『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd seasonがついに始動!【声優・小林裕介インタビュー】
アニメ インタビュー
2024.10.18
『Re:ゼロから始める異世界生活』のナツキ・スバル役や、『Dr.STONE』の石神千空役、『アルスラーン戦記』のアルスラーン役、『炎炎ノ消防隊』のアーサー・ボイル役など、数々の人気作品で主人公や人気キャラクターを演じてきた声優・小林裕介さん。
――『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd seasonの見どころを教えてください!
小林:今期の見どころはキービジュアルからもわかるとおり、なんといっても王選候補者 VS 大罪司教の総力戦です。今まで登場したキャラクター、ほぼ全員に見せ場があってアニメ化で映えるシーズンだと思います。
エミリア陣営は、今までは思いのすれ違いなどもあってなかなか一つにまとまれていなかったですが、今回は一つのチームとしてお互いに支え合って、みんなで戦っている姿にすごく成長を感じてもらえると思います。
とくにエミリアの騎士となったスバル。ほかの候補者の騎士に比べればまだまだ力不足ですが、それもわかって受け入れた上で、エミリアにふさわしい騎士になるために彼なりにあがいています。
今までならそうやってあがく姿が、観ていて少し苦しい場面もありましたが、今回は、かっこいいと感じてもらえる要素もたくさんあると思います。彼の成長も、物語の展開とともに楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活3製作委員会
――これまでのシーズンで印象深い思い出はありますか?
小林:それはやっぱり、松岡禎丞くんが演じていたペテルギウスですね。下積み時代に彼のお芝居に触れたことが、声優としての仕事の向き合い方を変えるきっかけになりました。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会
下積み時代の苦しい思いも、いまこうして声優として頑張れているのも、ずっと先にいる松岡くんの背中を追いかけてきたからだと思っています。
そういう経緯もあって、『Re:ゼロ』で共演することになり、初めて同じ土俵でお芝居ができるという嬉しさと、なかば不安感や恐怖心も混じりながらのぞみました。実際に、松岡くんの演じるペテルギウスはすごくて、そのお芝居を目の当たりにして「負けていられない」という気持ちと、俺だってお芝居でギャフンといわせてやる、という気持ちがすごく強くなって。
あのタイミングで松岡くんと共演できたことで、それ以降のスバルの芝居も引き出された気がしますし、最終的にお互いのお芝居をいいねって言い合える関係にもなった。僕らを繋いでくれた作品という意味でも、『Re:ゼロ』は僕にとっては人一倍思い入れが強い作品になった瞬間です。
――もし小林さんが過去にタイムリープできるとしたら、やり直したいことはありますか?
小林:やり直したいことですか......うーん。本当にしょうもないことでもいいですか?
――もちろんです!
小林:大学4年生のころに戻って、とある試験を受けたいんですよ。
というのも、その単位を落とすと大学を卒業できないというタイミングで、試験で0点を取ってしまった授業があって。じつは、問題を読み違えていたんですよ。
自己採点でその間違いに気づいて、慌てて教授のところに行き、「問題をこう読み間違えていて...でも読み間違えを踏まえたら正解してるんです」「なんとかなりませんか」と直談判して。
そしたら教授が「考えておくよ」と。結果的に意図を汲んでくれて単位は取れたんですが、でもそのせいでいまだに1単位足りなくて留年する夢を見るんです(笑)。
だからあのときに戻ってちゃんとテストを受けて、今の人生であの嫌な夢を見ないようにしたい、ですかね。
――無事単位が取れたのにいまだに夢で見るなんて、よっぽどのトラウマだったんですね。
小林:だって、単位を落として留年したら100万円単位のお金がかかりますし、それが1教科、1単位のためだなんてもったいなすぎるじゃないですか。
――なんか、そのエピソードだけで、小林さんの誠実な人柄が伝わってくる気がします(笑)。
小林:いや、でも本当その授業は必修科目だったので、本来は2年生のときには単位を取得していないといけないもので、不真面目だったんですけどね。本当、もっとちゃんとやっておけばよかったなぁ(笑)。
取材・文/郡司 しう 撮影/小川 伸晃