トレンド入りするドラマ 「不適切にもほどがある!」【LLR・福田恵悟】
国内ドラマ 連載コラム
2025.01.29

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
<プロフィール> 福田恵悟(LLR) 1979年11月9日生まれ、東京都出身。NSC東京校 7期生。2002年に伊藤智博とともにLLRを結成。コンビでの活動の傍ら、ドラマ好きとして「よしもとドラマ部」でのライブを約10年、回数として実に100回以上開催している。
時は1986年(昭和61年)、中学校の教師で野球部の顧問である小川市郎は、生徒に対してスパルタ教育という名の鉄拳制裁を振るっていた。職員室では女性教師にセクハラ三昧、そしてシングルファザーである市郎にとっての実の娘、純子にもブスだのバカだのいう始末。
まさに現代では考えられない、不適切の固まりであった。その市郎がある日乗ったバスが、なんと2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまう。市郎のやる事なす事全てがコンプライアンスに引っかかってしまう時代で、本当に大切なものは何なのか?を訴えかけていく...。
と、まぁあらすじはこんなところでしょうか。しかし、このドラマを見たことない人でもこの位の内容は知っているんじゃないかと思うほど大ヒットして、トレンド入りしまくったドラマです。「ふてほど」は新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれるくらい、浸透いたしました。
トレンド入りするドラマって、脚本、演者、演出のどれかひとつに目を引く要素がある印象があります。
脚本に関しては、宮藤官九郎さん。この時点でまず目を引く要素なのですが、その宮藤官九郎さんが、今誰もが踏み込めないこのコンプライアンスを問題にした脚本を書いたとなったら、それはもう大注目ですよね!若い時には若い時の尖りがあって、なんだかオシャレでカッコ良くて。そしてここ最近は、なんだか笑って泣けて心に沁みる作品が多かった宮藤官九郎さん。そのどちらもが混ざったような宮藤官九郎さんのハイブリッドのような作品だと感じました。
(C)TBSスパークル/TBS
演者に関しては、阿部サダヲさん、仲里依紗さん、古田新太さん、吉田羊さん、このあたりのレジェンドクラスはもちろん、TVプロデューサーを演じる山本耕史さんには本当に笑わせていただきましたし、八嶋智人さんに関しては面白いを通り越して、遂にカッコイイの域にまで達していました。
そして、やはりこのヒットの鍵になったのは、純子役の河合優実さんではないでしょうか。今となってはトップ女優への道を着実に歩んでいる河合さんですが、このふてほどの時はまだ、そこまで認知度がなく、このドラマの純子がすごいというのでSNSが盛り上がった印象があります。まさに目を引く要素ですよね。体験した事のない昭和の時代の女子高生をここまでかわいく演じられているのはあっぱれの一言です。
そして演出。これがこのドラマの肝になっているんではないかと僕は思っています。けっこう深い内容で、普通に言ったらなんか暗くなりそうな場面が多々あるのですが、それがポップな演出によって、非常に軽やかに入ってくる。一見変なことをやっているようだが、めちゃくちゃ計算されている。そしてそこにバカバカしさも加わるので思わず笑ってしまう。本当に素晴らしいと思いました。このドラマ何やってんだろう?(笑)と思わず目を引いてしまう作品に仕上がっていました。
(C)TBSスパークル/TBS
脚本、演者、演出、どれかひとつにでも目を引く要素があればトレンド入りするのに、それが3つともあるのですから。そりゃ流行語大賞取りますよね(笑)。
なんだか今の世の中がせせこましいと思っている昭和世代の人たちはもちろん、今の生活が当たり前だと思い生活している令和世代の方々まで、見る人によって刺さるところは違えど、心に思うことがある作品だと思います。
どちらの世代の方にもこのドラマの最後のメッセージは凄く大事だなと感じました。その最後のメッセージとは...。
最終回を乞うご期待です!