令和の若者に見てほしい!ハリウッドの伝説映画5選――トム・ハンクス『フォレスト・ガンプ』ほか
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2025.09.02
毎月のように良質なタイトルが登場し、「見たい作品ばかりで時間が足りない...」とうれしい悩みが尽きないパラマウントプラス。「タルサ・キング」「スター・トレック」「ランドマン」「モブランド」といったオリジナルドラマはもちろん、世界中の映画ファンを魅了してきた名作映画もラインアップ。今回は、タイパやコスパ重視の若い世代も「倍速視聴なんてもったいない!」「もっと早く知りたかった!」と思わず声を上げてしまう、不朽の名作映画5本をご紹介!
■フォレスト・ガンプ/一期一会
トム・ハンクスの代表作として必ず挙がる、ロバート・ゼメキス監督による感動のハートフルコメディー。心も体も成長がゆっくりな少年フォレスト・ガンプは、親友の少女ジェニーと友情を育みながら子ども時代を過ごす。やがて成長したフォレストは、圧倒的な運動能力と純粋無垢(むく)な心を武器に人生を切り開いていくが、一方のジェニーはアメリカ社会の暗部に翻弄(ほんろう)され、挫折を重ねていく...。本作は、当時の最先端映像技術を駆使し、ジョン・F・ケネディやジョン・レノンといった実在の人物とフォレストが共演する、斬新な映像表現でも大きな話題を呼んだ。どんなにジェニーが遠ざかっても、変わらぬ愛を注ぎ続けるフォレスト。その真っすぐさを体現したトム・ハンクスの熱演に、胸を打たれる。さらに、1950年代から1980年代を彩ったアメリカのヒットソングの数々も、物語に鮮やかな彩りを添えている。
■ターミナル(2004)
舞台はニューヨーク、ジョン・F・ケネディ国際空港の国際線ロビー。母国クラコウジアで突如クーデターが発生したことで、パスポートは無効、入国ビザも取り消されてしまったビクター・ナボルスキー。アメリカに入国することも、母国へ帰国することもできず、彼は行き場を失ってしまう。状況を理解したビクターは、再び入国ビザが取れるその日まで、空港ターミナルで生き抜くことを決意。やがて、そこで働く人々や利用客との交流を通じ、ユーモアと温かさをもって居場所を築いていく。『プライベート・ライアン』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』に続き、スティーブン・スピルバーグ監督とトム・ハンクスがタッグを組んだ本作は、笑いあり涙ありのハートフルコメディー。逆境の中でも前向きで、他者を思いやることを忘れないビクターの魅力に、見る者もまた周囲の登場人物と同じように心を動かされる。入国審査ゲートで手にしていた謎の缶と、その秘密が明かされていく過程。そして、ターミナル内で出会った客室乗務員アメリアとのロマンスも、物語に温かな彩りを添えている。
■ビューティフル・マインド
2000年の大ヒット作『グラディエーター』で屈強な剣闘士マキシマスを演じたラッセル・クロウが挑んだのは、全く異なる役どころ。ノーベル経済学賞を受賞した天才数学者ジョン・ナッシュの波乱に満ちた人生を描いた感動ドラマだ。凡人には踏み込めない領域で孤独に数学と向き合うナッシュは、プリンストン大学院に進学。ぐいぐい距離を縮めてくるルームメイト、チャールズとの交流をきっかけに友情を育みながらも、研究に没頭していく。在学中に画期的な「ゲーム理論」を発表し、マサチューセッツ工科大学のウィーラー研究所へ。そこで才能を発揮する一方、後に妻となるアリシアと出会う。やがて名声を得てもなお数学に人生をささげるナッシュ。その不器用さを愛すべき個性として観客に伝える、ラッセル・クロウの人間味あふれる演技は高く評価され、第59回ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した。人付き合いが苦手なナッシュが、アリシアとの初デートで夜空に星座を描き出すロマンチックな場面。そして、彼の見ている世界と現実の違いが明らかになっていくサスペンス的な展開。知的興奮と人間ドラマが見事に交錯する名作だ。
■トゥルーマン・ショー
離島シーヘブンで保険会社に勤める青年トゥルーマン・バーバンク(ジム・キャリー)。ある日、雑踏の中で死んだはずの父親を目撃するが、すぐに何者かに連れ去られてしまう。以来、彼は自分の身の回りに不自然さを感じ始める。やがて明らかになる衝撃の真実――トゥルーマンの人生は誕生から現在に至るまで、全てがリアリティー番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送され続けていたのだ。彼の住む"世界"は巨大なドーム状のセットであり、街の住人は全て仕組まれた俳優たちだった...。1998年という、まだ動画配信サービスも存在しなかった時代に誕生した本作は、現代の24時間ライブ配信やSNS時代を予見するかのようなテーマを提示。プライバシーや自由意志といった根源的な問題を突きつける、社会派エンターテインメントとして鮮烈な印象を残す。主演のジム・キャリーは、『マスク』『ライアー ライアー』などで見せてきたコメディー色を封印し、シリアスな演技に挑戦。その新境地が高く評価され、俳優としての幅を大きく広げた。
■グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
世界中から天才的な頭脳が集まるマサチューセッツ工科大学。数学科のランボー教授は、学生に出題した難問を清掃員の青年ウィルが解いていたことを知り、その驚異的な才能を開花させようとする。しかし、喧嘩(けんか)っ早く悪友たちと無軌道に過ごすウィルは、心を閉ざし才能を生かせずにいた。教授は友人である心理学講師のショーン・マグワイアに、彼のカウンセリングを託すことに...。本作の脚本を手がけたのは、若き日のマット・デイモンとベン・アフレック。デイモンは主人公ウィルを、アフレックは親友チャッキーを演じ、2人は本作でアカデミー賞とゴールデングローブ賞の脚本賞を受賞。さらに、ウィルの心の奥に寄り添うショーンを演じたロビン・ウィリアムズは圧巻の演技を披露し、アカデミー助演男優賞に輝いた。人を信じることができなかったウィルが、ショーンとの対話を通じて心を開き、未来へと踏み出していく姿は胸を打つ。
文/中村実香