「ワイルド・スピード」の進化が止まらない!ド派手なアクションでメガヒットシリーズへ

「ワイルド・スピード」の進化が止まらない!ド派手なアクションでメガヒットシリーズへ

新作がお目見えするたびに、予想以上のスケールアップや進化を遂げ、爆発的に人気を伸ばしていった「ワイルド・スピード」シリーズ。"ワイスピ"という呼び名も定着している。日本での興行収入は、2001年に公開されたシリーズ1作目『ワイルド・スピード』は4.5億円だったが、2006年の3作目『―X3 TOKYO DRIFT』で10億円に、2017年の8作目『― ICE BREAK』でシリーズ最高の40.5億円を記録した。ヒットの最大の理由は、ワイスピが挑む"ありえない"アクションの数々。シリーズを重ねるごとに、その度合いは増していった。

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"ありえない"アクションへの飽くなき追求

原点である1作目『ワイルド・スピード』はロサンゼルス、2作目『―X2』はマイアミを舞台に、チューンアップされた車が街中を超スピードで疾走する映像に度肝を抜かれるが、3作目の『―X3 TOKYO DRIFT』ではドリフト走行をフィーチャー。タイトルどおり舞台が東京に移り、渋谷スクランブル交差点が登場するなど、日本人には別ベクトルの楽しさを提供した。4作目『― MAX』はトンネル内での驚異的カーアクション、5作目『― MEGA MAX』は巨大金庫を引きずりながらのカーチェイス、6作目『― EURO MISSION』は戦車と車のバトル、7作目『― SKY MISSION』は高層ビルから隣の高層ビルへ壁と窓を突き破ってのカージャンプ、8作目『― ICE BREAK』での氷上アクション、そして9作目『―/ジェットブレイク』ではついに宇宙空間へ...。毎回「これが限界」と思わせておいて次作では軽々とその限界を超えてしまう。そのありえなさが爽快になっていくのがワイスピの魅力だろう。

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シリーズを通して育まれるファミリーの絆

もうひとつのキーワードは「ファミリー」。その軸となるのが、2人の主人公、ブライアンとドミニク(愛称:ドム)だ。1作目では凶悪犯罪に絡んでいるとの疑いがもたれるドムに、警察官のブライアンが接近するという敵対関係にあったが、カーレースを通して彼らはいつしか固い絆で結ばれる。2人の主人公によるバディムービーの様相を呈し、ドムの仲間たちの共謀がいくつもの熱いドラマも生み出していく。5作目の『― MEGA MAX』からは、ここに捜査官のホブスも参入し、物語もスケール感を増していく。シリーズのムードを一変させたのが、ブライアンを演じてきたポール・ウォーカーの急死。7作目『― SKY MISSION』の撮影中の悲報で、それ以降はドムらファミリーにとってブライアン不在の物語が描かれていく。ファンは亡きウォーカーに思いをはせ、胸を締めつけられる瞬間も。それ以外にもレギュラーメンバーにはドラマチックな運命が用意され、シリーズ後半はファミリーの絆が重要なポイントになる。

カーアクション映画としての痛快さや破格のスケールに、ありえないチャレンジの数々で興奮をMAXで誘いつつ、シリーズを通して見ることで各キャラへの共感がエモーショナルに引き上がっていく。そこにワイスピの神髄があるからこそ、映画史において特に愛されるシリーズの一つになったと言える。

文/斉藤博昭

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