脚本:宮藤官九郎、監督:堤幸彦、出演:長瀬智也、窪塚洋介、山下智久、妻夫木聡、坂口憲二、佐藤隆太、阿部サダヲ、高橋一生、渡辺謙 やり過ぎだろ!! 「池袋ウエストゲートパーク」【LLR・福田恵悟】

よしもと<br>ドラマ部

よしもと
ドラマ部 (吉本興業所属のお笑い芸人)

吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

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脚本:宮藤官九郎、監督:堤幸彦、出演:長瀬智也、窪塚洋介、山下智久、妻夫木聡、坂口憲二、佐藤隆太、阿部サダヲ、高橋一生、渡辺謙 やり過ぎだろ!! 「池袋ウエストゲートパーク」【LLR・福田恵悟】

【プロフィール】
福田恵悟(LLR)
1979年11月9日生まれ、東京都出身。
NSC東京校 7期生。2002年に伊藤智博とともにLLRを結成。コンビでの活動の傍ら、ドラマ好きとして「よしもとドラマ部」でのライブを約10年、回数として実に100回以上開催している。


こちら、僕らの世代にはもはや説明不要かと思われるほどの超ヒットドラマ。石田衣良さんの原作を、あの宮藤官九郎さんが脚本を務め、当時の若者のハートをわしづかみにしました。

そしてこのドラマをキッカケにして宮藤官九郎さんが次々とヒット作を生んでいくことになるのだが、このドラマが放映された2000年の時はまだまだ新進気鋭な脚本家というイメージしかなかった。

それゆえに、今でも攻めてる宮藤官九郎さんですが、その何倍も攻めた作品になっている、これから面白いものを作ってやるんだというパワーが全面に押し出されてきています。

きっとその熱が僕も含め多くの若者の心に刺さったのであろう。いつの時代も人の心を動かすのは熱しかないのだと深く思い知らされる。物語の設定も2000年という時代の変革期を生きる若者のリアルが投影されている。

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タイトルにある通り舞台は池袋。

ちょうど世の中から不良が消え去り、そしてチーマーやギャングが現れ始めた時代。こういう新しい世代が現れ始めるときというのは、得てして混沌としている。当時の池袋はまさにその真っ只中、そしてその混沌の中心にあったのが池袋の西口公園だった。

もちろん、僕もその公園に行ったことがある。そこには、チーマーみたいな奴もいれば普通の大学生もいる、ナンパ待ちの女の子もいて、その子たちに声を掛けるチャラいサーファーみたいな奴もいる、少しイカつめな大人もいたりした。

この物語の主人公のマコト(長瀬智也)もこの公園にいる一人である。ストーリーとしては殺人事件なども絡んできて、少し現実離れしているのだが、この公園にいる誰でもないマコトが関わっている話なのだから、もしかしたら僕らのすぐ横で起こっている事件なのではないかと妙なリアルを感じさせられるのだ。

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そして、そのストーリーの少し張り詰めた緊迫感がフリになり、あの宮藤官九郎節が強烈にハマった。決して笑えるような話ではないのだが、妙におかしくて笑えてくる、そしてその絶妙な調和が相まって、最終的には感動してしまう。

まさに奇跡の組み合わせだったのでしょう。

全話ではないが監督を堤幸彦さんが担当されているのも非常に見逃せないポイントである。このすぐ後にあのヒット作「TRICK」を手掛けるのですが、あの凄惨な事件を妙にポップに解決していく展開はまさにこの「池袋ウエストゲートパーク」から生まれたものではないでしょうか。そういう意味でもこのドラマが後世に残した影響とは計り知れないものがあるのかと思います。

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後世に残したということであれば、このドラマそれだけにはとどまりません。

すでに一線級だった、長瀬智也、窪塚洋介、山下智久はもちろん、妻夫木聡、坂口憲二、佐藤隆太、阿部サダヲ、高橋一生、など後の主演クラスがゴロゴロと出演しています。このラインナップ、今見たら誰が主役かわかりませんよね(笑)。

良いドラマに良い俳優が集まったのか、良い俳優が集まったから良いドラマになったのか、鶏と卵みたいな現象が起きています。兎にも角にも、脚本家、監督、演者、全て後のスーパースターで構成されているこのドラマ。まあ、そりゃヒットするわな、という感じですね。

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まだ見ていない方はもちろん、若い頃に一回だけ見たという人にもオススメです。あの時の熱い気持ちを思い出して、今の自分に無くなった何かを思い出させてくれるかもしれません。

現在、池袋西口公園はかなり形を変えてしまいました。なので、あの時の西口公園を体感できるのはこのドラマの中だけなので、どうぞお楽しみ下さい。

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