チャオリーイン(趙麗穎)が恋愛不器用な最強ヒロインに!ケニーリン(林更新)と再共演の中国ドラマ「与鳳行」
2026.07.17
最強の女戦神と病弱な青年が囲む、質素な食卓――。魔界や仙界を舞台に壮大な戦いや運命の恋を描くことが多い中国ドラマの人気ジャンル「仙侠(せんきょう)ファンタジー」。そんな中で異彩を放っているのが、チャオ・リーイン(趙麗穎)とケニー・リン(林更新)主演の「与鳳行(よほうこう)」だ。
もちろん仙侠らしい迫力満点の戦闘シーンも見どころだが、本作が多くの視聴者を魅了した理由は、主人公たちが共に食事をし、言葉を交わしながら少しずつ距離を縮めていく穏やかな日常描写にある。複雑な設定や壮大な世界観に身構えがちな人でも入り込みやすい、「日常系仙侠」とも呼びたくなる作品だ。

(C) 2024 New Classics Television
最強ヒロインが初めて見つけた安らぎ
霊界に住む女戦神・沈璃(シェン・リー/演:チャオ・リーイン)は、世界をむしばむ邪悪な気「瘴気(しょうき)」に侵された霊界を救うため、仙界の天君の孫・拂容(フーロン/演:ホー・ユー)との政略結婚を命じられる。しかし、相手が遊び好きの放蕩(ほうとう)息子だと知る沈璃は縁談を拒否し、逃亡を図る。その途中で重傷を負った彼女は鳳凰(ほうおう)のひなの姿となり、人間界へ落下。そこで出会ったのが病弱な青年・行雲(シンユン/演:ケニー・リン)だった。

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鳳凰のひなとなった沈璃を助け、世話を焼く行雲。彼は沈璃が人の姿に戻っても驚くことなく、ただ自然体で接する。権力にも肩書にも左右されず、一人の女性として向き合う彼の優しさに、戦神として生きてきた沈璃は次第に心を開いていく。沈璃は強く気高いヒロインでありながら、どこか抜けていて恋愛には不器用。鳳凰なのにキジと間違えられて食材扱いされそうになるコミカルな場面もあり、その親しみやすさも魅力だ。
一方の行雲は派手な活躍を見せるわけではない。だが、質素な食事を作り、静かな日々を大切にする彼の存在が、沈璃にとって初めての安らぎとなる。世界の命運を背負う戦神が、何気ない日常の尊さを知っていく――。そんな丁寧な人物描写こそが、本作最大の魅力といえる。

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「楚喬伝」ファンが待ち焦がれた再共演
本作が大きな話題を集めた理由の一つが、チャオ・リーインとケニー・リンの再共演だ。二人は2017年の大ヒットドラマ「楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~」で共演。奴隷の身から運命を切り開いていくヒロインと、冷徹な貴公子の切ない愛を演じ、多くの視聴者を魅了した。
しかし、「楚喬伝」の結末は続編を予感させるオープンエンド。いまだ続編が実現していないこともあり、ファンの間では長年"ロス"が続いていた。そんな中で実現した「与鳳行」での再共演は、中国でも大きな注目を集めた。前作では悲恋に終わった二人が、本作ではどのような愛の物語を紡ぐのか。それを見届けることも、本作を楽しむ大きなポイントになっている。

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ヒットメーカーたちが描く「日常系仙侠」
本作の見やすさを支えているのが、実力派スタッフ陣の存在だ。原作と脚本を担当したのは、「蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~」の原作者としても知られる人気作家・九鷺非香(ジウルーフェイシャン)。感情移入しやすいキャラクター造形とテンポの良い会話劇によって、壮大な世界観の中にも親しみやすさを生み出している。
さらに監督を務めたのは、「贅婿[ぜいせい]~ムコ殿は天才策士~」で知られる鄧科(ドン・コー)。コミカルな場面とシリアスな場面の切り替えが巧みで、笑いと感動のバランスが心地よい。そして主演のチャオ・リーインは、本作で初めて統括プロデューサーも担当。制作準備段階から作品に深く関わり、キャラクターや物語づくりに自身の思いを反映させた。その結果生まれたのが、映画級のスケール感を持つ戦闘シーンと、思わず頬が緩むような日常描写が共存する独特の世界観だ。

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仙侠ファンタジーと聞くと、難しい設定や壮大な物語を想像する人もいるかもしれない。しかし「与鳳行」は、そんなイメージを良い意味で裏切ってくれる。最強のヒロインが誰かを愛し、誰かと供に食卓を囲む幸せを知る――。壮大な世界観よりも、まず心温まるロマンスを楽しみたい人にこそオススメしたい作品だ。
文/酒寄美智子




