2024年プロ野球クライマックスシリーズが開幕!各チームのキーマンは誰?
2024.10.11
セ・パ両リーグのレギュラーシーズン上位3チームが日本シリーズの出場権を争う、プロ野球クライマックスシリーズ(以下、CS)。セ・パともに10月12日(土)からファーストステージがスタートする。セ・リーグは2位の阪神と3位の横浜DeNAが、パ・リーグは2位の日本ハムと3位のロッテが激突。それぞれ先に2勝したチームが、リーグ優勝チームの巨人(セ・リーグ)、ソフトバンク(パ・リーグ)とファイナルステージを戦う。ファイナルステージは10月16日(水)開幕。6試合なので4勝しなければならないが、1位チームには1勝のアドバンテージがあり、巨人とソフトバンクは3勝した時点で日本シリーズ進出となる。この記事では各チームのキーマンを挙げながら、シリーズの展開を予想していく。
【セ・リーグ】投手力の阪神と重量打線の横浜DeNAが激突!ファーストステージのポイントは初戦にあり
阪神と横浜DeNAによるファーストステージは、2022年以来3年ぶり4度目。通算成績は阪神の5勝4敗と拮抗しており、今シーズンの対戦成績も阪神の13勝11敗1分とほぼ互角だ。しかし、チームカラーは実は真逆。阪神は才木浩人、村上頌樹、大竹耕太郎、高橋遥人(「高」ははしごだか)ら、安定した先発陣を軸にした"守り勝つ"チーム。対する横浜DeNAはオースティン、牧秀悟、宮崎敏郎(「崎」は立つさき)、佐野恵太ら重量打線を擁する"打ち勝つ"チームとなっている。
投手陣がしっかりしている阪神の課題は得点力。キーマンとなるのは大山悠輔と佐藤輝明だろう。二人の前に出塁率の高い近本光司、つなぎができる森下翔太がいることで得点圏にランナーを置いた状態で大山、佐藤に打席を回せる機会が増える。ここで打てるか打てないかで戦況は大きく変わる。得点力が上がれば勝率は格段に上がるだろう。
横浜DeNAのキーマンはエースの東克樹。横浜DeNAの先発は東とジャクソンは確定だが、第3戦までもつれた時に不安がよぎる。先に2勝という超短期決戦では初戦を取れるかが大きなカギとなる。第1戦で先発が予想される東で試合を落とすわけにはいかない。また初戦の勝利はチームを勢いづかせることにもつながる。今季32試合連続クオリティー・スタート(6回を3失点)を記録した東の活躍に期待したい。
【セ・リーグ】戦力充実!若手とベテランがかみ合った巨人がチャレンジャーを待ち受ける
ファイナルステージから登場する巨人は、今季最多勝&最高勝率の菅野智之、3年連続2桁勝利を継続中の戸郷翔征をはじめ、グリフィン、井上温大、山崎伊織(「崎」は立つさき)と盤石の投手陣が自慢。攻撃面では門脇誠や浅野翔吾ら成長著しい若手と、丸佳浩や坂本勇人ら経験豊富なベテランとのバランスが絶妙だ。中堅となった岡本和真も27本塁打、83打点と、ともにヤクルト村上宗隆に次ぐリーグ2位と頼もしい。キーマンは必然的に岡本和真になるだろう。打つべき人が打つ。当たり前のことだが、普段通りの野球ができれば、巨人の勝率は一層高くなるはずだ。
【パ・リーグ】日本ハムvsロッテ、データでは圧倒的に日本ハムが有利
ファーストステージでぶつかるのは日本ハムとロッテ。日本ハムは2018年以来、6年ぶりのCS進出。楽天の追い上げを振り切ったロッテは2年連続のCS進出となった。日本ハムの新庄剛志監督は「野球を楽しもう」をモットーにしており、選手たちがのびのびとプレーしている姿が印象的だ。一度勢いに乗ったら、そのまま日本シリーズまで制してしまうのではないかと思わせる魅力がある。ロッテは投打ともに平均的にまとまった好チームという印象だが、今シーズンは苦手チームと得意チームとがはっきりと出てしまった。特に日本ハムとの相性が悪く、今シーズンの対戦成績は6勝18敗1分。山崎福也(「崎」は立つさき)には2度の先発で防御率0.59に抑えられてしまった。ロッテにとっては分の悪いデータだが、短期決戦では何が起こるかわからない。しっかり分析し、準備を急ぎたい。
【パ・リーグ】日本ハムのキーマンは覚醒した清宮幸太郎、ロッテのキーマンは"ゲームチェンジャー"佐々木朗希
伸び盛りの選手が多い日本ハムでキーマンを絞るのは難しいが、ここは7年目の清宮幸太郎を挙げたい。ポテンシャルは誰もが認めながら伸び悩んでいた清宮が覚醒したのが7月。17試合で打率.383、3本塁打を放つと、8月は25試合に出場し打率.320、7本塁打と、チームをけん引した。対ロッテ戦でも打率.370と打ちまくっており、CSでの活躍が期待される。
ロッテのキーマンは初の2桁勝利(10勝)を挙げた佐々木朗希。本来の力を出して圧倒的な投球ができれば、嫌なデータを吹き飛ばしシリーズの流れを呼び込めるはず。初戦の先発は今季12勝10敗の小島和哉が濃厚だが、佐々木を初戦に登板させるのもありだろう。ゲームチェンジャーとしての役割を期待したい。
【パ・リーグ】圧倒的な戦力を誇るソフトバンクに「万が一」があるとすれば?
ソフトバンクは今シーズン91勝を挙げ、ぶっちぎりで優勝。キーマンは投手ではモイネロ、有原航平、オスナ、打者では山川穂高、柳田悠岐、周東佑京と枚挙にいとまがない。シーズン途中で柳田や近藤健介ら中心選手がケガで離脱しても川瀬晃、正木智也、柳町達、佐藤直樹ら穴を埋める選手が必ず出てくる。選手層の厚さをあらためて感じさせられた。ここまで強いと死角らしい死角が見当たらない。何かが起こるとしたら、先に書いた日本ハムの存在か。今シーズンの直接対決は12勝12敗1分と互角だが、実はシーズン終盤に日本ハムに7連敗を喫している。何をやってくるかわからない"新庄野球"が勢いをもって襲来したら、"万が一"があるかもしれない。
文/エンターバンク