フルポン・村上&夫婦のじかん・大貫さんが北大路欣也さんの印象を回顧...「"偉大さ"に恐れ多い」

よしもとドラマ部

よしもとドラマ部 (吉本興業所属のお笑い芸人)

吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は宮地ケンスケ・福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

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フルポン・村上&夫婦のじかん・大貫さんが北大路欣也さんの印象を回顧...「"偉大さ"に恐れ多い」

時代劇専門チャンネルとJ:COMが共同で製作した北大路欣也主演、藤沢周平原作の大人気オリジナル時代劇シリーズ最新第8作「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」が、12月8日(日)19時から日本映画+時代劇 4Kで放送される。

同シリーズは、前藩主用人の職を退き、隠居した三屋清左衛門(北大路)の第二の人生を、身の回りに起こるさまざまな出来事とともに描いた作品。今作では、ドラマ「君とゆきて咲く~新選組青春録~」(テレビ朝日系)で、父・藤岡弘、も認める殺陣を披露し話題となった若手俳優の藤岡真威人と、ドラマ「厨房のありす」(日本テレビ系)など話題作に多数出演し、存在感を放つ演技で注目を集める大友花恋が参加し、清左衛門と若者との新たな交流を描く。

そんな中、吉本興業所属のドラマ好きなお笑い芸人が、毎月おすすめのドラマを紹介する「よしもとドラマ部の『ドラマな窓口』」を連載中の"よしもとドラマ部"から村上健志(フルーツポンチ)と大貫さん(夫婦のじかん)が京都・太秦の東映京都撮影所で行われているドラマの撮影現場に潜入。撮影所取材と主演の北大路欣也に直撃インタビューを敢行した。

今回、村上と大貫さんが撮影所の取材を改めて回顧。想定以上のスケールの大きさに驚いたことや、撮影所で働く職人たちのプロの仕事、北大路欣也の印象などを振り返った。

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全てが"時代劇のため"を目の当たりにし、細かいプロの仕事と姿勢に感動しきり

村上「いやぁ、めちゃくちゃ行けて良かった!初めてだったから多分全然回れていないところがあると思うんだけど、あの限られた時間の中で見聞きしたこと全部、『うわっ、すごいな!』って。テレビ局は行ったことあるからドラマの現場とか想像がつくけど、時代劇を作るためにあの場所があるって思うと、『すごっ!』って思った」

大貫さん「北大路欣也さんにインタビューできるっていう本当に貴重な体験もしかりですけど、職人の方々にお話を聞けたのも、なかなかそんな機会なんてないから、本当に貴重な体験でした。いろんな人に『この間、京都に行ってさぁ...』って話しましたもん(笑)」

村上「あの日のことをレポート記事(11/20掲載)として書かせてもらったんですけど、あまりに『へぇ~』となることが多過ぎて、内容を絞り切れなくて、全体を書いたことによって、全部の内容がすごく薄くなってんじゃないかって不安...(笑)」

大貫さん「分かります!小学生の作文みたいになっちゃってて、大丈夫かなって」

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村上「『これがあった。これがあった』みたいなね。オープンセットのエイジングとか、オープンセット自体、最近新しく作ったはずなのに、古い感じに見えたから、『あれ、わざと古い感じにしているんですか?』って聞いたら説明してくださって。『雨が降った時はこういう風に汚れるので、下の方がより古く見えるように作っています』とか。そういうのを書いていたらキリないから書けてないんだよなぁ。あと、驚いたのが大工さんの数! 建設現場の数くらいいたから。本当にあの中で成立している"一つの町"というか...」

大貫さん「特殊ですよね。あの中で完結できるって、なかなか無いですもんね」

村上「そんなのも教えてもらったわけじゃなくて、ただただ通り過ぎたときに聞いただけなのに、本当に驚かされたからね」

大貫さん「私も、ある場所を通り過ぎた時に水死体みたいな...」

村上「あー、あれね!あれ水死体じゃなくて、飢饉で餓死した人らしいよ。発泡スチロールで作った餓死した人」

大貫さん「あぁ、そういうことだったんですね!すごい...時代劇ならではですね。そういうのも普通にその辺にあって、『これ何?』ってなっても(案内してくれるスタッフの方が)『次、こちらでーす』みたいになって(笑)。それぐらいあらゆるところに『すごい』と心動かされることやモノが散りばめられていて、びっくりでした」

村上「だから、小道具に関してはあまり聞けてないんだよね。しっかり聞けたのは、美術監督と衣裳部さん、美粧・床山さんのお話と、俳優養成所のスタッフの方によるお芝居の中での殺陣の難しさ、時代考証による所作だったから、小道具とかに関してももっと聞きたかったよね」

大貫さん「聞きたかった~」

村上「あと、10以上の肌色の入ったパレット!かつらの隙間を埋めるためにメイクさんが持ってたパレットを見たら、肌色だけでぶわぁってあって」

大貫さん「確かにそうですね。しかも、そこから肌色同士を混ぜてましたよね。皆さん、すごくかつらが馴染んでいて、『どうやってるんだろう』って思っていたから、『本当の絵の具みたいに。そんなに細かいんだ!』ってびっくりしましたもん。コントとかだとドーランを塗るだけだけど、全く違ってた...」

