジションを外さない』という強い信頼関係です。お互いの絶対的な信頼があるからこそ、超至近距離での編隊飛行が可能になります」
――ブルーインパルスを支える整備部隊とのエピソードがありましたら教えてください。
「パイロットと担当の整備員とは非常に仲が良く、展示フライト前には一緒になって機体を磨き上げたこともありました。これは普通の戦闘機部隊ではあまり見られない、ブルーインパルスならではの光景です。部隊創設30周年の節目やOB会などで当時の仲間と集まるなど、今も交流が続いています」
――最後に、放送を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
「生中継で、航空祭の臨場感を味わっていただきたいですね。それをきっかけに、実際の航空祭に足を運んでいただき、約40分間の飛行場ならではの離陸から着陸まで全課目のアクロバット飛行の迫力をじかに体感していただきたいです」
取材・文/中村実香
【プロフィール】
高橋KYONCEE喜代志(たかはしキョンシーきよし)
作戦用の無線呼び出し名(TACネーム)は「KYONCEE」。元ブルーインパルス4番機パイロットで、初のブルーインパルス米国遠征や国際イベントの開会式でブルーインパルスのフライトを務める。
この番組は、地域情報アプリ「ど・ろーかる」と公式YouTube「J:COMチャンネル・J:テレ」でもライブ配信予定です。
https://c.myjcom.jp/jch/east_04/matsushimakoukuusai.html




