野球×不良(ヤンキー)=最高!熱血と青春の金字塔「ROOKIES」【小虎・りょう】
国内ドラマ 連載コラム
2025.10.12
もう17年前なんだと思うと今の自分と比べてゾクゾクする。
僕が中学生で、土曜の20:00にテレビの前で、漠然と「何かを頑張らなきゃいけない」となって胸が熱くなって燃えていた17年前。今現在、自分は、ニコガクナインの年齢をとうに超えましたが、夢はまだ叶っていません。
改めてこのドラマを視聴して、やはり一気に最後まで見てしまって。漠然と同期の芸人に連絡を入れてネタを書き始めた。
大人になって改めてこれだけ見せつけられると、身体は動くらしい。
今、身体が動かない貴方はもう一度「ROOKIES」を見ると良いかもしれません。初めて見る方は今すぐに見てください。僕が今から見たくさせますので。
(C)TBS (C)森田まさのり・スタジオヒットマン/集英社
胸が弾む役者陣
「ROOKIES」の魅力は挙げればキリがないが、その中でも役者陣は間違いないだろう。
「ROOKIES」は週刊少年ジャンプで連載されていた大人気漫画。ドラマ化することが決まった際には、さまざまな声が上がっていた。しかしTBSの制作班は、誰にも文句を言わせない最高の役者陣を集めたのだ。
佐藤隆太、市原隼人、中尾明慶、城田優をはじめ、当時まだ10代だった佐藤健など、有名無名関係なく起用し、"全ニコガクメンバー"をハマり役にしたのだ。誰かが違ったらこんな素晴らしいものにはならない。
熱血教師・川藤幸一(佐藤隆太)を我々は信じたくなるのだ、信じてしまう。
テレビドラマで、不良が熱血教師を煙たがる場面なんてありがちだ。むしろ、上手くまとまりすぎててつまらない場面になりかねない。しかしそれが、佐藤隆太の川藤幸一のフィルターを通すと突き刺さるのだ。
実際、漫画を読んでいた自分はドラマを見て素晴らしいと感じ、放送終了後に漫画を読み直して出た感想は、同じく"素晴らしい"だった。
ちなみに、自分は「仮面ライダー電王」をテレビにかじり付いて見ていたので、ドレッドヘアの岡田(佐藤健)を強く目で追っていた。
(C)TBS (C)森田まさのり・スタジオヒットマン/集英社
3周まわって羨ましくて止まらなくなる
スポ根、青春、熱血etc...
暑苦しくも、我々ドラマ視聴者とこれらの言葉は、切っても切り離せない。大概こういうジャンルに分けられるドラマは1周目で飽きる。もしくは刺さらない。(リアリティの問題で)
ただ「ROOKIES」は違う。力業で1周目に感情が引き込まれて、2周目でもう羨望・嫉妬で腹が立ってくる。
なぜこんな青春が自分たちに無かった
こんな教師がいてほしかった
こんな仲間がほしかった
過去の自分と重ねて羨ましくなって腹が立ってくる。そのまま3周目に突入すると、口から「いいなぁ」しか出てこない。"羨ましい100"になるのだ。
結局ズルくて良いよなという話がある。
第7回で、ニコガクナインで意見の食い違いがあり、岡田と湯舟(五十嵐隼士)が練習に来なくなってしまう。
どうにもならない状況で、岡田と湯舟がグラウンドに行くと、川藤が相手チームの監督に部員1人1人の素晴らしさを語っているところに遭遇する。
川藤はもちろん聞かれていることは知らないが、実は全員が聞いていたという場面。予想はできるが、分かってても刺さる。でも、それが刺さる人柄を芝居で魅せてるって素晴らしい。
(C)TBS (C)森田まさのり・スタジオヒットマン/集英社
メガヒット主題歌
「ROOKIES」は、それはそれは大型プロジェクトで始まった。
当時、自分たち世代の学生に流行っていたGReeeeNの『愛唄』が「ROOKIES」放送前のCM曲に使われていて、「あぁ愛唄が主題歌なんだ」と思っていたら『キセキ』という化け物みたいな曲が1話でエンドロールと共に流れ、次の日、学校で全員が「良い歌なのにどこでどうしたら聴けるか分からない!情報をくれ!」とYouTubeやサブスクが無かった当時は、ノートに歌詞を書き出したりしていた。
今でも歌詞を見ずに歌えるのは、聴き倒した証拠だろう。間違いなく自分たちの世代の代表曲が「ROOKIES」の主題歌だ。
余談ではあるが、バラエティ番組「リンカーン」の企画でダウンタウンの浜田さんやさまぁ〜ずさんが、第1話にカメオ出演してるのが確認できる。ぜひ探してほしい。走ってるシーンに注目だ!
(C)TBS (C)森田まさのり・スタジオヒットマン/集英社
まとめ
本当にこのドラマが好きで、上手く伝えられなかったことばかりかもしれないです。同期の芸人とやっているラジオでは、用賀第一高校野球部の副顧問・国松のモノマネをしたり、御子柴(小出恵介)が甲子園の予選の抽選会で声をかけられた言葉、「俺たちの甲子園を汚さないでくれよ」ごっこをしたりしています。
DVDボックスは表も裏も両方持っていて、劇場版『ROOKIES-卒業-』は3回映画館に見に行きました。それぐらい僕には青春だったんです。泣いたし!普通に!
とても見やすく、ストレートで僕らにブッ刺さる。信じてくれる人の存在は絶対に必要で、ただそれに気付かずに自分たちは贅沢に生きてる節がある。まっすぐ生きてみよう。明日にきらめけるように。
【プロフィール】
りょう(小虎)
1995年12月28日生まれ、愛知県豊田市出身。NSC東京校24期生。2019年に福井祐樹とともに小虎を結成。学生時代からのドラマ好きが高じて、「よしもとドラマ部」の一員としても活躍中。

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

よしもと
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(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。