ついにSVリーグ開幕!「黒後愛選手が楽しそうにバレーボールをしていることが何よりもうれしい」【ぺえ連載第2回】
スポーツ 生中継連載コラム
2024.11.19
ぺえ (タレント)
タレント。小学生からバレーボールを始め、中学時代に山形県選抜になった経験を持つ。バレーボールを愛してやまないぺえが、独自の視点でバレーボールの魅力を熱く深く伝える。
ぺえ (タレント)
タレント。小学生からバレーボールを始め、中学時代に山形県選抜になった経験を持つ。バレーボールを愛してやまないぺえが、独自の視点でバレーボールの魅力を熱く深く伝える。
バレーボールをこよなく愛するタレント・ぺえによるバレーボール連載企画。今回は、2024年10月に1st シーズンが開幕したバレーボールの新1部リーグ「大同生命SV.LEAGUE」の開幕戦から各チームをウォッチしたぺえが、独自の視点で注目チーム&選手をピックアップしてくれた。
■NECレッドロケッツ川崎
筑波大学を卒業して間もない22歳の新人・佐藤淑乃選手がのびのびプレーしていることで、すごくチームに勢いが出て、いい方向に動き始めたなという感覚がありました。佐藤選手のサーブは、高い打点から重い打球で取りにくいだろうなと思います。サーブミスも少なくて安定していますね。今後はもっと速いバックアタックをラリー中に見たいです。
そして、その若さの勢いに負けじと、チーム最年長のベテラン・島村春世選手が活躍を見せてくれる感じがすごくたくましいし、心強いなと感じます。ブロックに跳んでからの攻撃参加が速いんですよ。幅のある攻撃が相手にとっては厄介なので、今後の活躍に期待したいです。そして、セッターの中川つかさ選手もすごく成長しているなという感覚がありました。勝負どころでも的確なトスが上がるようになってきたなっていうたくましさを感じましたね。
チームとしては、古賀紗理那さんと小島満菜美選手が抜けてしまったので、プレー中やタイムアウト時に声を掛けてくれる選手が必要だと感じました。
■埼玉上尾メディックス
個人的に、1stシーズンの優勝候補だと思っています。何よりもすごくメリハリのあるチームに仕上がってるなって思っていて。チームを楽しく盛り上げるところでは盛り上げつつ、締めるところではしっかり厳しい空気でやってるなっていう印象がすごくあって。そこのメリハリがいいな、と感じています。
選手では、コース読みとボールコントロールが良いリベロの岩澤実育選手の活躍が光っていますよね。彼女が1本目をレシーブすると、攻撃のテンポが良くなるんですよ。流れのある、テンポの良いレシーブがとてもいいなと思います。セッターの鎌田咲希選手も、選手が決めやすいタイミングでボールを振っている気がして良かったです。そして今年、SAGA久光スプリングスから移籍してきた浜松明日香選手もすごくチームになじんでいる上に、「新天地で頑張ろう!」という強い想いが感じられるんですよね。浜松選手が加入したことで、チームがすごくいきいきとしているというか活気にあふれているんですよ。そう言えば、鎌田選手と浜松選手は、誠英高等学校でチームメイトだったんですよね。浜松選手にのびのびプレーしてもらうために、鎌田選手の起用が増えているのかもしれません。
何よりも、とにかく黒後愛選手が楽しそうにバレーボールをプレーしていることが、私の喜びです。もちろん結果も残さないといけないっていう気持ちも、選手なのであると思うんですけど、そんなことよりも黒後選手には、とにかくバレーボールを心から楽しんで欲しいです。去年のリーグから、楽しみながらも新しいことを常に追い求めてるんだろうなと思います。今年は、特にいろんな攻撃に参加してみようという前向きな気持ちがすごく見えて。黒後選手が決めると、すごくチームが盛り上がるので、やっぱり今年の上尾は黒後選手と浜松選手が鍵を握ってるのかなっていうのは感じますね。そして、佐藤優花選手の安定感もさすがです。コース打ち、ブロックアウトの精度が高く、安心感・安定感がある。目黒安希選手も、攻撃のパターンが多く、彼女が相手ブロックを上手く揺さぶっているなと思います。山岸あかね選手が今年引退するということで、彼女のラストイヤーを優勝で飾るんだという強い気持ちをチーム全体から感じます。
■東レアローズ滋賀
2018年から海外でプレーしていた田代佳奈美選手が東レアローズに帰ってきました。若い選手が引っぱられ、すごく成長している印象があります。攻撃のテンポの良さと、アタッカーをのせる使い方はさすがです。トヨタ車体(現・クインシーズ刈谷)から移籍してきた大川愛海選手は、試合中にフェイクセットにも挑戦し、完成度も高い。バレーボールを楽しみながらいろいろなことに挑戦しつづけてほしいです。下北沢成徳高校出身の谷島里咲選手と古川愛梨選手が、気持ちを前面に出した熱いプレーを真っ向勝負で見せてくれるのが、すごくすがすがしいです。ベテランと若さの融合と、シルビア・チネロ・ヌワカロール選手の爆発力が加わり台風の目になることを期待しています。1戦1戦強くなっている印象なので中盤以降に期待しています。
