久保史緒里が語る『ほどなく、お別れです』撮影秘話 浜辺美波・目黒蓮との共演エピソードも
映画 見放題インタビュー
2026.02.04
浜辺美波と目黒蓮がW主演を務める映画『ほどなく、お別れです』が、2月6日(金)に公開される。「小学館文庫小説賞」大賞を受賞し、シリーズ累計80万部を突破した同名小説シリーズを実写化した本作は、葬儀会社で働く美空と葬祭プランナーの漆原が"最高のお見送り"を目指す中で、見送る人と逝く人の心に寄り添う感動のヒューマンドラマだ。母を事故で亡くし、家を出た父への伝え方に悩む遺族・長野玲奈を演じるのは、2025年11月に乃木坂46を卒業した久保史緒里。兄を静かに支える妹役を、確かな存在感で演じている彼女に、本作への思いを聞いた。

――本作へのご出演が決まった際の率直なご感想をお聞かせください。
「お話をいただいた時、『お別れ』という、いつ誰に訪れるか分からない出来事をただ悲しいものとして描くのではなく、残された人たちがその先をどう生きていくのかに目を向けている作品だと感じました。だからこそ、世代や立場を問わず、多くの方にとって身近に受け取っていただけるのではないかなと。今回、私は"家族のパート"を担わせていただいたので、より身近に感じていただけたらなと思いました」

©2026「ほどなく、お別れです」製作委員会 ©長月天音/小学館
――台本や原作小説をお読みになった時、どんな印象を持ちましたか?
「原作小説を読んだ時に頭の中で思い描いていたお別れの情景が、映像化されることで、より大きく、深く膨らんだように感じました。特に印象に残っているのは、私が演じた長野家の家族全員がそろう霧ヶ峰高原でのシーンです。実際にその場の空気を吸い、肌で感じることで、物語の世界に一層入り込めた気がしました。長野家は、"納棺の儀"や母を自宅に連れて帰る場面など、さまざまな場所でお別れの時間を重ねていきます。その流れの中で、雪が積もった霧ヶ峰高原での撮影は、空気感がまったく違い、作品世界がより鮮明に広がった瞬間だったと思います」

――完成した映画をご覧になってのご感想は、いかがでしたか?
「私は母との別れを描くパートに参加していたので、映画の中で描かれるご夫婦など、別の形のお別れを目にした時、改めて胸に迫るものがありました。美空さんや漆原さんをはじめとする葬祭プランナーの方々が、それぞれ異なる立場や思いを抱えた人たち一人ひとりに向き合い、残された方だけでなく、旅立つ方にとってもすてきなお別れとは何かを、丁寧に、そして繊細に考えている姿がとても印象的でした。長野家も同じように向き合っていただいたという感謝の気持ちがありますし、他のエピソードを見ることで、より一層、家族や個人に寄り添う物語なのだと感じて、心を強く動かされる瞬間が何度もありました」

©2026「ほどなく、お別れです」製作委員会 ©長月天音/小学館
――共演した美空役の浜辺美波さん、漆原役の目黒蓮さんへは、どのような印象を抱きましたか?
「浜辺さんは、漆原さんの隣に立つ美空さんとして、自分の意志を持って兄に思いを伝える姿が印象的でした。さまざまな指導を受けながらも、それを超えて自分の信念や大切にしているものをしっかり抱えている。その芯の強さが演技から伝わってきて、強く心に残りました。そして、目黒さんは、納棺の儀を目の前で拝見した時、その所作の美しさに本当に感動しました。所作指導の方からも、お忙しい中でも動きが完璧だったと伺って、その積み重ねが画面にしっかり表れていると感じました。玲奈としても、母との旅立ちに丁寧に時間をかけ、繊細に向き合ってくださっていることが伝わってきて、その姿勢がとてもすてきだなと思いました」

――本作への参加を通して得たことはありましたか?
「長野家の一員として、母の旅立ちを見送るまでを経験する中で、お別れの時間が、その後の人生にどれほど大きな影響を与えるのかを実感しました。もし葬祭プランナーのお二人に出会っていなかったら、家族の形も、歩む道もきっと違っていたと思います。お別れは、ただ悲しむためのものではなく、残された人がこの先どう生きていくかを左右する、とても大切な時間なんだと学びました。長野家や玲奈にとっても、このお別れの形だからこそ今がある。本当に身近にある出来事だからこそ、目を背けずに向き合うことで、残された側の生きる道は大きく変わっていくのだと、改めて感じました」

――主人公の美空には「亡くなった人の声を聴くことができる」という不思議な力がありますが、久保さんがもし同じような力を得るとしたら、どんなものがいいですか?
「人の気持ちが色で見える力がいいですね。言葉として全てが入ってきてしまうと、かえって生きづらくなりそうなので。『今は赤いから怒っているのかな』とか、『この人は自分に悪い印象を持っていないな』といったことを、色のような柔らかい感覚で、ふんわり感じ取れたら、少し生きやすくなる気がします」
――2026年、挑戦したいことはありますか?
「やりたいと思うことはたくさんあるのに、つい後回しにしてしまうのが自分の悪いクセなので、2026年は思ったらすぐ行動することを大切にしたいです。とても小さなことですが、昨年末に一人で海外旅行に行けたので、今年も一人でいろいろな場所を巡りたいなと思っています。行き先だけ決めて、あとはノープランという旅のスタイルが好きなので、今年はそんな挑戦をどんどん重ねていきたいです」

――映画の公開を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。
「お別れは誰にとっても身近なもので、それが今日訪れるかもしれないし、明日かもしれない。そんな中で、私たちは日々を生きているんだと思います。この映画を見終えた時、これまで漠然と抱いていたお別れへの恐怖が、少し和らいだような感覚になりました。お別れに構えすぎずに生きられるような、劇場を出た後にほんの少し視線が上がる、そんな作品になっていると思いますので、ぜひ劇場で見ていただけたらうれしいです」
取材・文/中村実香 撮影/永田正雄




