【中川翔子】『幽☆遊☆白書』我が子にも伝えたい、名作アニメである理由と魅力!

【中川翔子】『幽☆遊☆白書』我が子にも伝えたい、名作アニメである理由と魅力!

【プロフィール】
中川翔子
2002年に芸能界デビューし、「しょこたん」の愛称で親しまれる。歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターとして多方面で活躍。X、Instagram、YouTubeなどにおいて発信力・影響力ともにトップクラスを誇る存在として、世代を超えて多くのファンを魅了し続けている。

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1990年代の土曜夕方。テレビからオープニング主題歌「微笑みの爆弾」が流れ出す瞬間、世界が一気にフルカラーになる。『幽☆遊☆白書』で心を燃やし、『美少女戦士セーラームーン』でキラキラを浴び、『SLAM DUNK』で汗と青春にどっぷりつかる――あの90分は、アニメ界から毎週届けられる夢のご褒美タイムでした。

ファンを夢中にさせた幽助と仲間たちの魅力!

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

『幽☆遊☆白書』は、不良少年・浦飯幽助が第1話でいきなり交通事故によって命を落とす衝撃から始まります!そこからは、魂が駆け出すような冒険とバトルの連続。霊界探偵として生き返った幽助は、仲間たちと共に数々の強敵に挑みます。昨今はなかなかレアになってしまったヤンキーらしい口の悪さと、命を懸けても守る真っすぐな強さ。そして時々、前髪を下ろしてくれた時のあのギャップ!幽助の名ゼリフ「右ストレートでぶっ飛ばす。真っすぐ行ってぶっ飛ばす」は、今も心のお守りになっています。

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

飛影と蔵馬、この二人は多くの女性ファンに"推し活"や"オタク心"を芽生えさせた原点だったのではないでしょうか!飛影は孤高で冷徹な剣士のようでありながら、ツンデレの先駆けのような魅力のある存在。知的で熱いカッコ良さの中にかわいさも感じてしまいます。蔵馬は美と知略を兼ね備え、冷静さの奥に優しさと哀しみを忍ばせる。緒方恵美さんの声があまりにもピッタリすぎて、蔵馬がデビュー作だったなんて衝撃的で運命的な感動があります。飛影と蔵馬、二人は間違いなく日本のアニメ・漫画文化の革命的存在です。

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

そして桑原和真!子どもの頃は「お調子者で熱血」の印象が強かった彼が、大人になって見返すと最高にカッコいい男!筋が通っていて、仲間想いで、ヤンキーだけど猫に優しい!最高すぎる。共に戦う仲間や敵も妖怪だからめちゃくちゃ強いのに、彼だけは人間! なのに何度でも命を懸けて立ち向かう!千葉繁さんのコミカルとシリアスと熱さを演じ分ける匠の技があってこそ、桑原の魅力が伝説的になったと思います。

幽助たちと死闘を繰り広げた戸愚呂(とぐろ)チーム

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

暗黒武術会編は、毎回心臓がバクバクでした。各チームが能力も戦術も全く違い、試合ごとに新しい衝撃が待っている。妖狐蔵馬の美しさには息をのみました。飛影の邪眼のカッコ良さ!「邪眼の力をなめるなよ」のセリフが当時小学校で流行りました。桑原の霊剣、幽助の渾身の霊丸――そして、敵たちがあまりにも魅力的です。

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

戸愚呂弟はただの怪物ではなく、自らの過去と選択に囚われた孤独な戦士。戸愚呂兄は狂気と不気味さを漂わせつつ、弟への複雑な情も感じられます。中でも忘れられないのは、戸愚呂弟と幻海の関係。かつて若き日の二人は並び立って戦った仲間であり、特別な感情を抱えていた存在でもあった。「あんたも年をとれば、あたしも年をとる。それでいいじゃないか」の幻海のセリフ。戸愚呂弟の「世話ばかりかけちまったな」のセリフ。その一瞬に何十年分の切なさが詰まっていて、バトル作品でここまで胸を締め付けられるとは思いませんでした。

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

トーナメントのワクワクと、恐怖を教えてくれた暗黒武術会。戸愚呂チームの鴉(からす)は爆弾を自在に操る残虐さと美しさの裏に、戦士としての誇りを宿す。そして、ふいに放つ「トリートメントはしているか?少々髪が傷んでいる」というセリフ。30年たっても忘れられないインパクト!キャラクター一人ひとりの造形美、個性へのこだわりと、戦いの余裕を見せつけられた名シーン。ここで鴉のファンになった人も、多いはずです。

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

武威(ぶい)戦も衝撃的でした。飛影の炎殺黒龍破を引き出した強敵。敗北の中に静かな潔さを見せ、ただの敵役ではない存在感を残しました。戸愚呂弟vs幽助の、どちらが勝つか本当に読めない見事な演出と、最期の姿はもはやトラウマ級!彼らとの戦いは、ただの勝敗ではなく、キャラクター同士の魂のぶつかり合いでした。

衝撃的で革新的な魔界の扉編と主題歌にも注目!

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

魔界の扉編では、それまでの空気が一変します。正義感が強かった仙水忍が、人間の闇を知り絶望して反逆者になる――人格が七つあるという衝撃的な設定や、領域(テリトリー)を使った張り詰めた心理戦は、当時のアニメとしては革新的。戦いは肉体だけでなく頭脳を駆使したものになり、小学生だった当時の私は、まるで幽白を見ている自分が大人になったような感覚になるほど、初めてのスリルを味わせてもらいました。

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

そして忘れてはいけないのが、主題歌たちの存在感。オープニング「微笑みの爆弾」はイントロからボーカル、メロディー全てが唯一無二で間違いなくアニソン界の歴史における金字塔。歌詞の「ぶち壊す」のリズムに合わせて幻海がバク転してるところが、実は毎回ツボでした。「さよならbye-bye」「デイドリームジェネレーション」「アンバランスなKissをして」など、全ての楽曲がクオリティーと大人っぽさを兼ね備えているところも素晴らしい。

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原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 (C)ぴえろ/集英社

『幽☆遊☆白書』は、バトルの熱さ、キャラクターの深み、音楽と声優の魂が全部詰まった宝箱。そして、今はサブスクでワンタップするだけで飛び込める。久しぶりに見ても全く色あせず、テンポもセリフもキャラクターの輝きも結局のところ『幽白』が一番面白いじゃん!と思わせてくれる永遠の名作でした。だからこそ、あのリアルタイム視聴の黄金時間を知らない若き世代にも今、『幽白』を全力で浴びてほしい――ぶっちぎりで面白く、何年たっても心を熱くしてくれる名作です。いつか双子の息子にも「この世の面白さがここにあるよ」として見せたいなと思っています。

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