学生スポーツの魅力に迫る!「ウインターカップ」「花園」など注目大会と視聴データから見るトレンド【J:COM視聴データ分析】
スポーツ 生中継
2024.12.13
未来のスター選手たちが熱い戦いを繰り広げる学生スポーツ。高校生から大学生まで、彼らの青春と情熱が詰まった舞台を、J:COMではさまざまな大会を通じて放送している。今回は、注目の学生スポーツ大会を取り上げるとともに、J:COMの視聴データを基に、世代や家族構成ごとの視聴傾向を探る。
未来のスターが躍動する学生スポーツの熱戦舞台
学生スポーツの中でも、バスケットボール、バレーボール、ラグビーの冬の注目大会として、高校バスケの「全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)」や大学バスケの「全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)」、大学バレーの「スーパーカレッジバレー」、そしてラグビーの「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」と「全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)」が挙げられる。「ウインターカップ」は全国の高校生バスケットボールチームが一発勝負で日本一を争う大会で、八村塁や河村勇輝などの多くのスター選手を輩出してきた。一方、「インカレ」は戦術性や完成度の高いプレーが魅力で、プロや日本代表への登竜門として注目されている。大学バレー最高峰の「スーパーカレッジバレー」では、全国の強豪チームが競い合い、選手たちの成長がプロリーグへの架け橋となっている。そして、ラグビーの「花園」と「全国大学選手権」では、若き選手たちが力強いプレーとチームワークを発揮し、観客を魅了してきた。これらの大会はいずれも、未来のスター選手が輝きを放つ舞台であり、日本のスポーツ界にとって欠かせない存在だ。
視聴データから見る学生スポーツの支持層
バスケットボールやバレーボール、ラグビーの大会では、プロ野球と比較すると、いずれも20代以下や30代の若年層の視聴割合が低い。ただし、バスケットボールはラグビーやバレーボールに比べて20~30代の視聴割合がやや高い傾向が見られる。一方、60代以上ではプロ野球に匹敵するか、それを上回る視聴割合を示す。また、ラグビー全国大学選手権など、一部の大会は高齢層での視聴割合が際立っている。このことから、プロ野球が幅広い年齢層に支持される一方、他のスポーツは年齢層による視聴割合の偏りが少しだけ見られる。さらに、バスケットボールはプロ・学生ともに40代の視聴割合が高い(図1)。
図1:プロ野球と比較した視聴世帯の契約者年代構成比のリフト値
スポーツ人気を支える家族世帯と世代別の視聴傾向
学生のラグビー、バレーボールは全体的にプロ野球と比較して視聴割合が低い傾向にある一方、バスケットボールの学生大会では、「小学生以下の子どもがいる世帯」や「中高生のいる世帯」の視聴割合が高く、若年層を含む家族世帯での視聴が目立つ。(図2)背景には、1990年代にあったバスケブームが影響している可能性がある。当時、マイケル・ジョーダンの活躍や「スラムダンク」の人気に触れた世代が、現在では親となり、自分の子供と一緒に試合を楽しむ文化を作り上げていると考えられる。また、プロのバレーボールは50歳以上の単身女性および単身男性の視聴割合が高い。(図2)この世代は、1964年の東京オリンピックで「東洋の魔女」が話題となり、その後アニメ「アタックNo.1」などの影響もあり、1980年代にもバレーブームが続いたこともあり、バレーボールに特別な思い入れをもち育った世代であることの影響がうかがえる。そのほか、各競技のブームに影響を及ぼした可能性のある作品として、アニメ「アタックNo.1」や「スラムダンク」、ドラマ「スクールウォーズ」などが挙げられる。
図2:プロ野球と比較した視聴世帯の世帯属性構成比のリフト値
学生スポーツが持つ世代を超えた魅力
今回の分析から、競技ごとに特徴的な違いが見られる。たとえば、バスケットボールは「子どものいる世帯」での視聴が目立ち、バレーボールは50歳以上やシニア層の視聴割合が高い。ラグビーでは60代の視聴が顕著であることが特徴的だ。また、家庭やシニア層を中心に支持を得ており、親子や世代間でのスポーツ観戦の楽しさが広がっていることが、J:COM視聴データからも読み取れる。2024年も未来のスター選手たちが繰り広げる熱い戦いを、J:COMで存分に楽しんでほしい。
※分析の調査対象範囲 J:COM LINK加入世帯を対象。J SPORTSで2023年に放送された該当する大会・リーグのリアルタイム視聴データを対象(バレーボールのみプロ試合の2024年放送分比較対象)
文/菅陽子