TVアニメ『ゴールデンカムイ』最終章直前!杉元役・小林親弘×アシㇼパ役・白石晴香が語る8年の絆
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2025.11.28
時は明治末期――。いまだ手付かずの自然が残る北海道を舞台に、アイヌから奪われた莫大(ばくだい)な埋蔵金を巡って繰り広げられる、一獲千金サバイバル・エンターテインメント『ゴールデンカムイ』。日露戦争の英雄にして"不死身の杉元"と呼ばれる杉元佐一と、彼と行動を共にするアイヌの少女アシㇼパを中心に、新撰組「鬼の副長」土方歳三や北の最強部隊・第七師団までもが埋蔵金争奪戦に参戦する。
野田サトルによる同名コミックを原作としたTVアニメは、2018年に放送された第一期から約8年かけて壮大な物語を映像化。そして2026年1月、ついにTVアニメ最終章が放送される。今回、主人公・杉元を演じる小林親弘、アシㇼパ役の白石晴香にインタビューを行い、共に歩んできた二人の絆について語ってもらった。

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

――TVアニメ『ゴールデンカムイ』と歩んできた8年間を振り返ってみていかがでしたか?
小林「物語が終わりに近づいていると思うと、やはり寂しさがありますね。この8年間は、常に『ゴールデンカムイ』が伴走しているような感じでした。どんな時でも、『そろそろ収録があるな』とか、『あのシーンはどう演じようかな』と、台本をいただく前から考えている自分がいたんです。今も『あのセリフ、どう演じるべきだろう』と悩むことがあるくらいで、そんなふうに作品と向き合い続けた8年間だったと思います」
白石「こんなに長く一つの作品に携わるのは初めてで、第一期から最終章までの8年間は、本当に多くの経験をさせていただきました。アシㇼパさんの成長とともに、私自身も少しずつ前進できたことで、その変化を自然に演じられた気がします。終わってしまう寂しさはありますが、『ゴールデンカムイ』と歩んだ時間は、かけがえのない大切な宝物になりました」

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

――劇場で先行上映された「札幌ビール工場編」で、印象に残っているシーンや、アフレコ秘話はありますか?
白石「今回は、普段のTVアニメとは少し違った収録スタイルだったんですが、午前と午後の間に、20種類くらいのお弁当をご用意いただいていて、全世界からお弁当を集めたみたいなラインアップで、すごくテンションが上がりました(笑)。お昼休みにはみんなで話したり、お絵かきゲームをしたり、そうした何気ない時間がチームの団結力をより強めてくれた気がします。本当に楽しい現場でした」

小林「アフレコで一番印象に残っているのは、原作者の野田サトル先生とご一緒できたことですね。以前、スピンオフ小説『ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願』アニメBlu-ray同梱版に収録されたミニエピソード『シマエナガ編』のアフレコにも立ち会われたのを覚えています。今回の『札幌ビール工場編』では、先生が実際にガヤ収録にも参加されていて、エンディングには消防手としてクレジットされているんです。先生は『このカットの絵がいいね』といった一言をよくつぶやかれていて、さすが漫画家さんだなと。
また、前編で全員が顔をそらすシーンのト書きに『プイとなる』とあって、みんなで言うべきか相談していたら、先生が「そこは言った方が面白いと思う」と助言してくださって、アドリブを入れることになったんです。結果、既に収録を終えていた永倉新八役の菅生隆之さんが、別日に『プイ』の一言だけ録りに来られました(笑)。先生のおかげで、あのシーンがさらに面白くなったと思います」

――お二人が初めて会った時のお互いの第一印象と、杉元とアシㇼパとして演技をしていくうちに、お互いに成長したなと思うところはありますか?
小林「初めて会ったのは赤坂のスタジオで、『父と晩酌できるようになったんです』と話していた子だという印象です(笑)。その2年後くらいに、『ゴールデンカムイ』で共演することになって驚きましたね。実際にお芝居をしてみると、とてもみずみずしく、感情を真っすぐに出す方で、笑いのセンスも抜群でした。以来、持ち味を大切にしながらも技巧を磨き続けてきたんだろうなって、背中から成長が伝わってきます。本当に誇らしく、『この子、大きくなったな』という母のような気持ちです(笑)」

白石「初めてお会いした時のことを、今も覚えていてくださっているのは本当にうれしいです。その後、『ゴールデンカムイ』のPV収録で初めて共演したのですが、マイク前に立った瞬間から、杉元がそこにいるようなリアリティがあって。俳優としても活躍する『やっぱり実写の人だ』と感じたのを覚えています。第一期の頃は、憧れとその背中に付いていきたいという思いが強くありました。そんな小林さんとご一緒する中で、マイク前での表現やリアルな感情の引き出し方を自然に学ばせていただきました。
また、『ゴールデンカムイ』以外の現場でもコンビ役を演じる機会があり、お互いの呼吸を確かめなくても、マイク前に立ったら息がぴったり合いました。『絶対に間違いのないツッコミをしてくれる』という信頼があるからこそ、私は思い切りボケられるんです。その安心感が、普段の120%の力を引き出してくれました。この8年間で培ってきたタッグ感、コンビ感は、どんな現場でも発揮できると思います。本当に信頼しかないです」

――TVアニメ『ゴールデンカムイ』最終章を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
小林「アニメから作品を知ってくださった方も、原作をずっと応援してくださっている方も、本当にありがとうございます。皆さんがこの物語を楽しんでくださったからこそ、ここまで続けることができました。物語はいよいよ終盤に差しかかっていますが、私たちキャストも皆さんと同じ気持ちで、この作品を大切に演じています。最後まで一緒に駆け抜けられたらうれしいです。楽しみに待っていてください!」
白石「ここまで走り続けてこられたのは、応援してくださる皆さんのおかげです。アニメ版『ゴールデンカムイ』もいよいよ最終章なので、一緒に最後まで盛り上げていきましょう! 引き続き応援よろしくお願いします」
文/中村実香 撮影/永田正雄