■Astemoリヴァーレ茨城
全バレーボールファンに愛されていた、"おじさん応援団"が恋しいです......。
選手としては、上坂瑠子選手がすごくノッています。スパイクの決定率も高いですし、サーブレシーブも安定してきていますね。新加入のブリオンヌ・バトラー選手も、力技でねじ伏せてくるような選手を久しぶりに見たいなと思っていたので、すごく好き。ゴージャスなビジュアルもお気に入りです。個人的にオクム大庭冬美ハウィ選手に期待しています。最高到達点314cmの高さとパワーに安定感という磨きをかけて日本代表を目指して欲しい選手です。
■岡山シーガルズ
小松原凜香選手がチームのキーパーソンになると思います。岡山では珍しく、バックアタックも打ちますし、巧くてパワフル。
■SAGA久光スプリングス
リベロ西村弥菜美選手が積極的に声を出しチームをまとめてくれている印象です。外国人選手2人に頼りすぎないバレーボールを展開できるかが勝負の鍵を握るのではないかと思います。また、中島咲愛選手の活躍に引っ張られるように、若い北窓絢音選手、深澤めぐみ選手、吉武美佳選手が活躍をしてくれているのでこれからさらに楽しみです。ここぞという時にチームを勢いづけてくれる長岡望悠選手が貴重な役割をしてくれています。
■ジェイテクトSTINGS愛知
VC長野トライデンツとの試合で負けたことがすごくいい材料になると思っています。その試合後に、関田誠大選手と高橋健太郎選手がずっと真剣に話し合っている姿があって、負けをいい材料にできる選手が揃っているので、今後、より締まりのあるチームになってくるんじゃないかなって思います。宮浦健人選手のひたむきなプレーに心を奪われ、すごく応援したくなります。新加入の選手も多いので、試合を重ねていく中でチームとしてまとまっていくのかが楽しみな感じですね。
■ウルフドッグス名古屋
すごくワクワクするチームです。個人的に水町泰杜選手に、すごくスター性を感じていて。フェイクセットもできるポテンシャルの塊で、彼が決めた後の余韻って、会場を支配するような感じがするんです。奇想天外なプレーもするけれど、バランスが本当に取れた選手なので、推していきたい! そして、ベテランリベロの渡辺俊介選手も、いろんなチームを渡り歩いた経験値を活かした活躍に期待したいです。
■大阪ブルテオン
もう、普通のことを言うようで私も嫌なのですが、西田有志選手が良すぎて。他の選手よりももう一段階上の次元にいる気がします。西田選手のすごいところは、メンタルのコントロールが上手なところです。ものすごく熱い選手ですが、冷静にならなきゃいけない部分では、熱くなりすぎる自分を抑えながら、冷静にブロックアウトを取ったり、コースを狙った打ち方とか、勝負どころではそういう上手さを見せます。感情とボールのコントロールがすごいです。調子の波がほとんどなく、サーブミスも少ない印象です。古賀紗理那さんと結婚したいい影響なのか、彼の中でゾーンに入るタイミングだったのか分かりませんが、とても調子が良さそうです。あと、リベロの山本智大選手もいいですね。一日だけ山本選手の目になってバレーしてみたいって思うくらい、彼には本当に何が見えているんだろうって思うほどにコースの読み方が異次元。"レベチ"とはこのことだと思います。そして、アメリカ代表のジェスキー トーマス選手も穴がなくて、怖いなって感じがします。
■サントリーサンバーズ大阪
守備に課題がある気がします。十分な攻撃力はあるので、最後のパーツは守備面ですね。今、日本男子バレーのレベルが上がっていて、ドミトリー ムセルスキー選手はかつて、無敵なイメージがありましたが、今では簡単に決まらないし、止められるような世界になっていますから。
■SVリーグ全体
スーツやジャケットスタイルの監督が増えてきたので、キュンとしているバレーボールファンも多いんじゃないかなと思っています。中でもNECレッドロケッツ川崎の金子隆行監督や、東レアローズ滋賀の越谷章監督のジャケット姿はすごく素敵でした。
長年、日本のバレーボールを応援しているファンの方はもちろん、新リーグ始動を機にバレーボールに興味を持たれた方も、これからのSVリーグにぜひ注目してほしいです。
※浜松明日香の「浜」は正しくは「まゆ浜」、高橋健太郎の「高」は正しくは「はしご高」
取材・文/中村実香 撮影/皆藤健治