市原隼人が武田玲奈の復帰に感動!映画『おいしい給食 炎の修学旅行』

市原隼人が武田玲奈の復帰に感動!映画『おいしい給食 炎の修学旅行』

1980年代のある中学校を舞台に、給食マニアの教師・甘利田幸男(市原隼人)と、給食マニアの生徒による、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描く学園グルメコメディー「おいしい給食」。これまでドラマ3シーズン、映画3作品が公開されてきた本作の劇場版最新作『おいしい給食 炎の修学旅行』が、10月24日より全国公開されている。「おいしい給食」シリーズで主人公の甘利田を6年にわたって演じ続けて来た市原隼人に、作品の魅力や共演者とのエピソードなどについて聞いた。

――新作の公開が決定した時、どのようなお気持ちでしたか?

「2019年からドラマが始まり、6年という時を経て、ついに北海道・函館が舞台になったことは、まさに奇跡だと思っています。さらに今回は北海道から青森、岩手と舞台が増えて、これほど贅沢なことはありません。奇跡を見せてくださったお客様に全てを尽くさなきゃいけない、覚悟を持って向かわなければならないと思いました。

また、シリーズをずっと続けてきたからこそ味わえる喜びもありました。シーズン1に出てくださった御園先生(武田玲奈)が帰ってきてくださるということで、これは初めての感覚で、「本当に御園先生に出ていただけるんですか!?」と何度も聞き返したほどです。シリーズを続けていくと、こんなにも素晴らしい醍醐味があるのだと、心からうれしく思いました。

そして今作は『給食』がテーマなのに、『外食』をするというのもポイントです。学校外である修学旅行先で食べることに、甘利田はどんなリアクションをするんだろうと、早く現場に入りたいという気持ちになりました。給食ではなかなか熱々の物を食べる機会がないので、熱々の物を食べるというシチュエーションも楽しみでしたし、なんといっても岩手のわんこそばです。面白いに決まっているじゃないかと。甘利田がわんこそばを食べたらどうなるのか、早く撮影したいと思っていました。また、十和田湖という青森ならではのとても素敵な場所で、広い空と青々とした緑の中、広い大地の中で食べるせんべい汁が思い出深いです。そして、バスに乗ったり、温泉に入ったり、卓球をしたりと、いままでにないシチュエーションが盛りだくさんで、お祭り騒ぎのようなすごく贅沢な新作になったと感じています」

――甘利田先生の、美味しく楽しくご飯をいただく姿が毎回素晴らしいです。食事シーンを演じる際に気を付けていることがあれば教えてください。

「コンセプトは、シーズン1からずっと変わらず、滑稽な姿を見せても、笑われても、恥ずかしい思いをしても、好きな物を好きだと胸を張って、生徒たちに対してもしっかり負けを認められる大人でありたいということです。その姿をご覧いただくことで、皆さまの活力にしていただきたい。そして、日々の生活の中で、純粋に何かを楽しむ気持ちを忘れないでいただきたい、という強い願いがあります。食事シーンでは、まずは目の前の食に振り回されたいというのが一番です。長回しで撮るのですが、その中で、いかに甘利田の世界に入り込み、妄想や、奇行にも見えるような動きをするのか(笑)。そして、その様子を"笑わせる"のではなく"笑われる"存在になりたいと。そのために全てを尽くす想いで、いつも演じています」

――生徒たちは笑いをこらえて演技しているように見えますが、現場ではどのような雰囲気ですか?

「笑っています(笑)。映っていない時は笑っているので、ずるいなと(笑)。本作において、主役はいつも生徒たちだと思っているので、生徒たちが人から言われて現場にきて演じるのではなくて、自発的に現場に行きたくなる、何かを表現したくなる環境づくりを整えることを一番に心がけています。『おいしい給食』という現場では、それが成しえていると思っています。生徒たちの楽しんでいる姿も見ていただけるのがすごく楽しみです」

――市原さんの修学旅行の思い出はありますか?

