コメディエンヌ・小松菜奈は最高に愛おしくて連続ドラマとの相性が抜群。山本耕史のおもしろさは、もう言うまでもない。 「スリル!~赤の章・黒の章~」【フルーツポンチ・村上健志】
国内ドラマ 連載コラム
2025.04.04

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
【プロフィール】
村上健志(フルーツポンチ)
1980年12月8日生まれ、茨城県牛久市出身。
2004年にNSC東京校10期として入学。在学中に、同期の亘健太郎とともにフルーツポンチを結成。特技の俳句で、MBS「プレバト!!」にて日常の風景を切り取る独自の才能を発揮し、永世名人の称号を獲得。2021年には「フルーツポンチ村上健志の俳句修行」と題し、句会での様子を書籍にして出版している。よしもとドラマ部に所属。ドラマ好きが高じて、多数ドラマ出演経験あり。
「TRICK」シリーズなどでも知られる蒔田光治が仕掛ける新感覚ミステリー。赤の章(全4話)、黒の章(全4話)それぞれ別の主人公の視点から描かれる。
「赤の章」の主人公は警視庁の庶務係・中野瞳(小松菜奈)。彼女が、詐欺師の父親に仕込まれた犯罪知識を駆使して、難事件を解決する物語。「黒の章」の主人公は、金にがめつく腹黒で、とても有能とは思えない弁護士・白井真之介(山本耕史)。彼が依頼を引き受けてはピンチになり、事件に巻き込まれていく姿をコミカルに描く物語。
「スリル!~黒の章~」(C)NHK/東宝株式会社
二人の主人公による二つの章
二つの章で二人の主人公と聞いて、刑事目線と犯人目線とか、加害者目線と被害者目線だろうと考えてしまってました。ところが、このドラマの主人公は警視庁の庶務係と弁護士。
庶務係!?「ショムニ」以来の庶務係が主人公のドラマではないでしょうか?警視庁の庶務係を主人公に据えるならもう二章に割るとかいらないんじゃないと思うほどの気になる設定です。
弁護士が主人公のドラマは多くありますが、この黒の章の山本耕史さん演じる弁護士・白井が、ダメでダメで実に魅力的なんです。
見る前に僕は勝手に、一つの事件の違う目線を、赤の章・黒の章一話ずつ交互に描くんだと思っていましたが違いました。赤の章・黒の章は一話ずつ別の事件を描きます。赤の章だけでも黒の章だけでも成立するように作られています。もちろん両方見た方が楽しめますが、それぞれの章が独自で面白いんです。
「スリル!~赤の章~」(C)NHK/東宝株式会社
小松菜奈史上一番のキュート
赤の章・黒の章で、二人の主人公がいるという新しい形のドラマに惹かれて見始めました。けれど、気づけば小松菜奈さんの魅力に釘付けになっていました。
本来、事件に関われない庶務係ですが、上手いことやって刑事の外河(小出恵介)と事件を解決します。そんな小松菜奈さんがとにかく可愛い。クールビューティーなイメージがあった小松菜奈さん。このドラマでは、めちゃくちゃキュートで表情豊かでずっと見ていたくなります。鼻歌を歌う、急に踊り出す、事件を解きたがる、庶務係の上司役のきたろうさんと絡む、そのたびにサンプラのキュートボタンを押して良い発音の「CUTE」を出したくなります。
「スリル!~赤の章~」(C)NHK/東宝株式会社
こういった愛らしいキャラクターの小松菜奈さんを単発の映画や雑誌ではなく、ドラマで何話も見ていたい。できればシリーズ化して成長も見届けたい。解体新書的な分厚い本が出て、ドラマでは明かされなかった趣味や過去を明らかにしてほしい。小松菜奈をもっとドラマに!と本作を見て感じることができました。
「スリル!~黒の章~」(C)NHK/東宝株式会社
山本耕史は、いつからこんなにおもしろだったのか
黒の章の主人公を演じる山本耕史。山本耕史さんは、すっかりさまざまなユニークな役をこなすコメディ俳優のイメージが強い。真面目な役も当然やっているが、やはり山本耕史のユニークな役は格別だ。ダンディな声と二枚目な顔とガッチリとした体格、その全てがフリに感じるほどおもしろさを期待してしまう。どんな言い訳をするのだろう?失敗や絶望を味わうのか?嫌味、口説いては振られる。こんなにも不恰好が似合う二枚目は少ないのではないか?実際にカッコ良いのにカッコつけてる奴に見えてしまうおもしろさ。山本耕史さんの魅力がこのドラマでは存分に味わえます。
「スリル!~黒の章~」(C)NHK/東宝株式会社