心が動かないわけない。喜多見幸太(鈴木亮平)の抜群信頼感 「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」【小虎・りょう】
国内ドラマ 連載コラム
2025.07.10

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
【プロフィール】
りょう(小虎)
1995年12月28日生まれ、愛知県豊田市出身。NSC東京校24期生。2019年に福井祐樹とともに小虎を結成。学生時代からのドラマ好きが高じて、「よしもとドラマ部」の一員としても活躍中。
なんとなく人間関係にやきもきしたり、仕事が自分の思うように行かなくて落ち込むと、このドラマにたどり着く。
個人的に、心が落ち込んでいるときに医療ドラマは向いていない気がする。ドラマの中でどれだけ完璧なオペで成功しても、病気や事故などの緊張感で、気持ちを持っていかれてしまうからだ。
ではなぜ自分は「TOKYO MER」にたどり着くのか。それは医療ドラマパートの他に、このドラマに多く見られる人間の信念の大切さや、日常で現代人が忘れていた大切なものを、喜多見幸太(鈴木亮平)と関わったMERの面々が、視聴者に再確認させてくれるからだ。心が楽になる。
疲れていたり、やるせない自分を見つめ直したいとき、一番おすすめできるドラマ。「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」を紹介します。
(C)TBS
あらすじ
事故・災害・事件の現場へと駆けつけて、患者を救命するために発足した"TOKYO MER"。最新の医療機器とオペ室を搭載した緊急車両(ERカー)で、危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者にいち早く救命処置を施す救命救急プロフェッショナルチーム「TOKYO MER」(東京モバイル・エマージェンシー・ルーム)の活躍を描く本格救命医療ドラマ。
MER(モバイル・エマージェンシー・ルーム)という組織も架空の組織で存在しないし、最新の医療機器とオペ室を搭載した緊急車両も実在しない。
しかし、ドラマの監修を務めている救命救急医たちが「もし本当にあったら"救急医療の理想"」と口を揃えて言う。つまりこのドラマは、未来への希望を込めて数々のシーンが作り出されている。多くの人間の想いが詰まっているのがよく分かる。
そして、MERチーフドクター・喜多見幸太(鈴木亮平)の人柄や信念にも注目してもらいたい。喜多見は、当初は敵対していた、レスキュー隊隊長・千住(要潤)の最終話の台詞をそのまま借りるならば『あいつが来ただけで何とかなる気になっちまう』という人間だ。
ではなぜそう思うのか?熱血ドラマや、無茶をすることを美学にしている作品なんて腐る程見てきた。しかし役者・鈴木亮平のフィルターを通すとこんな風になるのかと、こんなに人を信じさせてくれるものなのかと感じる。
仕事が出来るだけではない、バックボーンも含めて、喜多見幸太を信じたくなるのだ。鈴木亮平の信頼感ってなんだろう。
自分は鈴木亮平主演作品の中で「TOKYO MER」の喜多見が1番好きだ。
インタビューで読んだのだが、医療ドラマのオペのシーンで、役者は手元だけはプロに任せることが多いが、このドラマの為に鈴木亮平はオペの練習をして、全て自分で医療行為のシーンを演じているらしい。
凄すぎるだろ!
(C)TBS
脚本家・黒岩勉も裏切らない
「TOKYO MER」の脚本家・黒岩勉。自分がこのドラマを含め黒岩作品を見ていて、よく感じる特徴がある。
本当に最後まで分からなくて、普通なら終わるようなところで終わらない。
「メゾン・ド・ポリス」「グランメゾン東京」「マイファミリー」など、そして「TOKYO MER」も、黒岩作品は事件解決で終わりではないのだ。視聴者の予想を簡単に超えてくる。
誰が事件の犯人なのか、展開がどうなるのか、黒岩作品は本当に展開が分からない。
何本もドラマを見ると穿(うが)った見方をしがちだが、安心して最後まで楽しめる。このドラマも最終回手前で予想外の展開が待っている。ぜひ見て欲しい。
「TOKYO MER」は最終回だけではなく"本当に"全話で泣ける。涙が出る。それも悲しいだけではなく心が震えるのだ。
MERの面々の成長や信念が見えたとき、そこに流れる主題歌のGReeeeNの「アカリ」が心の揺さぶりを爆発させる。作品にマッチし過ぎている。
本当に全話泣けるが、自分は第6話がよく泣ける。親子愛はもちろん、先述した通り、一安心では終わらないジェットコースターのような急降下がある。
(C)TBS
まとめ
鈴木亮平さんの暖かさと役者としての強さをとても感じる「TOKYO MER」、対照的な役柄の賀来賢人さんも堪らなく良い。MERの面々の活躍どころや、成長が全員分順番に全話で描かれている。そして、第2~3話辺りから、涙で身体の水分が足りなくなるのでぜひ心して見て欲しい。
あぁ、自分がこんな人間だったら、自分がこんな考え方だったら、素晴らしいだろうな。本当に鈴木亮平さんの喜多見にそう感じる。「MERがあったら良いな」と見た人は全員思うでしょう。
このドラマ見たら頑張ろうって思いますよ。本当に。