「【推しの子】」「メダリスト」も!アニメ化多数「次にくるマンガ大賞」受賞作に注目
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2025.09.16
9月18日に「次にくるマンガ大賞2025」の結果が発表される。同賞は、初代1位の「僕のヒーローアカデミア」をはじめ、歴代受賞作のアニメ化率が非常に高く、アニメファンからも毎年大きな注目を集めている。今回は、その中から近年受賞した注目作品をピックアップしつつ、大賞のこれまでの歩みを振り返っていく。
読者の投票で決まるマンガ賞の魅力!
2014年に創設されたマンガ賞「次にくるマンガ大賞」は、ノミネート時点で紙の雑誌を主な媒体に連載中の作品を対象とする「コミックス部門」と、Webを中心に連載されている作品を対象とする「Webマンガ部門」の2部門で構成され、それぞれ上位10作品が表彰される。
最大の特徴は、作品のエントリーから大賞決定までをユーザー投票で行う点にある。2024年度には約8000作品が推薦され、延べ8.7万人による約52万票の投票から、各部門1作品ずつが大賞に選ばれた。さらに注目すべきは、その後のアニメ化率の高さだ。2025年8月時点では放送予定を含め、歴代1位受賞作品の約85%がアニメ化されており、放送開始と同時に人気作へと飛躍するケースが目立つ。
アニメ化されたオススメ歴代受賞作!
「コミックス部門」で歴代最多票を獲得したのが、2021年度大賞の「【推しの子】」(赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社)。"最強で無敵のアイドル"アイの子どもとして転生した双子・アクアとルビーは、母を殺された日を境に運命が激変する。犯人への復讐(ふくしゅう)に生きる兄と、母のようなアイドルを目指す妹――光と闇を背負った二人の姿を、芸能界を舞台に描くサスペンスだ。アニメのオープニング曲として大ヒットしたYOASOBI「アイドル」や実写化など話題に事欠かず、原作が衝撃のラストを迎えた今も高い熱量を維持。来年放送予定の第3期への期待が高まっている。
「Webマンガ部門」受賞作の中でも異彩を放つのは「僕の心のヤバいやつ」(桜井のりお/秋田書店)。2018年に紙媒体で連載を開始し、同年中にマンガ配信サイトへ移籍。Web発作品が主流の中で、異例の経歴を持つ受賞作となった。物語は、陰キャで中二病気質の少年・市川と、学園カースト頂点に立つ美少女モデル・山田との淡く甘いラブコメ。市川の人一倍優しい心や、山田の子どもらしさと仕事時の大人っぽさの絶妙なバランスが魅力で、見る者の心を癒やしてくれる。マンガもアニメもテンポよく進み、気づけば親友や親のような気持ちで二人を応援してしまう。
第1位受賞作の中で最新のアニメ化作品は、フィギュアスケートを題材にした「メダリスト」(つるまいかだ/講談社)だ。母に反対されながらも強い憧れを胸にフィギュアに挑む不器用な少女・いのりと、選手としては挫折しコーチを志す青年・司。リンクで出会った二人が、二人三脚でオリンピックの金メダルを目指して成長していく。物語は「諦めないこと」「信じてくれる誰かの存在」、そして「自分を信じること」の大切さを教えてくれる。さらにアニメ版では、振付とモーションキャプチャーをオリンピック元日本代表・鈴木明子が担当。実際のメダリストによる演技を最新の3DCGで体感でき、主人公だけでなくスケート界やアニメ技術の未来にも期待を抱かせる作品に仕上がっている。
注目作が未来のアニメ化候補作品に!
「コミックス部門」では「カグラバチ」(外薗健/集英社)、「生徒会にも穴はある!」(むちまろ/講談社)といった歴代1位作だけでなく、2023年度2位の「黄泉のツガイ」(荒川弘/スクウェア・エニックス)など、上位作品のアニメ化も次々と決定している。
今年は、昨年2位の「魔入りました!入間くん if Episode of 魔フィア」を手がけた西修による新作「魔男のイチ」(西修×宇佐崎しろ/集英社)をはじめ、「ゴールデンカムイ」の野田サトルによるスポーツマンガ「ドッグスレッド」(集英社)、「べるぜバブ」の田中隆平による新作「COSMOS」(小学館)など、実力派作家の最新作がノミネート。さらにマンガアプリの上位常連作やSNS発の人気作も勢ぞろいしている。果たして、どの作品が頂点を勝ち取るのか、そして未来のアニメ化候補はどんな顔ぶれになるのか――9月18日の発表に注目だ。
文/川井美波