「恋に至る病」W主演の長尾謙杜&山田杏奈が恋愛トーク!?「女性がリードする恋愛もいい」
映画 インタビュー
2025.10.15
長尾謙杜(なにわ男子)と山田杏奈がW主演を務める映画「恋に至る病」が10月24日(金)より全国で公開となる。
同作品は、TikTokで200万回再生の大反響を呼んだ斜線堂有紀による衝撃の同名恋愛小説を廣木隆一監督が実写化したもので、内気な男子高校生と学校中の人気者の同級生が織り成す"この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリー"。
Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会
内気な男子高校生・宮嶺(長尾)は、転校先で学校中の人気者・景(山田)と出会う。2人は互いに惹かれ合い、不器用で一途な初恋が始まる。だが、人気者の景との距離が縮まったことでクラスの男子生徒からねたみを買い、宮嶺がいじめられ始める。そんな折、いじめの主犯格の生徒が不審な死を遂げ、図らずもいじめが終わるが、なぜか同級生の不審死が続発。いつしか宮嶺は景に対してある疑念を抱き始める――というストーリー。
今回、長尾と山田にインタビューを行い、演じる上で意識したことや苦労したところ、撮影中の思い出、"どうしても止められないこと"などを語ってもらった。
Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会
――脚本を読んだ感想は?
長尾「どっちもすごくピュアなんだろうなって感じました。(サスペンスフルな展開は)『この2人だからこそ』というのもあるだろうし。キュンキュン映画のような出会いから始まりますが、この2人が出会った時点で多分こうなることは決まっていたような気がします。2人の出会いは間違いなのか正解なのか分からないですけど、『1つの"出会い"がこんなにも周りに影響を及ぼすんだ......』っていう驚きもありました」
山田「私も『この2人だからこそ』というのは、本当にそう思いますね。景はわりと周りを自分の思うようにしてきた人だったけど、今まで周りにいた人とは違うのが宮嶺だった。だからこそ惹かれる部分もあったのかなと思います。お互いがそれぞれにないところを持っているという2人だからこその関係性ですよね」
――役の印象や演じる上で意識したところは?
長尾「(宮嶺は)あまり感情を表に出すことが少ないので、"いかに細かく感情の機微を表現するか"というのがあったので、目の動きなどは意識して演じていました。また、『あまり変に味付けしないことが大切だな』と思ったので、『これやってみよう』とか『こういう癖を作ってみよう』みたいなことはやらなかったです。あと、肉体的には長距離を自転車で爆走するシーンが大変でした(苦笑)」
山田「(景は)基本的には『共感し難いところが多い人物だな』と思っていたのですが、思い切りがいいところはすごく好きですね。結果的にどうなるかは別として、宮嶺のことも好きだし、いろんな策略があるんだろうけど、そのためにすごく思い切った行動をするので、『ある種、清々しいな』と思わされるような人物で、そういうところはいいなって思います。でも、演じるのは最初から最後までずっと難しかったです。景はクラスの中でカリスマ性があるという設定なので、『周りのクラスメイトに納得感を抱かせるような芝居をするにはどうしたらいいんだろう?』とすごく考えていましたし、一方で宮嶺といる時にはまた違う顔があって、そのバランス感や、『景の本心というのはどこにあるんだろう』というのを終始考えながら演じていました」
――3年ぶりの共演を聞いた時の感想は?
長尾「最初に台本を読んだ時は景役が誰か聞いていなくて、読みながら『山田さんが合う役だな』って思ってたんですよ。それで、『景役は誰なんですか?』って聞いたら、頭に思い描いていた人だったので、『えっ!?』ってなったんです! そういうのもあったし、過去にガッツリ共演した方と再共演することが初めてというのもあって、すごくうれしい気持ちになりました。お互いに以前共演したときから色々と環境も変わっている中で、またこうやって会えたのもうれしかったです」
山田「長尾さんとまたご一緒できるということで、やっぱり一度ちゃんとお会いしているからこその信頼感がありますし、個人的にも『どうなるかな......』という難しい役でもあったので、知っている人とできるという安心感がまずありました。また、それぞれの3年という期間を経て、また同じ現場で同じ物を作れるというのは楽しみでした」
Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会
――久しぶりにお芝居を交わした感想は?
山田「あまり変化は感じなかったですね。ちょっとだけ大人になったくらいで」
長尾「僕も変わらない印象でした。でも、ちょっとじゃなく、だいぶ大人になってます! 前はオレンジジュースしか飲めなかったけど、今はブラックコーヒーだから(笑)。久しぶりだったけど、他人行儀になっちゃうみたいな空気感はなかったですね」
山田「しばらく会わないと『どんな感じで話してたっけ?』ってなったりする瞬間があるんですけど、長尾君がすごくフランクに話してくれるので、そこは感覚を取り戻すじゃないですけど、すごく助かりました」
長尾「『あー、こんな奴だったわ。うるさかった、うるさかった』って?(笑)」
山田「いえいえ(笑)。『こんな感じだったな』と思いながら楽しくやってました」
――撮影中の思い出を教えてください。
山田「宮嶺と景が海辺で大事な話をするシーンがあるんですけど、海岸で何日か撮っている中、ある日、海辺に行ったら半裸のおじさんが日光浴されていて......」
長尾「そんなこともあったね!(笑)『そろそろ終わるんじゃない?』って言って、待ったよね。あと、その場所でたまに蝶が飛んでいて、『素敵だな』って。(蝶がこの映画のモチーフになっているため)そんな奇跡的なことがあったこともすごく印象に残っています」
Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会
――宮嶺と景が織り成す恋愛のかたちについてどう思いますか?
長尾「ちょっと怖い恋愛ですけど、かたちを変えて見たら"女性がリードしている恋愛" なのかなと。男性がリードするかたちがまだまだ多い中で、そういう恋愛もいいなと思います。実はストーリーの中で、宮嶺が景にお願いすることは1回だけなんです。あんなに一緒にいて1つしかお願いしていないっていうのが尻に敷かれていますよね」
山田「私は、こんなにスリリングな恋愛は大丈夫です......(苦笑)。安定しているのが一番! でも、男性が尻に敷かれているっていうのはいいんじゃないかな」
――どうしようもなく止めることができないピュアな恋心が描かれている今作。お二人の"どうしても止められないこと"は?
山田「つい、あぐらをかいちゃうことですね。椅子の上でもかいちゃうんです。こういう取材の時は(かかないように)頑張るんだけど......(笑)。だから、椅子に座っているより、地べたに座っていた方が居心地がいいんですよ」
長尾「めちゃくちゃラーメンを食べます。もっぱら夜に食べるんですけど、ライブツアー中の地方でも、1人でホテルから出てラーメンを食べに行ったりしますから。週一は必ず食べています」
――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
山田「若者がハマる要素がすごくたくさんある作品ではあると思うのですが、『普通のラブストーリーはもういいや』って思っているような大人の方にも観ていただきたいです。監督が廣木さんということもあり、見応えのある映画になっているので、学生時代が終わっている大人の方にも楽しんでいただける作品だと思います」
長尾「人によって観終わった後に感じるものが違う作品だと思います。受け取り方に"絶対これ"というのがなくて、"人それぞれ"が出ると思います」
山田「そうだね。人それぞれ解釈が違うだろうし、観終わった後に誰かと話したくなる映画だと思います。観た後に話して、それからまたもう一度観ていただければ!」
取材・文/原田健