ぺえ人生初の始球式に密着!イベント裏話と試合の感想も熱弁【ぺえ連載第7回】

ぺえ

ぺえ (タレント)

タレント。小学生からバレーボールを始め、中学時代に山形県選抜になった経験を持つ。バレーボールを愛してやまないぺえが、独自の視点でバレーボールの魅力を熱く深く伝える。

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タレント。小学生からバレーボールを始め、中学時代に山形県選抜になった経験を持つ。バレーボールを愛してやまないぺえが、独自の視点でバレーボールの魅力を熱く深く伝える。

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ぺえ人生初の始球式に密着!イベント裏話と試合の感想も熱弁【ぺえ連載第7回】

バレーボールをこよなく愛するタレント・ぺえによるバレーボール連載企画。今回は、ぺえが3月30日に埼玉・上尾市民体育館で行われた大同生命SV.LEAGUE WOMEN レギュラーシーズン第21節 埼玉上尾メディックスホームゲーム(対大阪マーヴェラス)の始球式とセット間イベントに出演した様子に密着。人生初となる始球式の感想やイベントの裏話、さらにファンと共に観戦した試合の感想を語ってくれた。

始球式当日、控室で出番を待つぺえに心境を尋ねると「このような大舞台で始球式をやらせていただけるというのは、"高揚"と"不安"がきれいに半々を占めています(笑)」と述懐しつつ、「学生時代は、どんなに観客が多くてもこれほど緊張はしなかったので『よく緊張もせずにプレーできていたな』と変に感心してしまっています。大人になったぶん、人の目の怖さを知ってしまったのですかね。ちょっと耐えられない...!(笑)でも、この逆境も楽しめるように頑張ります」と意気込みを明かした。

さらに、ボールに触れる機会について聞くと「最近、狩野舞子さんに誘っていただいて、迫田さおりさんたちと一緒に、月一で体育館をお借りして(バレーボールを)やらせていただいているので、そこまで久しぶりではないんですよ。先ほどサブコートで練習させていただいた時も問題はなかったのですが、やはり選手の皆さんが命を削って真剣勝負を繰り広げられるコートという戦場に立たせていただいてサーブをするというのは...(不安)。コートには魔物がすんでいますから、いつも通りではなく、いつもよりしっかり気を引き締めて、会場が盛り下がらないサーブが打てたらと思います」と告白。

時間となり、緊張した面持ちで会場入りしたぺえだったが、拍手と声援で温かく迎えてくれたファンのおかげで緊張もほぐれたようで、始球式では見事、相手コートに勢いのあるサーブを打ち込み、試合の幕開けを飾った。

始球式後、ぺえは「『とにかくミートして、相手コートにいいサーブを打って、会場の雰囲気を盛り上げられたら!』という一心で打ちました。埼玉上尾メディックスの選手の皆さんが盛り上げ上手で、ファンの皆さんと一緒に温かい空気をつくってくださったので、そのおかげで緊張することなくリラックスして打てました」とホッと胸をなで下ろした。

また、第2セットと第3セットの間のハーフタイム中に行われたセット間イベントでは、ぺえが埼玉上尾メディックスのOGとバレーボールで対決することに。ぺえ、榛澤舞子、竹田江里、関舞による「ぺえチーム」と、内瀬戸真実、山崎のの花、荒木夕貴による「メディックスOGチーム」が、7点ゲーム1セットマッチでしのぎを削った。

ぺえのサーブで始まったエキシビションマッチ。榛澤らと息を合わせて奮闘するぺえが相手のスパイクをレシーブで拾い、チームメイトのトスを打ち込み得点する場面もあったが、パワー満点のスパイクやドライブサーブなどを繰り出す内瀬戸ら「メディックスOGチーム」の本気モードに押し切られた結果となった。だが、お遊びではなく本気モードの対戦に、観客たちも大いに沸いた。

イベント後、ぺえは「私も一バレーボールファンとして『バレーボールを愛している皆さんが、セット間に何を見られたら一番うれしいかな』と考えた時に、私がただ話すようなトークイベントではなく、埼玉上尾のOGの方々がコートでプレーする姿を見られたらファンの方は喜んでくださるんじゃないかと思い『OGの方々と一緒にバレーボールできないか』と提案させていただいたんです。急きょのお願いにも関わらず、内瀬戸さんが対応してくださり、実現することができました」と裏話を披露してくれた。

そして、「せっかくOGの方々のプレーが見られるなら、会場に足を運んでくださったファンの皆さんは目も肥えてらっしゃるでしょうし『お遊び半分のただ弱いボールを打ち合うというのではなく、本気で打って来てください』ってお願いはしたんですけど、予想以上にとんでもないスパイクを打ってきて...!さすがにOGなので、あそこまで本気モードで打ってくるなんて思いませんでした(苦笑)。すばらしいドライブ回転のかかった重たいスパイクを、私を目がけて打ってきてくださって本当に光栄でした」と吐露。

ほか、「あと、私のわがままで『内瀬戸さんのドライブサーブをもう一度見たい』とお願いしたら、しっかり応えてくださったんです。内瀬戸さんといえばドライブサーブの印象が強く、個人的にも久しぶりに見たかったですし、上尾のファンの皆さんも現役さながらのサーブに喜んでくれたと思います」とコメントした。

試合は、埼玉上尾メディックスが第1セットを18対25、第2セットを20対25と連続でセットを落とし、第3セットでは25対16で取って一矢報いるも、第4セットを22対25で失い、セットカウント1対3で敗北。勝利した大阪マーヴェラスは、シーズン4試合を残してレギュラーシーズン優勝を果たした。ぺえもファンと一緒に、時に手をたたき、時に大声で声援を送りながら観戦。コートの上を躍動する選手たちに、熱いエールを送っていた。

