バイルー(白鹿)が流す血の涙が胸をえぐる!「臨江仙」で見せた圧巻の一人二役

バイルー(白鹿)が流す血の涙が胸をえぐる!「臨江仙」で見せた圧巻の一人二役

「招揺」の女魔王役で本格アクションと高い演技力を披露し、デビューからわずか3年足らずで主演女優としてブレークしたバイ・ルー。その後も「始まりは君の嘘」や「寧安如夢~宮廷にふたたび舞い降りる愛~」など主演作を次々とヒットさせ、中国を代表する90年代生まれの女優の一人へと成長した。

そんな彼女の現在地を示す代表作といえるのが、「臨江仙~宿敵となった愛しき人~」だ。本作でバイ・ルーは、天真らんまんな門番弟子の少女と、深い憎しみを抱える仙尊(仙界最高位の存在)という正反対の人物を一人二役で熱演。純真な恋心から燃え上がる愛情、母としての慈しみ、そして胸をえぐるような憎しみまで、複雑に揺れ動く感情を見事に表現している。中でも圧巻なのが涙の演技で、WeiboやDouyinなどのSNSでは関連動画の再生回数が約1.3億回を記録するなど、大きな話題を集めた。

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バイ・ルーが演じた因縁の女性と純真な少女

本作は、かつて仙界の伴侶として結ばれた二人が、ある事件を境に宿敵となり、激しい戦いと絶望の果てに新たな関係を築いていくファンタジーラブ史劇だ。大ヒットドラマ「蓮花楼」でブレークしたアイドル出身の俳優ツォン・シュンシー(曾舜晞)が仙尊・白九思(バイ・ジウスー)を演じ、バイ・ルーは彼の伴侶だった仙尊・花如月(ホワ・ルーユエ)と、白九思に恋をする少女・李青月(リー・チンユエ)の二役を務めている。

物語は、門番弟子として修業中の少女・李青月が、白九思に一目ぼれするところから始まる。危ないところを助けてもらった勢いで頬にキスをしてしまった青月は、「口づけした以上、責任をとらなきゃ」と突然婚姻を申し込む。しかし九思は、その突飛な申し出をなぜか受け入れる。彼の脳裏には、青月と瓜二つの女性・花如月から激しい攻撃を受ける記憶がよみがえっていた――。

かつて仙界で深い愛情と信頼で結ばれていた九思と如月。しかし、ある誤解をきっかけに二人は敵対し、決別する。九思への激しい憎しみを抱える如月と、何も知らず彼を慕う青月。正反対の感情が交錯することで、物語はやがて天下の命運を左右する壮絶な戦いへと発展していく。

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危険なアクションシーンも代役なしで挑戦

バイ・ルーは、以前からアクションに定評のある女優だ。しかし本作では、一人二役の演じ分けに加え、本格的な武術アクションも求められた。それでも彼女は、視線や所作、わずかな表情の変化まで巧みに使い分け、天真らんまんで愛らしい青月と、復讐(ふくしゅう)に燃える如月という対照的な二人を鮮やかに演じ分ける。同じ顔でありながら、立ち姿やまとう空気までまるで別人。現在と過去の回想が入り交じる構成でも、視聴者が混乱することなく物語に没入できるのは、こうした緻密な演技があるからだろう。

さらに、如月を演じるにあたり、撮影期間中は約3カ月にわたって武術アクションの稽古に励んだ。高さ20メートルからワイヤーで逆さ吊りになる危険なシーンも代役を立てることなく自ら挑み、迫力あふれるアクションを完成させたという。

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壮絶な慟哭から訪れる静寂、そして血の涙

本作で特に目を奪われるのが、九思への激しい憎しみを抱く如月の涙の演技だ。かつての愛が深い憎悪へと変わってしまった如月。婚礼の場で花嫁衣装姿の彼女が九思の胸へ剣を突き立てるシーンをはじめ、本作には印象的な名場面が数多く登場する。

特に圧巻なのが、目の前で我が子を失う場面だ。子どもを助けてほしいと泣き叫んでいた如月は、その命が尽きた瞬間、感情がすっと抜け落ちたように静まり返る。無表情のまま我が子を抱き上げ、絞り出すような嗚咽(おえつ)を漏らす。そして立ち上がった彼女の頬を、一筋の血の涙が静かに伝う――。中国でも多くの視聴者が如月に感情移入した、忘れがたい名シーンだ。激しい慟哭(どうこく)から、虚無だけが残る静寂へ。その繊細な感情の移ろいを流れるようにつないでいくバイ・ルーの表現力は圧巻の一言である。

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「臨江仙~宿敵となった愛しき人~」は、現在のバイ・ルーが持つ演技力を余すところなく凝縮した代表作と言っていい。天真らんまんな青月と、憎しみに生きる如月。その両極端な人物を見事に演じ切った姿は、彼女のキャリアを語る上で欠かせない到達点となった。さらなる飛躍が期待される彼女だからこそ、その現在地を示す渾身(こんしん)の演技をぜひ目に焼き付けてほしい。

文/酒寄美智子

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