目黒蓮(Snow Man)のビジュアルがすごい!読者の理想像を超える王子様キャラクターに見惚れる映画『わたしの幸せな結婚』

目黒蓮(Snow Man)のビジュアルがすごい!読者の理想像を超える王子様キャラクターに見惚れる映画『わたしの幸せな結婚』

今やエンタメ界のトップランナーであるアイドルグループ「Snow Man」の顔として、アーティスト業、タレント業、モデル業などでグループを牽引している目黒蓮。さまざまなジャンルで活躍している彼のライフワークで欠かせないものといえば、やはり役者業だろう。

ドラマや映画など数多くの作品に出演しており、ドラマ「silent」(2022年、フジテレビ系)では若年発症型両側性感音難聴を患った青年という難役を演じ切り、連続テレビ小説「舞いあがれ!」(2022年10月~2023年3月、NHK総合ほか)ではヒロインの初恋の相手を熱演。映画『月の満ち欠け』(2022年)では年上の女性を一途に愛する青年を演じ、ドラマ「トリリオンゲーム」(2023年、TBS系)では老若男女からモテる天性の人たらしに扮(ふん)するなど、演技のポテンシャルの高さを存分に発揮している。そんな目黒が圧倒的な存在感を"魅せて"くれるのが映画『わたしの幸せな結婚』(2023年)だ。

同作品は、顎木あくみによる同名人気小説を映画化したもの。日本古来の美意識と西洋文明の流行が織り成す、ロマンの香り高い明治・大正を思わせる架空の時代を舞台に、継母たちから虐げられて育った少女・美世(今田美桜)が、孤高のエリート軍人・清霞(目黒)と出会い、ぎこちないながらも、互いを信じ、慈しみ合いながら、生きることの喜びを知っていくという、政略結婚から始まる和風シンデレラ・ストーリー。

文明開化もめざましい近代日本。帝都に屋敷を構える名家・斎森家の長女・斎森美世は実母を早くに亡くし、幼い頃から継母と異母妹から虐げられて生きてきた。すべてをあきらめ、日々耐え忍んでやり過ごすだけの彼女に命じられたのは、美しくも冷酷な軍人・久堂清霞との政略結婚だった。数多の婚約者候補が逃げ出したといううわさのとおり、清霞は美世を冷たくあしらう。だが、逃げ帰る場所さえもない美世は久堂家で過ごすうち、清霞が実のところ悪評通りの人物ではないことに気付いていく。そして清霞もまた、これまでに言い寄ってきた婚約者たちとは違うものを美世に感じ、いつしか互いに心を通わせ、それぞれが抱いていた孤独が溶けていく----というストーリー。

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端正なルックスと上品で優雅な所作で理想の男性像を構築

目黒演じる清霞は、名家の若き当主で、誰もが見惚れる美貌の持ち主。そして、雷や炎を操る強力な異能を持ち、異形の討伐を担う特殊部隊の隊長を務める軍人という人物。また、「気に入らない者があれば切り捨てる冷酷無慈悲な人物」とうわさされているが、その実は愛情深く、隊員たちからも憧れの存在として慕われているといったキャラクターなのだが、目黒が作り上げた清霞がなんとも"美しい"のだ。

原作は小説ということで、清霞は"和風シンデレラ・ストーリー"の王子ポジションであり、書籍版でイラストが描かれてはいるが、読み手は各々の理想のビジュアルをイメージするため、実写でそのハードルを超えるのは至難の業なのだが、目黒の端正なマスクと長身でスマートなルックスがそれを可能にしている。さらに、銀髪の長髪が想像以上にフィットしており、女性だけでなく男性でも見惚れてしまうほど。加えて、名家の当主で軍人という役どころ故の、上品な振る舞いや優雅な動作でも"美しさ"を構築。外見だけでなく所作においても読者の理想像を超えるキャラクターに仕上げている。

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クールな面とかわいらしい面のギャップで魅せる

そして何より見る者の心を掴むのは、クールで強い清霞が時折見せる人間味あふれる瞬間を、かわいらしく微笑ましく演じているところだ。美世の危機になりふり構わず助けに入る凛々しくカッコいい姿を見せつつも、女性との距離の縮め方が分からず素直になれないところや、つい強がってしまうところ、思わず照れてしまう場面などを感情豊かに演じて、強くクールな面とのギャップを魅力的に表現している。

政略結婚という出会いから始まり、ぎこちなくも互いに心を通わせていく今田との演技の掛け合いも見応えがあるのだが、山本未来演じる清霞を幼少の頃から知っている久堂家のお手伝い・ゆり江にいさめられるシーンもお薦め。当主でありながらも頭が上がらない部分があるという、ゆり江と清霞のバックボーンを踏まえた関係性がワンシーンの中に詰め込まれており、目黒と山本の演技力を感じることができる。

シリーズ累計発行部数900万部を超える作品の人気のキャラクターを見事に実写化した目黒の外見と演技によって構築された"美しさ"に溺れて、その圧倒的な存在感に触れてみてほしい。

文/原田健

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