「鬼滅の刃」猗窩座など人気キャラを演じる声優・石田彰の演技が光るアニメ3選!
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2025.11.01
爽やかな青年から愛らしいマスコットキャラクター、さらには冷徹な悪役まで――1990年のデビュー以来、石田彰はその卓越した演技力で老若男女問わず幅広い役柄を自在に演じ分け、常に第一線を走り続けてきた声優だ。特に悪役では、理不尽とも思える行動にすら説得力を与える芝居が魅力であり、唯一無二の存在感を放っている。今回は、そんな石田の演技が際立つアニメ3作品を紹介する。
■テレビアニメ「鬼滅の刃」関連作品

時は大正。鬼に家族を惨殺された少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)は、鬼と化した妹・禰󠄀豆子(ねずこ)を人間に戻すため、鬼殺隊へと入隊する。家族愛や仲間との絆を軸に描かれた本作は、累計発行部数2億2000万部を突破した人気漫画を原作に、2019年にテレビアニメ化。劇場版さながらの映像美や声優陣の熱演、「全集中」などの印象的なセリフが話題を集めた。翌年には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が日本歴代興行収入1位を記録し、最新作『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』もその勢いを受け継いでいる。
その中で、炭治郎の前に立ちはだかる鬼、上弦の参・猗窩座(あかざ)を演じるのが石田彰だ。圧倒的な力で鬼殺隊を追い詰めながらも、強さを純粋に追い求める姿や悲しい過去が描かれ、単なる"敵"にとどまらない深みを見せる。石田の繊細で重層的な演技が、鬼でありながらも人間らしい心の揺らぎを浮かび上がらせ、見る者に強烈な印象を残している。
■「銀魂」シリーズ

2006年に放送を開始したアニメ「銀魂」は、宇宙人"天人(あまんと)"が来襲して、突如価値観が変わってしまった町・江戸を舞台に、抱腹絶倒のギャグと壮絶アクション、そして人情や絆も詰め込んだ痛快エンターテイメントだ。主人公の坂田銀時は、変わらない"魂"を持った最後のサムライでありながら、いい加減で無鉄砲、おまけに筋金入りの超・甘党だがキメるところはさりげなくキメる。笑えて、泣けて、心温まる、銀さんとその仲間たちの生きざまが胸を打ち、約20年を経てもなお、多くのファンを楽しませ、愛され続けるコンテンツへと成長し続けている。

石田が演じたのは、銀時とは幼なじみで、かつて攘夷(じょうい)戦争では共に戦った戦友・桂小太郎。真面目過ぎる性格のためか、思いもよらない大胆な行動に出ることもある桂を、誠実さとユーモアを交えて演じ、その愛されるキャラクター性を一層際立たせている。
全367話にわたる本編は、幕末を思わせる戦いを経て完結を迎えたが、現在は番外編のスピンオフ小説をベースにした銀魂まるちばーすアニメ「3年Z組銀八先生」が放送中だ。キャラクターたちが高校教師や生徒となり、陽キャも陰キャも関係ない、銀魂流の青春が描かれている。
■「Dr.STONE」シリーズ

「アイシールド21」「トリリオンゲーム」の原作者・稲垣理一郎が、作画のBoichiとタッグを組んで生み出した科学冒険譚「Dr.STONE」。謎の光によって全人類が一瞬にして石化してから数千年。文明が崩壊した"石の世界(ストーンワールド)"で目を覚ました科学少年・石神千空 (いしがみ・せんくう)が、科学の力で再び人類を復活させ、文明の再建を目指そうと奮闘する。実験描写が豊富で、アニメの次回予告には実写の実験映像も使用されるなど、科学の面白さを多角的に伝える構成が魅力だ。

千空が「科学の力で全人類を救う」という理想を掲げる一方で、その行動を阻もうとするのが"霊長類最強の高校生"とうたわれた獅子王司(ししおう・つかさ)。強者のみが生きる世界を望む司との思想の対立が、物語に深い緊張感を与えている。そして、その司帝国のナンバー2として立ちはだかるのが、石田が声を務める氷月(ひょうが)だ。冷静沈着な合理主義者で、どこか人間離れした、不気味さを漂わせる。その繊細な心理の揺らぎを、石田の静かで研ぎ澄まされた演技が見事に表現している。
最新シリーズでは、氷月の内面にも変化の兆しが見え始め、物語はさらなる進化を遂げている。2026年放送予定の最終シーズン「Dr.STONE SCIENCE FUTURE」第3クールでは、彼がどのような選択を下すのか――その行方から目が離せない。
文/川井美波














