アン・ボヒョン「梨泰院クラス」の狂気から「ユミの細胞たち」の胸キュンへ――ギャップに沼る映画&ドラマ3選

アン・ボヒョン「梨泰院クラス」の狂気から「ユミの細胞たち」の胸キュンへ――ギャップに沼る映画&ドラマ3選

世界的ヒット作「梨泰院クラス」で強烈な悪役を演じ、視聴者に圧倒的なインパクトを与えてブレークを果たしたアン・ボヒョン。しかし、その後は単なるヒール役にとどまらず、純情で不器用な青年からタフな軍人までを見事に演じ分け、「カメレオン俳優」として韓国エンタメ界に欠かせない主演スターへと飛躍を遂げた。

元ボクサーという経歴が裏打ちする抜群のプロポーションと本格アクションはもちろん、細やかな視線やしぐさで魅せる繊細な表現力も彼の大きな武器だ。今年6月にはイム・ユナ(少女時代)と共演した映画『プリティ・クレイジー 悪魔が引っ越してきた』が日本で公開され、さらに最新作「財閥 x 刑事」シーズン2の放送もスタートするなど、ますます勢いに乗っている。今回は、そんなアン・ボヒョンの底知れぬ沼に引き込まれる、見逃せない代表作3作品を紹介したい。

■影のある元軍人を熱演!泥だらけの死闘アクション映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』

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2015年の大ヒット映画『ベテラン』の9年ぶりの新シリーズとして公開された一作。メガホンを握ったのは、韓国のヒットメーカー、リュ・スンワン監督。得意のスピード感と痛みをずしんと感じさせるアクションが、本作ではさらにパワーアップしている。アン・ボヒョンのアクションシーンも大きな見どころだ。

前作では、正義感あふれる刑事たちと凶悪な財閥御曹司との闘いが描かれた。今シーズンの敵は、法律の抜け穴を行く悪人やネット社会の歪んだ正義。ベテラン刑事役のファン・ジョンミンなど、お馴染みのキャストが今回も登場。そこに、ミステリアスな新人刑事役として、「D.P. -脱走兵追跡官-」のチョン・ヘインが加わる。

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物語は、報復殺人を行う"ヘチ"という謎の人物が世間を賑わせるところから始まる。そんな中、容疑者として浮上するのが、アン・ボヒョン演じるミン・ガンフン。職業軍人だったガンフンは、2年前に暴走族12人の無謀な運転により恋人を亡くし、恨みを抱えている人物。現在は、薬物の乱用者で、車上生活を送っている。

187センチの長身でモデル出身のアン・ボヒョンだが、本作では真っ黒のパーカーをだらしなく着て、猫背気味なのが印象的だ。目にかかるほどに前髪を伸ばし、うつろな目で周囲を見回す。後述する「軍検事ドーベルマン」とはまったく違う姿を見せる。

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見せ場のアクションシーンでは、ファン・ジョンミンやチョン・ヘインと泥だらけになって格闘するが、なかでも見ものは、極寒の中で撮影したという雨降る屋上でのシーンだ。実は、中学・高校時代はボクシング選手だったアン・ボヒョン。今回演じたガンフンは、もともとは特殊部隊の軍人という設定だが、雨の中での死に物狂いの闘いでは、ボクシング経験者ならではの身のこなしが役にリアリティーを与えている。アン・ボヒョンのアクションの魅力に触れたい人には、うってつけの一作だろう。

■不器用な姿に胸キュン!自身初のラブコメディー「ユミの細胞たち」

2026年、シーズン3で幕を閉じたドラマ「ユミの細胞たち」シリーズ。本作は毎シーズン、キム・ゴウン演じるユミの相手役が変わるところが特徴だったが、シーズン1でその栄えある最初の恋人を演じたのがアン・ボヒョンだ。