試合直後、ぺえに試合の感想を語ってもらった。

■大阪マーヴェラス

全体を通して、大阪マーヴェラスの安定感には驚かされました。とにかく、林琴奈選手と田中瑞稀選手のサーブレシーブが、どれだけ狙われていても全く崩れない!これは本当にチームの強みだなと痛切に思いました。

そして、この長きにわたるリーグを戦ってきたとは思えないタフさと集中力があって、「今日が初戦なのか?」と見間違えるほど。どれだけ劣勢な局面でも常に冷静に、しっかりと1本目を上げていて、攻撃参加のスピードも群を抜いています。「あの2選手がいると、おいそれと得点を許してはくれないな」と感じる圧巻のプレーを見せてくれました。おそらく、埼玉上尾メディックスは、この2選手にサーブを集めて攻撃参加を遅らせようという作戦だったのかなと思うのですが、それを実現するにはかなり強いサーブが必要で、なかなか思うような展開に持ち込めなかったのではないでしょうか。

優勝が懸かった試合ということで、選手たちはもちろん気合が入っていたと思うのですが、その気合に振り回されることなく「いつも通り」を意識してプレーしていたように感じました。「一人ひとりが、それぞれのやるべきことを全うしていこう」という姿勢で試合に臨んでいたからこそ、入れ込み過ぎて空回ったり浮足立ったりすることもなく、全員が落ち着いてプレーできていたように思います。

中盤以降、得点源のリセ・ファンヘッケ選手が抜けた場合でも、宮部愛芽世選手がいるという選手層の厚さもポイント。宮部選手はサーブもスパイクも安定感があり、大学時代よりも一層キレが増していて攻撃力が上がっています。

ミドルブロッカーの蓑輪幸選手と大山遼選手の献身性もあっぱれでした。攻撃参加で全くサボらないんです。どんな長いラリーでも、必ずクイックに入ったり、ライトに回ったりと、この真ん中の2選手が常に攻撃参加を考えているところも、大阪MVの強みですね。大山選手は、クイックのスピードもあるし、クロスとストレートもしっかり打ちこなす技術もあって、今回、生で拝見して「日本代表としてもすごく楽しみな存在になるんじゃないかな」と改めて感じました。一方、蓑輪選手はブロックが本当に良かったです。高いだけでなく、コースの読みと位置取りが的確だから、相手スパイクがブロックを抜けても、後ろに必ずレシーバーが控えることができる。そして、そのレシーバーがリベロ並みの林選手と田中選手なのだから、それは盤石ですよね。

この前後の連携には本当に目を見張るものがありました。リーグの序盤は、ここまでチームとしての完成度は高くなかったのですが、シーズンを戦っていくにつれ、しっかりと団結力とプレーの質を高めて、本当にチームとして大きな成長を遂げていて、優勝も納得です。

■埼玉上尾メディックス

埼玉上尾メディックスは、ディフェンスが良かったですね。外国籍選手も多くて、どちらかというと攻撃力が特徴として挙げられるチームなのですが、リベロの山岸あかね選手も安定感がありましたし、セッターの岩崎こよみ選手のレシーブも良かった。でも、レシーブがしっかり上がっているからこそ、攻撃面で決定打に欠けていたことが悔やまれますね。大阪MVに比べて、ブロックにかかったりワンタッチを取られたりするケースが散見されました。

そんな中で、浜松明日香選手のブロードが好印象でした。幅があって、アンテナぎりぎりまでいいリズムで飛んで、横の動きで翻弄してブロックアウトを狙うなど、チームの得点に貢献していました。あと、第4セットの一コマなのですが、佐藤優花選手が中に切り込んで時間差で打つというコンビネーションプレーを仕掛けた場面があって、そういったコンビを序盤から見せられていたら、もう少し相手を崩すことができたかなと。

現在、黒後愛選手がけがで離脱してしまい、チームとして万全ではないという苦しい状況なので、岩崎選手の負担が多いところがあるのかもしれません。というのも、岩崎選手がトスを上げる直前に迷ってしまったのか、コンビネーションが合わない場面がありました。組み立てという部分で苦労しているように感じました。チームの状態として不安要素がある中で、岩崎選手が一人になりがちで、彼女の"全てを背負っている感じ"が見ていて苦しかったです。

埼玉上尾はセッターが組み立てていくスタイルなので、どうしてもセッター任せになりがちなのですが、任せきりにするのではなく、周りが声をかけたりプレーで岩崎選手の負担を少しでも減らしてあげることができれば、彼女ももっと伸び伸びと思い切りのいいトスが上げられるのではないでしょうか。

攻撃面においては、アタッカーにもう少しガツガツ行ってほしいのと、バックアタックがほしいですね。バックアタックが入ることで、攻撃として一つのバリエーションになるのはもちろん、相手を翻弄する一手にもなりますから。必ず決めなければいけないというわけではなく、決まらなくても1本入れて相手を崩して、チャンスボールをもらうとか、コンビネーションのアクセントとしての使い方もありますよね。バックアタックが入ることで、相手のディフェンスは選択肢が増えることになりますし、大阪MVも真ん中からのバックアタックは大きな武器になっていましたから。逆に、バックアタックなしで大阪MVにここまで食らい付いていたのがすごいです!だからこそ、バックアタックがあれば、もっといい展開が望めたかもしれません。チャンピオンシップが控えているので、まだ全ての手の内を明かしていないのかもしれませんが、やはり勝ってほしかったので、つい熱くなってしまいました(笑)。

※浜松明日香の「浜」は正しくは「まゆ浜」


取材・文/原田健

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