ジンティエン(景甜)が2度目の人生で運命を変える!自分を殺した男との恋を描く中国時代劇「似錦~華めく運命~」

「麗王別姫~花散る永遠の愛~」では宮廷の才女、『パシフィック・リム:アップライジング』では大企業のCEO、「楽游原」では甲冑(かっちゅう)をまとって戦う将軍の娘と、さまざまな強い女性を演じてきたジン・ティエン(景甜)。そんな彼女が、記憶を保ったまま10年前に戻り、2度目の人生で運命を変えていくのが、ラブロマンス時代劇「似錦(スージン)~華めく運命~」だ。過去の悲劇を教訓に、自らの知略と度胸で逆境を覆していくヒロインの姿が、痛快な復讐(ふくしゅう)劇とロマンスを織り交ぜながら描かれる。

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婚約破棄から始まる姜似の逆転劇

権力者たちの思惑に翻弄(ほんろう)され、命を落としたヒロイン・姜似(ジャン・スー/演:ジン・ティエン)。目を覚ますと、そこは10年前の世界だった。人生をやり直す機会を得た姜似は、1度目の人生で味わった悲劇を繰り返さないため、早速行動を起こす。最初の目標は、悪辣(あくらつ)な叔母が取り決めた婚約の破棄だ。姜似は法廷に訴えを起こし、自分に有利な証言をしてくれる証人を用意して臨む。しかし、婚約者側も目撃者たちを買収し、証言を覆そうとする。

それでも姜似はひるまない。「どうやら、人を取り込むのも得意なようね」と相手をけん制し、持ち前の知略を駆使して対抗する。1度目の人生では周囲に翻弄されていた彼女が、経験を武器に自らの運命を切り開いていく。婚約破棄を皮切りに、姜似は未来の情報と商才を生かして事業を立ち上げる。香水店の女主人として活躍する一方、自分や大切な家族を傷つけた相手にも立ち向かい、やがて宮廷の権力闘争にも巻き込まれていく。過去を知っているからこそ先回りできる姜似が、次々と危機を乗り越えていく展開も見どころだ。

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過去の悲劇を覆す姜似の知略と情の深さ

姜似が2度目の人生で強くなれたのは、1度目の人生で苦しみや絶望を味わったからこそ。過去の経験があるから、今度は婚約を続けない、理不尽な状況に黙って耐えないと、自分の意思で決断できる。かつての自分を救い、未来を変えようとする姿に、人生をやり直す物語ならではの爽快感が生まれている。さらに姜似は、未来の情報を自分のためだけに使うわけではない。前世で知った出来事を手がかりに家族の確執を解決し、大切な人々に訪れるはずだった不幸も回避しようとする。自らの人生を切り開く強さに加え、周囲の人々の幸せまで願う情の深さも、彼女の魅力だ。

ジン・ティエンが見せる意志の強いまなざしからは、今度こそ違う人生を歩もうとする姜似の決意が伝わってくる。過去の悲劇を知る彼女が一つひとつ選択を変えていくことで、運命がどう変化していくのか。人生やり直しという設定が、姜似の行動力と人間的な成長を際立たせている。

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自分を殺した男に再び惹かれる葛藤

人生をやり直す姜似にとって、恋愛もまた簡単には割り切れない問題だ。1度目の人生で愛し合っていたはずの郁錦(ユー・ジン/演:ジャン・ワンイー)は、実は彼女の命を奪った張本人でもあった。ところが、10年前に戻った姜似が再会した彼は余七(ユー・チー)と名乗っており、自分が将来、姜似を死に追いやることになるとは知る由もない。前世の記憶を持つ姜似は、余七をなかなか信じられない。一方の余七も、姜似にある疑惑を抱いている。互いに胸の内を明かせない二人の関係は、どこか不穏な空気をはらんでいる。

そんな中、象徴的な出来事が起こる。1度目の人生で姜似の命を奪った余七が、今度は彼女を守って負傷するのだ。かつて自分を死に追いやった相手が、今世では身を挺して守ってくれた。その変化に戸惑いながらも、姜似は余七を看病する。頭では距離を置こうとしながら、心では彼に惹かれていく姜似。意識を取り戻した余七に「ただの知人である私を、なぜ助けてくれたの?」と尋ねる場面では、相手を信じたい気持ちと、再び悲劇が訪れることへの恐れが交錯する。

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「麗王別姫~花散る永遠の愛~」でも、愛する人が家族の仇(かたき)かもしれないという疑念に揺れる女性を演じたジン・ティエン。本作では、自分を殺した男と、自分を守ってくれる男が同一人物であるという、転生ならではの葛藤に向き合う。目の前の余七を信じたい思いと、前世の記憶がもたらす不信感。その間で揺れ動く姜似の心情が、物語に奥行きを与えている。一方、ヤン・ズーと「長相思」で共演経験がある余七役のジャン・ワンイーは、姜似の感情をかき乱すミステリアスな相手役として、二人の関係に緊張感をもたらしている。前世とは異なる展開を経て、姜似と余七の間にどのような信頼が育まれ、ロマンスへと発展していくのかも気になるところだ。

ジン・ティエンが演じる、知略と度胸を備えたヒロインの逆転劇。そして、前世の記憶に縛られながらも、再び愛に向き合おうとする姜似の葛藤。「似錦~華めく運命~」は、人生をやり直す痛快さと、先の読めないロマンスを楽しめる時代劇となっている。

文/酒寄美智子