「修学旅行は、とにかく寝たくなかったです。友達と時間を常に共有したいと。学校の友達と学校以外で会うっていうのはこんなに新鮮で楽しいんだと、ずっと忘れられない思い出です」

251031_ichiharahayato02.jpg

――粒来ケンを演じた田澤泰粋さんや、今作で再会した御園先生を演じた武田玲奈さんと共演したエピソードをお聞かせください。

「今回、武田玲奈さんの出演が実現したことには、本当に感動しました。シーズン1でヒロインを演じた御園先生が戻ってきてくださり、開口一番、思わず『ご出演いただいて本当にありがとうございます』と感謝を伝えました。シーズン2、3のヒロインにももちろんそれぞれの魅力がありますが、何も無い中で手探りで一緒に作品を作り上げたシーズン1のヒロインには、やはり特別な思い入れがあります。新米教師だった御園先生と修学旅行先で再会すると、世界観も少し変わっていて『あれ?別人なのかな?』と感じる方もいると思います。御園先生ファンが多いので、ぜひその結末も楽しみにしていただきたいです。

(田澤)泰粋は真面目で、粒来ケンのように食べることが大好きな子です。給食のシーンが終わっても隅の方で肩を揺らしていて、ぱっと見ると余った給食を全部食べていたこともありました。『これも食べな、これも食べな』って皆に言われて(笑)。食べることが大好きで、ものすごく勉強熱心。台本が付箋だらけなんです。メモだらけで、一生懸命作品と向き合っている姿を見ると、『ああ、この子と一緒に演じられて本当に幸せだな』と思わせてくれます。今回卓球のシーンがあるのですが、実際にプロの方に卓球を習って、それから二人で自主練をしたんです。彼の学校が終わるのを待ってから卓球場へ向かい、一日に長い時では6時間練習する日もありました。練習後に夕食を食べてから解散するという日もあり、作品に向けて気持ちを育める、貴重な時間となりました。卓球のシーンは、長回しで撮影するカットもあったのですが、せりふを言いながらラリーをしっかり返すという卓球経験のない僕たちには難しかったのですが、練習の成果で上手くできました。泰粋との卓球シーンの撮影も胸が熱くなって涙が出そうになりながら乗り越えました。ほかにも、温泉のシーンも思い出深いですし、バスに乗るのも楽しかったです。生徒たちとバスで青森ならではの美しい緑あふれる奥入瀬渓流の中を通って、バスの中では、普通に寝ている子もいれば、楽しんでいる子もいて『そうそうそう、それで良いんだよ』と思いながら(笑)、本物の修学旅行気分で撮影できた素敵な現場でした」

――「自分の人生は自分で決める」と人生の"分岐点"について甘利田先生が語っていましたが、市原さんにとって人生の分岐点はどのような場面で現れましたか?

「役者にスカウトされたことです。小学校5年生、10歳か11歳の頃、実際に声をかけられたことで、その後の人生全てが変わったなと。最初は、芝居の醍醐味も面白さも何も分からなくて、どちらかといえば前に出ることが苦手だったので、嫌々やることが多かったのですが、『病室で市原さんの作品を見ると頑張れるんです』『この作品を見て子どもが学校に行けるようになりました』『親子で久しぶりに会話が出来るようになりました』というあたたかいお言葉をいただいて、涙が止まらなくなって。役者って、「自分がどんな芝居をしたい」とか「どんな作品に携わりたい」とかエゴでやることではなく、全ては見てくれるお客様のためにあるんだということを学んでからガラッと変わりました。それが分岐点だと思います」

――市原さんが考える、一番大切な"食育"とはどのようなことだと思いますか?

