チャオルースー(趙露思)の演技から中国ならではの恋愛観まで!李姉妹が語る「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ」の魅力

チャオルースー(趙露思)の演技から中国ならではの恋愛観まで!李姉妹が語る「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ」の魅力

中国文化の魅力やリアルな日常を発信する、日本在住の中国人YouTuber・李姉妹。姉・ゆんと妹・しーが、生い立ちや実体験を生かし、中国語学習から最新カルチャーまで幅広い情報を届けている。そんな二人が今回おすすめする中国ドラマは、現代ラブストーリー「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ」だ。二人が心をつかまれたシーンや桑稚(サン・ジー)役のチャオ・ルースー(趙露思)、段嘉許(ドワン・ジアシュー)役のチェン・ジャーユエン(陳哲遠)の演技、さらに中国ならではの恋愛観や文化的な違いまで、現代劇ならではの楽しみ方を聞いた。

260812_leeshimai_02.jpg

ゆん「どちらかというと時代劇を見ることが多いんだけど、この作品は出演している俳優さんが好きだったこともあって見始めたんだよね。もちろん、中国ですごく話題になっていた作品だったというのもあるんだけど、見終わった後には『もっと現代劇を見たい!』と思うくらいハマっちゃった(笑)」

しー「私は、この作品とストーリーがつながっている『あの日の君と』を先に見たの。でも、『ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ』のことは知っていたから、あらすじはある程度頭に入ってたね」

ゆん「何より、主演のチャオ・ルースーとチェン・ジャーユエンの演技が本当に自然だった。一気見したくなるくらい引き込まれたし、設定もありきたりじゃない。年の差恋愛ではあるんだけど、ヒロインの子ども時代から丁寧に描いているのが新鮮で、その分二人への愛着もどんどん湧いてくるんだよね」

しー「そうそう。私も二人がお似合いのカップルだなと思って見始めたんだけど、最初はヒロインが中学生で、子役も本当に幼く見えたから、『この二人が恋愛関係になるの?』って想像できなかった。でも、大学生になってから一気に恋愛として動き始めるのがすごく良くて。長い時間をかけて二人を見守ってきたような気持ちになった」

260812_leeshimai_03.jpg

ゆん「タイトルのイメージも作品にぴったりだよね」

しー「うん」

ゆん「原題の『偷偷藏不住』を初めて見た時、『なんてかわいいタイトルなんだろう!』って思った。『偷偷』は『ひそかに』という意味なんだけど、もう少しポップで、女の子らしいニュアンスがあるの。『藏不住』は『隠したくても隠しきれない』という意味。だから、タイトルを見ただけで、恋心を胸に秘めた女の子の物語なんだろうなって想像できた」

しー「私はそこまでニュアンスは分からなかったけど(笑)、『このタイトルが日本語でどう訳されるんだろう』とは思ってた。原題とは印象が違うけど、『ひそかな』という言葉はちゃんと生かされているよね」

ゆん「長い時間、ひそかに思い続ける恋という作品のテーマを表現したかったのかもしれないね」

しー「印象的だったのは第12話。桑稚が酔って段嘉許におんぶされるシーンかな。チャオ・ルースーはいろんな主演作で演技力を見せてきた俳優さんだけど、このシーンは特に圧巻だった。自分の恋は実らないと思い込んで、その思いを本人にぶつけてしまうんだけど、その泣き方が本当にリアルで」

ゆん「本人はまだ気付いてないんだけどね」

しー「そう(笑)。恋愛対象として見てもらえない時間が長かった桑稚の切なさや、少し惨めに感じてしまう気持ちまで伝わってきて、『さすがチャオ・ルースー』と思った。二人の関係性を象徴する名シーンだったと思う」

260812_leeshimai_04.jpg

ゆん「私は最初の出会いのシーンかな。桑稚が恋に落ちる瞬間なんだけど、『これは好きになるよね』って納得するくらいチェン・ジャーユエンがかっこいい(笑)。もともと好きな俳優さんだったけど、この作品は特にハマり役だった」

しー「本当に役にぴったりだった」

ゆん「だからこそ、桑稚が一瞬で恋に落ちる展開にも説得力があったよね。チャオ・ルースーの役作りも素晴らしかった。高校生時代から本人が演じているんだけど、本当に高校生に見える。中国ドラマってしっかりメイクをしている作品も多いけど、この作品では学生時代はかなりナチュラルメイクで、それがすごく自然だった。どんな役柄でも違和感なく演じられる俳優さんだなと思う」

しー「髪形も含めて学生らしかったよね」

ゆん「好きな気持ちを隠そうとしながらも、もしかしたら今日会えるかもしれないっていうドキドキや期待感を表現するのも本当にうまい。見ているこっちまで一緒に緊張しちゃった(笑)」

しー「チャオ・ルースーのキュートな雰囲気が学生時代にすごく合ってたし、大学生になったらちゃんと大人っぽさも出てくる。その変化も自然だった」

ゆん「服装もリアルだったよね。当時の学生が着ていそうなファッションで、等身大の女の子に見えた」

しー「かわいかった」

ゆん「普段インスタグラムで見るチャオ・ルースーの私服にも少し雰囲気が似ていて、本人らしさも感じたな」

260812_leeshimai_05.jpg

しー「主人公二人だけじゃなくて、家族の描写も印象的だった。お父さん、お母さん、お兄ちゃんとのやりとりを見ていると、桑稚が本当に愛情いっぱいに育ったことが伝わってくる。お兄ちゃんもぶっきらぼうだけど、妹をすごく大事にしてるよね」

