挙動不審の演技日本一の松田龍平と無償の愛の母親役世界一の風吹ジュン 「連続ドラマW 0.5の男」【LLR・福田恵悟】
国内ドラマ 連載コラム
2025.05.22

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
【プロフィール】
福田恵悟(LLR)
1979年11月9日生まれ、東京都出身。
NSC東京校 7期生。2002年に伊藤智博とともにLLRを結成。コンビでの活動の傍ら、ドラマ好きとして「よしもとドラマ部」でのライブを約10年、回数として実に100回以上開催している。
2.5世帯住宅というのを聞いたことがありますか?
僕自身は初めて耳にした言葉で、実際にこんな住宅あるのかと調べたところ、ちゃんと存在していました。この2.5世帯住宅というのは、2世帯+単身者で一緒に住む形を指すらしく、「両親と娘夫婦が一緒に住む家に、その娘の独身の兄が一緒に住む」みたいな状態です。
要するにこの状態の時の独身の兄が0.5ということになるのです。なんだか数学みたいな話になってきましたが、このドラマはまさにこれなのです。
40歳を越えているのに、実家暮らしのニートを続けている立花雅治(松田龍平)。この男が先程紹介した2.5世帯の0.5になってしまう。さらに妹夫婦のところには、中学生になったばかりの年頃の女の子と保育園に通う怪獣みたいにうるさい男の子もいる始末。妹からそろそろ独り立ちしろと追い立てられたり、年頃の女の子にキモがられたり、怪獣男子の面倒を見なければならなかったりと今までの生活にはない刺激が盛りだくさん。
一体、雅治はどうなることやら...。非常に新しい切り口で、まさに現代の問題がギッシリと詰まっているお話です。
(C)2023 WOWOW/C.A.L
全5話なんですが、WOWOWのドラマの5話って普通の民放のドラマの8話分くらいの見応えがありますよね。まあCMとかが無い分、実際時間が長いっていうのもあると思いますが。それにしても全5話でここまで見応えあるかっていうくらいありましたね。
それでいて手を付けにくいのかと言われたら、全然そんなことはありません。すぐにペロっと見られてしまいます。そして見終わった後に、まだまだこの続きが見たくなりました。きっと僕だけでなく、このドラマを見たみんながそう思ったでしょう。
何でか?
それはひとえに雅治の愛らしさでしょう。このドラマを見ると、みんなが雅治を好きになってしまい、自分を重ね合わせ、そして応援してしまうのです。
(C)2023 WOWOW/C.A.L
「私、全然ニートじゃ無いですよ!」
わかりますよ、ほとんどの方がそうでしょう。
「独り立ちしてます!」
確かにそういう人の方が多いでしょう。
「家族としっかり仲良くやっています!」
でしょうね、そうだと思います。
しかし、そんなあなたもこのドラマを見ると、いつしか自分の弱い部分を雅治に重ねてしまい、優しい部分に共感を覚え、寛容な姿勢にこうでありたい、と思ってしまうのです。
そうです。みんなの心の奥底に少なからず雅治がいるのです。そんな雅治が、右往左往して四苦八苦し自問自答を繰り返すのですから、それはもう応援せずにはいられませんよね。
(C)2023 WOWOW/C.A.L
さらに、そんな自分に重ね合わせた雅治に無償の愛を注ぐ母親役が、「国民のお母さん」風吹ジュンさんです。たまりませんよね。どんな女優よりも無償の愛が似合う女優と言っても過言ではないでしょう。シンプルに泣けるんですよね、ジュンさんの演技は。
後は年頃の女の子役の白鳥玉季さん。本当に顔だけで気持ちが伝わってきます。末恐ろしい女優さんだなと感じました。
2.5世帯住宅のセットも新しい感じで非常に良いなと思いました。これに関しては見ていただいた方が早いと思います。ストーリーだけでなく、そういうところにもこだわっているドラマは、ドラマ好きにはいたく刺さります。
ぜひその目でご確認ください。