「"食"は、生きるためには切っても切り離せない、すごく大切なものですよね。誰かと一緒に食べ物を共有するとおいしさも倍になるし、食を通していろいろなことを話すと、ネガティブなことも半減できたりする。『おいしい給食』の中でも触れられていますが、食には、さまざまな歴史と文化があると思います。食を通じて良い国に生まれたんだな、生活しているんだなということも感じていただきたいです。また、私は『心技一体』を常に意識しています。心がどんなに元気でも、身体が疲れていたら良いパフォーマンスは出来ない、逆に身体が仕上がっているのに、メンタルが落ちていると良いパフォーマンスが出せない、日々をしっかり楽しむことが出来ないと思っています。食を改善するだけでメンタルが向上したり、体調を直すこともできる。いろいろな面からみて、食というのはすごく大切なことだと思います。そして、食というものは決して誰かに押し付けられるものではなく、人それぞれ、全ての方が自分の思う食に対する向き合い方や楽しみ方をして、みんなで互いに認め合って肯定できるようなものでなければならないのかなと思います」

――粒来ケンが披露する食べ合わせが魅力的です。おすすめの食べ合わせや工夫はありますか?

「甘いものも大好きなので、常にアイスクリームにはトッピングがあって欲しいと思っています!」

――食欲の秋におすすめの秋の味覚があれば教えてください。

「秋の味覚といいますか、とにかくたくさん食べたい人間なので、お腹をパンパンにしたいです(笑)。僕は何か現場があると食事も節制するのですが、節制しなくて良いときはとにかくよく食べています。ステーキ800グラムとか。分かりやすく言えば、ファミリーレストランで、オムライス、ラーメン、ビーフシチューに大ライス、さらにデザートなど、エンドレスにたくさん食べています。満足するまで食べ続けられることが幸せだなと思っています」

――長く甘利田先生を演じてきて、『おいしい給食 炎の修学旅行』では過去の甘利田先生から全く変わらないところ、そしてここは少し変わったというところがあれば教えてください。

「シーズン1から変わらないことが、甘利田の良さだと思っています。現代社会では、常に変化を求められたり、社会で生きていく上で、環境の変化、自身の見栄や意地、あるいはつまらない争いや同調圧力など、さまざまな要因によってどんどん自分を変えていかなければいけないという風潮があるかと思います。しかし、甘利田は常にどこでも変わらず、新作でも変わっていません。常に中立で、人道的で、人間愛に溢れている。生徒たちに対してもしっかり負けを認められて、人生の先輩にも社会的なメッセージを訴え続けられるところが、彼の素敵なところ。変わらないところが、甘利田幸男の良さだと思っています」

――10月に、ファミリー劇場にて映画公開に合わせて前作の『おいしい給食 Road to イカメシ』が放送されました。『おいしい給食 炎の修学旅行』を見るにあたり、改めて前作の『おいしい給食 Road to イカメシ』で注目すべきポイントを教えてください。

「『おいしい給食 Road to イカメシ』の舞台は、北海道・函館です。果たして甘利田はイカメシを食べることができたのか、ご注目いただきたいです。さらに、町長が出てくるシーンでの会話のテンポの良さがすごく好きです。また、酔拳が出てくる場面がありますが、これは全部アドリブでした。台本には何も書かれていないんです。本編で甘利田が披露するちょっと変わった動きは、全てアドリブだと思ってお楽しみください。現場で必死に生み出した動きなんだなと感じていただければ、より楽しんでご覧いただけるかと思います」

――最新作『おいしい給食 炎の修学旅行』を楽しみにしている皆さまに一言お願いいたします。

「また、新たな映画第4弾『おいしい給食 炎の修学旅行』を公開することができた奇跡をいただき、これ以上ない感謝を申し上げます。皆さまに楽しんでいただくために、奮闘いたしました。今回は、函館、青森、岩手と、とんでもなく贅沢な、豪華なお祭りのような内容になっています。また新たな食も出てきますので、今までのシリーズでは見られなかった甘利田の振り回される姿を見て、大いに笑っていただけたらと思います。全ては皆さまのために作った作品ですので、是非楽しんでいただけることを、心から願っています」

チャンネル:J:COM STREAM

国内ドラマ レンタル

チャンネル:J:COM STREAM

映画 レンタル

チャンネル:J:COM STREAM

映画 レンタル

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

映画 連載コラム

もっとみる

映画 インタビュー

もっとみる