ゆん「お母さん役のズン・リー(曽黎)は、『星漢燦爛<せいかんさんらん>』でもチャオ・ルースーと共演しているんだけど、その時は厳しい母親役だったの。今回は娘をたっぷり甘やかすお母さんで、そのギャップも面白かった」

しー「共演歴がある二人だからこその安心感もあったよね」

ゆん「プライベートでも仲が良くて、チャオ・ルースーが体調を崩した時にはズン・リーが家まで様子を見に行ったという話もあるくらい。その信頼関係が親子役にも自然と表れていたように感じた」

260812_leeshimai_06.jpg

しー「桑稚の家族って本当に理想的なんだよね。だからこそ、段嘉許との家庭環境の違いが後半の大きな見どころになっていく」

ゆん「恋愛ドラマでは定番のテーマではあるけど、この作品では二人の関係をより深く描く要素になっていたよね。段嘉許って、『こんな人いる?』って思うくらい理想の彼氏なんだよね。かっこよくて、穏やかで優しくて、面倒見もいい。でも、家庭環境には恵まれなくて、心に影を抱えている。そのギャップがすごく魅力的だった」

しー「そこを演じるのは難しかったと思う」

ゆん「桑稚はずっと段嘉許に恋をしているけど、段嘉許は最初のうちは親友の妹としてしか見ていない。その関係が少しずつ恋愛へ変わっていく過程の演じ分けも本当に上手だった」

しー「男性側の心境の変化を丁寧に表現しなきゃいけない役だからね」

ゆん「作中を通して優しい人なんだけど、その優しさの種類が変わっていくんだよね。妹として接する優しさと、恋人として向ける愛情がちゃんと違って見えた」

しー「親友の妹だった子を、恋愛対象として意識してしまう葛藤みたいなものも伝わってきた」

ゆん「葛藤はあるんだけど、段嘉許は全然ブレないんだよね。気持ちをごまかしたりせず、桑稚にも家族にも真っすぐ向き合う。その潔さがかっこ良かった」

しー「いざ自分の気持ちを認めて、付き合ってからの甘さは本当にすごかった(笑)」

ゆん「待ってました! って感じ(笑)」

しー「ずっと桑稚を見守ってきたから、ようやく思いが報われたといううれしさもあったしね。しかも付き合い始めた時点では、段嘉許は桑稚が何年も前から自分を好きだったことを知らない。少しずつその思いの深さを知って、さらに彼女を大切にしようとする流れがすごく良かった。全25話と中国ドラマでは比較的コンパクトだけど、付き合ってからの二人もしっかり描かれているのが魅力だと思う」

260812_leeshimai_07.jpg

ゆん「現代劇ならではの面白さでいうと、中国ドラマの恋愛描写には文化の違いがよく表れているんだよね。例えば女性の生理を描くシーン。男性が生理用品を買ってきたり、体調を気遣ったりする場面は、本当に『中国ドラマあるある』だと思う」

しー「この作品にもあったよね」

ゆん「私の感覚だと、恋愛ドラマなら5作品中4作品くらいは出てくる印象(笑)。中国では、そういう気遣いが『理想の彼氏』の条件の一つなのかもしれない」

しー「遠隔でデリバリーを頼んであげたりするのも、中国らしいよね」

ゆん「そうそう。『何食べた?』『ちゃんと食べた?』ってすごく気に掛けるし、荷物を持ってあげたり、ドアを開けたりと、女性を大切にする行動が愛情表現として描かれることが多い」

しー「もちろん、その分男性に求められることも多いから大変そうだけど(笑)」

ゆん「でも女性も相手をすごく思いやっているよ。この作品でも桑稚は段嘉許を支え続けていたし、お互いに世話を焼き合う関係なんだよね」

しー「桑稚って守られるだけのヒロインじゃないところも好き。かわいらしい存在なんだけど、『この人は私が守る』という強さもちゃんと持っている」

ゆん「その強さに段嘉許も惹かれていくんだよね」

しー「今の恋愛ドラマって、守られているだけのヒロインだと共感されにくいと思う。その点、この作品は守られる場面と支える場面のバランスがすごく良かった」

260812_leeshimai_08.jpg

ゆん「現代劇は恋愛や家族との関係など、日本を含めたアジア圏の視聴者が共感しやすいテーマが多いと思う。一方で、細かい価値観や文化の違いも描かれていて、それを発見できるのが現代劇の面白さなんだよね」

しー「そうそう。親しみを感じる部分と、日本とは違うなと思う部分、その両方を楽しめるのが現代劇の魅力だと思う」

ゆん「あと、推し活という意味でも現代劇は楽しい。この作品の舞台になった厦門(アモイ)ではロケ地巡りをするファンも多くて、桑稚が好きだったコロッケも話題になっていたよね」

しー「日本ではあまり見ないけど、桑稚が紙を星の形に折るシーンも印象的だった。中国では女子中高生が願い事を書いて星を折る文化があって、そういうところにも中国らしさを感じられる」

ゆん「ドラマを見て『久しぶりに星を折った』という感想もSNSで見かけた(笑)」

しー「俳優さんのファンなら、時代劇とは違って現代劇では『普段の姿に近い雰囲気』が見られるのも魅力だよね」

ゆん「チェン・ジャーユエンは特に現代劇が本当にかっこいい。もちろん時代劇もステキなんだけどね(笑)」

取材・文/神野栄子


【プロフィール】
李姉妹
中国で生まれ、日本、ニュージーランドを経て日本で暮らしている姉・ゆんと、日本で生まれ、幼少期は中国で過ごして6歳から日本在住の妹・しーの中国人YouTuber。2018年にYouTubeチャンネル「李姉妹ch」を開設。中国語の学習方法や中国文化についての動画を発信している。2026年8月現在チャンネル登録者39万人超。