村上「(取材のレポートを)本気で書くなら1週間くらい要るよ。1カ所、1カ所ちゃんと見ないと。だから、今回のレポート記事すごく心配なんだよねぇ。驚きもたくさんあったから『俺らが知った情報を視聴者の方に伝えたい』という思いが強いんだけど、『それだけじゃ俺が書く必要ないじゃん』とも思ったりして、結局中途半端になっちゃった気がするんだよね。情報としても弱いし、作家性もないし...(泣)。また、あらためて行きたい!」

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オーラに圧倒され、身が引き締まった北大路欣也へのインタビュー

大貫さん「もうオーラがすごくて...。普段緊張することなんてあまりないんですけど、ここ10年で初めて緊張しました。『もうすぐ、いらっしゃいます』って言われて、『やばい...。緊張が...』って思っていたら、遠くから歩いて来られるのを見て、結構な時間ずっと緊張しっぱなしでした。ご本人はすっごく優しかったんですけど、時々『あれ?北大路欣也さんだ』って我に返る瞬間が何度もあって、ゲシュタルト崩壊みたいな...」

村上「分かる、分かる。"怖さに緊張した"ということじゃないんだよね。実際にお話させてもらったら、すごくお話してくれて優しくて。高圧的なプレッシャーではなくて、"偉大さ"に恐れ多いというか。それでも話に引き込まれて、緊張はするけど居心地は良かったよね」

大貫さん「話がすごく面白くて、聞き入っちゃうんですよね」

村上「一方で、『ドラマに出てくる料理が全部おいしいんだよ』っていう話の時の表情はすごく無邪気で柔らかかった。唯一、声出せたもん。『今、(声)出そう!』って思って、『食べたーい』って言っちゃったもん」

緊張しきりの一世一代の大仕事では反省点も

村上「大貫は、自分の話をしだしてたからね。インタビューに行っているのに、『私も子供を2人生んで...』みたいな。いい話だったし、北大路さんも優しく受け止めてくださったけど、インタビューする仕事で行ったのに、ファンみたいな発言してたから。俺は隣にいて『プロ失格だな』ってずっと思ってたから(笑)!」

大貫さん「もうちょっと言いたかったんですけど、これでも止めたんですよ?でも、本当に終始優しかったですよね」

村上「(大貫さんは)"神様に会った"みたいな顔してたから」

大貫さん「北大路欣也さんは今、一番、神様に近いじゃないですか。『本当に実在してるんだ』っていう。しかも、北大路さんは座られていて、私たちはもっと離れて立ってお話を聞くみたいな感じだと思っていたら、テーブルを挟んで自分たちもどっしり座っちゃってるから、気が動転しちゃって...。不思議な感じでした」

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見る物全てが新鮮で、そこで働く人々のプロフェッショナルな姿勢に感銘を受ける

大貫さん「本物の時代劇のセットが、すごく印象に残りました。時代劇みたいな集団コントをやったことがあるんですけど、当たり前ですけど、その時のセットとは全然違って!あと、すごく後の展開まで考えて動いてらっしゃることにびっくりしました。作って、(撮影が終わったら)パッと壊して...みたいな感じでやっているかと思いきや、『次のセットはこうだから、これを裏返して、こうしよう』みたいな、先の展開までちゃんと頭に入れて、いろいろ計算して効率良くやられているのが本当にすごくて。衣裳さんも、どこに何が入っているか全て把握されていて」

村上「古くなった衣裳は、その古さを活かして、ほかの作品やシーンで使うとかね。一つの作品に懸ける思いはもちろんだけど、太秦というさまざまな作品を支える場所だからこそ、いろんなことが重なり合っているというね」

大貫さん「どのスタッフさんも、全部を把握されているのが本当にすごかったです」

村上「そういうプロフェッショナルの方が、あそこに常駐されているという状態が本当にすごい。しかも、みんな優しかったし。なんかすごく怖いイメージで、『忙しいから後にしてよ』とか、『そこ触んな!』とか言われるんじゃないかと思ってたら、もうめっちゃ優しい」

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取材を経て感じた時代劇に触れる機会の少ない視聴者に楽しむポイントを伝授

村上「時代劇って構えがちですが、普通に見られると思うんですよね。見てみたら単純にカッコいいんだよな。殺陣とか所作とか、いわゆる"型があるものを愛でるカッコよさ"がある。現代ドラマだとなかなか見られないけど、そういう美しさがある。あと、内容的には現代劇の人情物とかミステリーとそんなに変わらなくて、設定が違うだけなんですよね」

大貫さん「北大路さんも同じこと仰ってましたもんね。『やってることは(現代劇と)同じなんだ』って」

村上「もしかしたら北大路さんが仰ってたのを、受け売りで"ナチュラルパクリ"してる可能性があります(笑)。確かに言ってた...恥ずかしい...」

大貫さん「ドラマ好きの人って、撮影方法とか結構細かいところまで見る人が多くて、そういう人にとっては特に時代劇って向いてるんじゃないかなって思うんです。私は、現代劇だと『このお給料で、この部屋住めるかな?』とか『この給料で、このソファとその服いける?』みたいなことが結構気になっちゃうんですけど、時代劇はその辺の設定が本当にちゃんとしていて、その時代ならではの天井の低さだったり、壁の作りやタンスのサイズまで、本当に細部にまでこだわられているので、そういう細かいところが好きな人は、絶対にいろいろハマれると思います!」

文/原田健

国内ドラマ 連載コラム

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