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本作は、実写と3Dアニメが交互に展開されていく、これまでにない斬新な作品。ヒロインや主人公の恋愛感情を、3Dアニメの擬人化された脳内細胞たちで表す。ユミの脳内に見立てた"ユミの村"には、理性を司る理性細胞、感性を司る感性細胞、恋愛を司る愛細胞といった、ユミを愛して止まないかわいい脳内細胞たちが住んでいるという設定。恋する瞬間など、ユミの心が揺れ動くときには、村の中は大騒ぎとなる。そんな彼女の3年ぶりの恋愛相手として現れるのが、アン・ボヒョン扮するゲーム開発者のク・ウン。先にユミに一目惚れをするが、不器用で飄々(ひょうひょう)としているので、そのことがユミを不安にさせる要因にもなっていく。

本作は、アン・ボヒョンにとって、初のラブコメディー。ヒゲに長髪、小麦色の肌、Tシャツと半ズボンというラフな出で立ちでウン役に挑んでいる。本人は視聴者に受け入れられるか心配だったそうだが、ありがちではない主人公の性格設定やそのリアルな存在感が、ユミとの恋愛模様をより切実に感じさせた。

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劇中には"ウンの村"も登場する。終盤には、ボタンのかけ違いから2人の関係がぎくしゃくし出すが、飄々(ひょうひょう)としたウンの心の中も実はざわめいているということが、脳内細胞たちによって表され、切なさ倍増。アン・ボヒョンのちょっとしたしぐさや口調、視線の動きが心を捉える、韓国ラブコメディーの名作といえるだろう。

■増量した肉体美と法廷劇で見せる新たなカリスマ性「軍検事ドーベルマン」

ドラマ「軍検事ドーベルマン」は、韓国でタブー視されてきた軍法廷を題材にした稀有な一作だ。しかも、軍の不正を暴く告発ドラマにとどまらず、誰もが楽しめる痛快なエンタメ作品に仕上げているのが心憎い。

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アン・ボヒョン演じる主人公ド・ベマンは、幼い頃に両親を亡くし、叔母に育てられるが、気性が荒く学校教育からはじき出され、中卒で司法試験に合格したという人物。ある狡猾な弁護士と契約し、権力者から金を巻き上げるために軍検事となった。だが、チョ・ボア演じる新任・軍検事のチャ・ウインとの出会いで、自分の過去に気づき、彼女の猟犬となって復讐に身を投じるようになる。

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本作は、アン・ボヒョン初の主演作。軍人役は「太陽の末裔 Love Under The Sun」以来だったが、監督は"ドーベルマン"という単語のイメージからアン・ボヒョンを連想し、本作に抜擢したという。ボクシング選手をケガで断念した後、モデルとして活躍し、俳優に転向したアン・ボヒョン。スポーツ選手の肉体とモデルとしての美しいプロポーションを兼ね備えていることが彼の魅力でもあるが、本作では筋肉のみを5キロ増量し、さらに強靭に見えるスタイルで軍服やスーツを着こなしている。その姿は、まさに引き締まった筋肉質体型のドーベルマンのよう。追い詰められたときの表情や目つきもドーベルマンを思わせる。

長い手足を活かした華麗なアクションも大きな見どころだ。大人数を相手にした格闘でも、見事な立ち回りを披露する。法廷劇では安定した演技力を見せるが、初主演作ながらアン・ボヒョンの個性が随所でしっかり発揮され、見応えたっぷりの一作に仕上がっている。

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この「軍検事ドーベルマン」で見せた"型破りで大胆不敵なキャラクター"という新境地は、彼のさらなる飛躍へとつながっていく。そのアン・ボヒョンならではの魅力がたっぷりと詰まっているのが、「財閥 x 刑事」だ。

同作で演じた財閥三世の刑事チン・イスも、ベマンに負けず劣らずふてぶてしい男である。財閥のカネとコネ、遊びで身につけた感覚を使って、警察でも手を出しにくい犯罪に切り込んでいく。こうした一風変わったヒーロー役は、まさにアン・ボヒョンの十八番になっていくかもしれない。

文/高山和佳

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放送日時:2026年9月28日 15:35~

チャンネル:KNTV

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