チェンドゥリン(陳都霊)が魅せる芯の強いヒロイン像!「大夢帰離」でホウミンハオ(侯明昊)と妖怪事件に挑む

中国ファンタジー時代劇には、剣を振るい、華麗なアクションで敵に立ち向かうヒロインも多い。そんな中で異彩を放つのが、「大夢帰離~明かせぬ想い、宿命の朱~」のチェン・ドゥリン(陳都霊)演じる文瀟(ぶんしょう)だ。神女の弟子でありながら神力を持たない彼女は、"妖にも正と邪がある"という信念を胸に、妖怪事件の真相を追っていく。

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大妖・朱厭が投降!罪を償うため人間に協力

本作は、「雲之羽 ~揺らめく愛、刹那の二人~」も手掛けた監督による、ダーク&ゴシックな世界観が特徴のファンタジー時代劇だ。人間界と妖族界の秩序を保っていた白沢神女(はくたくしんにょ)が命を落としたことで、妖怪たちが人間界へ押し寄せ、各地で凄惨(せいさん)な事件が相次ぐ。そんな混乱のさなか、大妖として恐れられる朱厭(しゅえん/演:ホウ・ミンハオ)が人間の姿で現れ、趙遠舟(ちょうえんしゅう)と名乗って、妖怪を捕らえる機関・緝妖司(しつようし)に自ら投降する。

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かつて自らを制御できず、多くの人々を殺めた朱厭。罪を償うため、文瀟の参加を条件に、混乱の解決に協力すると申し出る。一方、緝妖司の統領・卓翼宸(たくよくしん/演:ティエン・ジアルイ)は、かつて朱厭に父と兄を殺され、深い恨みを抱いていた。復讐(ふくしゅう)心と使命感の間で葛藤しながらも、緝妖司の再建に向けて朱厭の提案を受け入れ、精鋭部隊を結成する。文瀟のほか、弓の名手・裴思婧(はいしせい/演:チェン・シャオ)、医術に秀でた臆病な少年・白玖(はくきゅう/演:リン・ズーイエ)も加わり、一行は妖怪事件の真相へと迫っていく。

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神力がなくても揺るがない!文瀟の強い信念

主演作「少年春風~The First Generation~」などで知られるホウ・ミンハオ(侯明昊)が演じるのは、3万年を超える寿命と強大な妖力を持つ大妖・朱厭。端正なビジュアルとカリスマ性を生かし、恐れられる存在でありながら、文瀟に振り回される一面も見せている。一方、ヒロインの文瀟は、神女の継承者でありながら、神力を使うための道具「白沢令」を失っているため、神力を受け継ぐことができず、体も弱い。戦闘には向かないという弱点を抱えているが、決して弱いわけではない。彼女の強さは、武力ではなく、自分の信念に従って行動する姿に表れている。

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可憐ではかなげな印象の文瀟だが、妖だからという理由だけで相手を悪と決めつけない。"妖にも正と邪がある"という考えを持ち、時には妖狩りの組織・崇武営(すうぶえい)の目を盗んで妖を逃がすこともある。第1話では、偶然遭遇したウサギの妖を観察し、「妖力は弱い。人をだましたのも善意からだった。罰は免れないけど、殺すほどではない」と判断。人間に害を及ぼす存在ではないと考え、崇武営の追っ手から逃がそうと体を張って守ろうとする。

文瀟は、相手が妖であっても、自分の目で善悪を見極めようとする。守るべきだと判断すれば、危険を承知で行動する。その迷いのなさこそ、彼女の強さだ。チェン・ドゥリンの相手を真っすぐ見据えるまなざしからは、文瀟の揺るがない意志が伝わる。一方、救おうとした妖が討たれると、ふっと目を伏せて悲しむ。信念を曲げない強さと、妖たちの痛みに寄り添う優しさ。その両面が文瀟という人物を印象づける。派手なアクションがなくても、自分の信じるものを守り抜こうとする彼女は、まさに"強いヒロイン"だ。

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大妖・朱厭もタジタジ!文瀟との恋の駆け引き

強大な妖力を持つ大妖・朱厭も、文瀟にはなぜか調子を狂わされる。卓翼宸をはじめとする緝妖司のメンバーには傍若無人に振る舞う朱厭だが、大妖をまったく恐れない文瀟の前では、いつものカリスマも影を潜めてしまう。そのギャップが、二人の掛け合いを楽しいものにしている。朱厭が「私を恐れぬのか」と問いかけると、文瀟は勝ち気な表情で口角を上げ、「恐れる必要が?」と堂々と応じる。そればかりか、妖に効く毒薬を塗った小刀で朱厭の首筋を斬り、「痛いでしょ?」とにっこり。圧倒的な力を持つ朱厭が、文瀟には振り回されてしまうのも面白い。

文瀟を演じるチェン・ドゥリンは、2015年の映画『ひだりみみ』で注目を集め、清純派として活躍してきた。近年は「長月輝伝~愛と救済の輪廻~」で悪事に傾いていく女性の追い詰められた心理を表現。「蓮華楼」では、過去の恋愛を大切にしながらも江湖の道義を重視して生きる女性を演じた。清純な役柄に加え、悪意や反骨心を抱える女性まで演じ、役柄の幅を広げてきた。

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そんなチェン・ドゥリンが演じる文瀟と、ホウ・ミンハオ演じる朱厭の間には、いつしか特別な感情が芽生えていく。文瀟が「私はあなたを治したい。病よ...、そこが」と朱厭のハートを指させば、朱厭は胸を押さえ、「極悪の大妖を治療したいとは、君も病だな、ここが」と、今度は頭を指さして笑い合う。からかい合ったり、皮肉を言い合ったり。特別ロマンチックな場面ではないはずなのに、二人のやりとりからは、互いを意識していることが伝わってくる。

ホウ・ミンハオを筆頭に、「雲之羽」のティエン・ジアルイ(田嘉瑞)、「嘘つきな恋人~Lie to Love~」のチェン・シャオ(陳暁)ら実力派俳優が顔をそろえ、特別出演として中国を代表する女優グーリーナーザー(古力娜扎)、チョン・レイ(丞磊)も登場する本作。ダーク&ゴシックな世界観と、個性豊かな登場人物たちが織りなす物語。その中でひときわ目を引くのが、神力を持たずとも自らの信念を貫く文瀟の姿だ。チェン・ドゥリンが演じる、武力だけでは測れない強さにも注目だ。

文/酒寄美智子