ヒョンビンの流麗なアクションに惚れる『コンフィデンシャル:国際共助捜査』【古家正亨】

ヒョンビンの流麗なアクションに惚れる『コンフィデンシャル:国際共助捜査』【古家正亨】

個人的に好きな韓国映画の内の1本に『コンフィデンシャル/共助』があります。2017年公開された作品で、韓国では公開当時、観客動員数781万人を記録して、2017年度上半期の観客動員数1位となった大ヒット作です。韓国の映画やドラマで、繰り返し作られてきた"北朝鮮"がテーマの作品で、『共助』というタイトルからも想像できると思いますが、北朝鮮と韓国の刑事が協力して事件を解決していくアクション映画です。主人公の北朝鮮のエリート特殊捜査員を演じるのは、ドラマ「愛の不時着」(2019年)で北朝鮮兵を演じたヒョンビンさん。そして韓国の熱血刑事を演じるのは、最近も映画『YADANG/ヤダン』(2025年)で野心的な検事役を務めていたユ・ヘジンさん。ユ・ヘジンさんは韓国映画界に欠かせない存在で、ウィットに富んだ演技で魅せてくれます。

260202_confidential02.jpg

『コンフィデンシャル/共助』は、この2人のバディ的なやり取りと、テンポの良いスピード感あふれる展開が魅力です。そして、とにかくヒョンビンさんのクールな演技、そして格好いいアクションで一気に魅せてくれる、そんな作品でした。個人的には、アーノルド・シュワルツェネッガーさんとジェームズ・ベルーシさんのW主演で大ヒットした映画『レッドブル』(1988年)を想起させる、ちょっと懐かしい感じのバディ感に、くすっと笑ってしまいました。そして、ユ・ヘジンさん演じるカン・ジンテの家族が時折出てくるんですが、その家族間のやり取りがこの映画におけるほっこりタイムになっていて、普段は主人公を演じることの多い少女時代のユナさんが、ここではジンテの義妹役で、良い味を出しているんですよね。

260202_confidential03.jpg

エンディングで何となく続編を匂わせていた『コンフィデンシャル/共助』。韓国公開から4年の時を経て、続編が制作されました。それが今回紹介する『コンフィデンシャル:国際共助捜査』です。

韓国に降り立った、北朝鮮のエリート特殊捜査員リム・チョルリョン(ヒョンビン)。彼の任務は、北から逃亡した国際犯罪組織のリーダーと消えた10億ドルを追うこと。そんな捜査に、ある事件のため左遷されてしまった韓国の破天荒なベテラン刑事であるカン・ジンテは、現場復帰をかけ、その相棒に志願します。そう、2人は2度目のタッグを組むことになるわけです。そして、犯罪組織のリーダーの隠れ家に踏み込んだその時、アメリカFBIの捜査官のジャックが現れて......。韓国、北朝鮮、そしてアメリカ。3つの国の思惑と、それぞれの使命を背負ってタッグを組む3人は、果たして、真の目的を果たすことができるのか、という流れになっています。

260202_confidential04.jpg

前作でのヒョンビンさんは、寡黙でクールなイメージでしたが、今作ではかなり人間味が出てきたと言えば良いでしょうか。しかも、ドラマ「愛の不時着」に出演していたあの人やこの人も出てきたり、徐々に人間らしさが出てくるところなんか、あのリ・ジョンヒョクと、偶然とは言えかなりイメージが重なります。そんな彼がスーツ姿でみせる華麗なるアクションは、流麗という言葉がピタリと当てはまる、それは、それは、麗しいものです。

しかも、出世作であるドラマ「私の名前はキム・サムスン」(2005年)で共演していたダニエル・ヘニーさんが、FBI捜査官のジャックとして再共演を果たしているところは、かなりエモいと言って良いのではないでしょうか。2人とも良い歳の重ね方をしているなぁと、正直うらやましくなりました。そして、前作では出番の少なかった、ユナさん演じる"リム・チョルリョンLOVE"の義妹ミニョンは、そんなジャックの登場によって活躍の場が増え、今作ではキーパーソン的役割を果たしているのも見どころの一つと言えるでしょう。

260202_confidential05.jpg

そして、やっぱりすごいのが、カン・ジンテを演じるユ・ヘジンさんです。チョルリョンとジャック、それぞれの思惑がぶつかり合う中、その間を取り持つのがジンテ。まさに北朝鮮とアメリカの関係を取り持つ韓国のような役割を果たしていて、結局3つの対立軸は、ジンテによって共通の目的のために一つに集約されているところは、ユ・ヘジンさんの持つ空気感に寄るところがかなり大きいと思います。しかも、"3枚目"的でありながら、ジンテにしか出せない格好よさもしっかりアピールできるシーンもあって、そんなところも、ヘジンさんが演じるジンテだからこそ成せるものではないでしょうか。

忘れてはいけないのが、敵役であるミョンジュンを演じるチン・ソンギュさんの存在。単なる悪役ではなく、そうならざるを得なかった悲しみを背負った感じが、その背中からにじみ出ているのが素晴らしい。このあたりの描き方は、歴史的背景が複雑な韓国作品ならではの描写で、エンタメ作品であっても説得力ある要素であることは間違いありません。

260202_confidential06.jpg

全般的なことを言えば、前作よりもコメディー要素がかなり増しているので、前作のクールさを期待すると裏切られるかもしれませんが、ウィットに富んだ笑いも多く、何よりアクションはよりテンポ良く、スタイリッシュになっているので、個人的には今作の方が面白く観られました。もちろん続編なので、前作を観ていた方がより楽しめますが、前作を観ていなくても十分楽しめる作品になっているのでご安心を。

古家正亨

古家正亨 (ラジオDJ/イベントMC)

ラジオDJ、イベントMC。 K-POPなどの「韓流」カルチャーを20年以上にわたり日本に紹介してきた古家正亨が、毎月オススメの韓流コンテンツを紹介。

連載一覧はこちら

古家正亨

古家正亨 (ラジオDJ/イベントMC)

ラジオDJ、イベントMC。 K-POPなどの「韓流」カルチャーを20年以上にわたり日本に紹介してきた古家正亨が、毎月オススメの韓流コンテンツを紹介。

連載一覧はこちら

映画 連載コラム

もっとみる

映画 インタビュー

もっとみる