福山雅治と大泉洋がバディを組んだ!いくらでも見ていたい二人のコンビネーション! 「ラストマン―全盲の捜査官―」【フルーツポンチ・村上健志】
国内ドラマ 連載コラム
2025.05.20

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
【プロフィール】
村上健志(フルーツポンチ)
1980年12月8日生まれ、茨城県牛久市出身。
2004年にNSC東京校10期として入学。在学中に、同期の亘健太郎とともにフルーツポンチを結成。特技の俳句で、MBS「プレバト!!」にて日常の風景を切り取る独自の才能を発揮し、永世名人の称号を獲得。2021年には「フルーツポンチ村上健志の俳句修行」と題し、句会での様子を書籍にして出版している。よしもとドラマ部に所属。ドラマ好きが高じて、多数ドラマ出演経験あり。
福山雅治演じる主人公・皆実広見(みなみひろみ)は全盲のFBI捜査官。過去のとある事故で視力を失っているが、鋭い分析力、嗅覚、触覚で事件を必ず終わらせる"ラストマン"。彼とバディを組むのは大泉洋演じる刑事・護道心太朗(ごどうしんたろう)。犯人逮捕のためには手段を選ばない正義感の持ち主。それゆえに行き過ぎた捜査をしてしまうことも。そんな二人がさまざまな事件を解決していく一話完結の痛快バディドラマ。
シーズン3だっけ?と勘違いするほど息ピッタリな二人
福山雅治さんと大泉洋さんのバディ感が最高。このドラマってシーズン3だっけ?と思うほどの息の合った二人の掛け合い。互いの欲しいところを互いに分かっている感じ。長年培ったような二人の掛け合いにすっかり魅了されてしまいました。もうこの二人が会話してくれるなら、事件が起きなくても料理教室に行くだけでも作品になるのではないでしょうか。
こういう刑事ドラマって大好き
バディ感が最高と先述しましたが、解決される事件も実に面白い。一話完結で起きる事件のトリックや、二転三転する展開。解決に至るまでの手法も見応えがあり、コメディ的な明るさもあってどんどんと楽しめる刑事ドラマです。そして一話完結でありながら、縦軸となっている二人の過去に関する真相が終盤でグググと明かされていく展開。一番好きなやつでした。
福山雅治が福山雅治を使いこなしている
主人公・皆実広見。天才肌で周りの人を惹きつけてしまう魅力があって、クレバーだがユーモアがあるキャラクター。そんなスーパーな存在いないだろと邪推することもなく、魅力的なヒーローとして物語に溶け込んでいる。福山さんだからこそ成せる技なんだろうと思います。それを演技力と言ってしまえばそれまでですが、そのさらに先の特異性。現実から少しはみ出ているが決して浮いていない存在を、スター・福山雅治は当たり前のようにやってのける。やり過ぎ感やぎこちなさはなく、物足りなさもない。十分に満ちている特別な主人公。そして「こういう福山雅治を見たかった」が存分に味わえるのです。だからと言って福山雅治がそこにいるのではなく『皆実広見』が立っているのです。物語の人物としてまずすばらしくて、それでいて福山さん自身の魅力も感じられる。福山雅治は福山雅治を使いこなしているなと感じてやまないのです。
すごいから既に売れているのだが、すごい役者を見つけたと絶賛したくなる大泉洋
主役をいくつも演じ、シリアスからコメディまでこなす大泉洋さん。演技だけではなくバラエティでの魅力も知られていることでしょう。「大泉洋はすごい」なんて、今さら言うまでもないと思っていました。しかし、すごい。天才・皆見のバディとしての護道の塩梅が絶妙なんです。天才・皆見の強いキャラクターに負けないくらい個性的!天才に振り回されてあたふたする様がもうコントじゃん、笑える、ではないんです。変な顔や大袈裟なツッコミを連発するでもありません。皆見に比べれば護道は、行きすぎる正義感はあれど真っ当なキャラクターです。しかしもの足りなさはないのです。皆見の特異なキャラを引き立てつつ、護道自身の存在感もある。そして二人が合わさったときの魅力が抜群に良い。笑わせよう、と作為的なものは感じないのに面白いやり取り。そうかぁー、大泉洋はこっちに回ってもすごいのかとやられてしまいました。それどころか、すごい役者を見つけたよと誰かに教えそうになるところでした。
最高のバディが解決する事件。そして明らかになる二人の過去の物語。ぜひご覧になってはどうでしょうか。