これだけは見てほしい!大人も泣ける『映画クレヨンしんちゃん』おすすめ5選
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2025.07.27
「幼稚園児が主人公」「お下劣ギャグてんこもり」ということもあり、1990年の原作コミック連載や92年のTVアニメ放送スタート以来、キッズ向けタイトルという認識がされていた「クレヨンしんちゃん」シリーズ。しかし、2001年公開の劇場版第9作『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』で描かれた、ノスタルジックな設定と親子愛をフィーチャーした感動ストーリーが幅広い層に届き、大ブレーク。原作まんが35周年を迎える今年も、8月に劇場版第32作『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』の公開が決定しているなど、その人気は留まることを知らない。今回は、劇場版31作品の中から、大人が見ても泣ける5作品をセレクトして紹介する。
■『映画クレヨンしんちゃん』ブームの始まり!不朽の名作『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2001
2001年公開の劇場版第9作目は、20世紀の街並みなどを完全再現したテーマパーク「20世紀博」に、ひろし&みさえをはじめとする大人たちが、子どもを放置して夢中に。風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃん、そしてしんのすけで構成される「カスカベ防衛隊」の面々は、「20世紀博」の創立者で「イエスタディ・ワンスモア」のリーダー、ケン&チャコから、大切な家族を取り戻すために奮闘する。大人のノスタルジーを喚起する「20世紀博」という設定や、何度転んでも立ち上がり、ボロボロになりながらもケン&チャコの野望を止めようとするしんのすけのひたむきさに感動し、号泣する大人が続出。脚本・絵コンテも手掛けた原恵一監督の才能に多くの人が揺さぶられた傑作だ。
■のちに実写映画化もされた、シリーズ最高傑作と名高い『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2002
社会現象を巻き起こした前作『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』に続き、原恵一監督が脚本も手掛けた、2002年公開のシリーズ第10作。ある夜見た夢の中で、美しい姫と出会ったしんのすけ。気づくと、戦国時代にタイムスリップしていた彼は偶然、命を落とすはずだった侍・井尻又兵衛由俊を救い、歴史を変えてしまう。その上、夢の中で出会った姫・廉とも出会ったしんのすけは、又兵衛と廉姫が互いに想い合っていることを知り、二人の仲を取り持とうとするが......。本作を原案として草彅剛、新垣結衣主演作『BALLAD 名もなき恋のうた』も製作された、涙と感動の時代劇。時空や年齢など、あらゆるものを超えて絆を育んだ、しんのすけと又兵衛の別れのシーンは、涙が止まらなくなること必至。
■父・ひろしが大活躍! 父の大きく深い愛が胸を打つ『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』
『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014
2014年公開の劇場版シリーズ第22作は、初めて父・ひろしをフィーチャーした作品。脚本を、かつて原作者・臼井儀人の担当編集や、『ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』などの劇場版シリーズのプロデューサーも務めた中島かずきが担当したことでも話題に。ある日、ぎっくり腰を治そうとマッサージ店に足を踏み入れたひろし。目覚めるとロボットに改造されていた彼は、自分の変化を受け入れ、ロボットとして生きるが、追加パーツのヒゲを付けたことでガンコ親父へと変貌してしまう......。ひろしの人格をコピーされたロボットと、本物の父親のように彼を慕うしんのすけとの交流、そして彼らの別れに胸が熱くなるはず。
■みさえとひろしの夫婦愛に焦点を当てた『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』
『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
2019年に公開されたシリーズ第27作は、新婚旅行をテーマに、みさえとひろしの夫婦愛を描く。今さらながら新婚旅行に行ったことがないと気づいたひろしとみさえは、家族揃って50年に一度の天体ショー・金環日食が観測できるオーストラリアへ。最後の秘境と言われる「グレートババァブリーフ島」を訪れた一家だったが、突然ひろしが行方不明に。必死に捜索したしんのすけたちが発見したのは、仮面族の村で花婿役にさせられたひろしだった。妻子を守るために、彼らを冷たく突き放すひろしの愛や、夫を奪われた悲しみや怒りを子どもたちに聞かせることなく自分ひとりで消化し、明るい母でいつづけるみさえの強さに、感動させられるはず。ひろし&みさえが、どんな風に家族になっていったのかを描くシーンにも注目を。
■しんのすけ兄ちゃんと妹ひまわりの絆を描く『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2012
ある日、楽しみにしていたプリンの大半を妹のひまわりに食べられてしまったしんのすけ。両親から「お兄ちゃんなんだから」と、たしなめられたしんのすけは、「ひまわりなんかいらない」と怒りを爆発させる。そんな中で、ひまわりが、実は地球と、その正反対にある兄弟星・ヒマワリ星の危機を救う伝説のお姫様だと判明する。2012年公開の第20作目は宇宙を舞台に、兄妹の絆が試される物語が展開。兄をやめたいと言い放っていたしんのすけが、「お兄ちゃんのところへ来い!」と妹を救う場面では、ハンカチの用意を忘れずに。
この他にも、大人だからこそ感動する名場面が用意された作品が多数揃った劇場版シリーズ。この夏、ぜひ「映画クレヨンしんちゃん」で、心のデトックスにトライしてみては。
文/中村実香