山寺宏一×園崎未恵×石見舞菜香インタビュー!3人の声で生まれ変わる『ジュラシック・ワールド』の魅力

山寺宏一×園崎未恵×石見舞菜香インタビュー!3人の声で生まれ変わる『ジュラシック・ワールド』の魅力

8月8日(金)に『ジュラシック・ワールド』シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』が公開される。ザ・シネマでは、オリジナル新録吹替企画第10弾として『ジュラシック・ワールド/炎の王国【ザ・シネマ新録版】』、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者【ザ・シネマ新録版】』を7、8月に独占TV初放送する。クリス・プラットの吹替を担当した山寺宏一と、ブライス・ダラス・ハワードの吹替を担当した園崎未恵に加えて、同作でメイジー役の吹替を務める石見舞菜香の3名にインタビューを敢行。作品の見どころや収録時のエピソードについて語ってもらった。

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――まずは、ご自身が演じる役についての思い入れと、演じる上で心がけたことを教えてください。

山寺「『ジュラシック・ワールド』は、私も大好きなシリーズだし、とにかくうれしかったですね。1本目が好評だったから2、3作目のオファーがあったということで、実にありがたいです。まさに声優冥利に尽きます」

園崎「ブライス・ダラス・ハワードの初主演作(2004年公開『ヴィレッジ』)も私が声を担当し、以降も何作か機会をいただきました。クレア役については、シリーズ3作の中で彼女の立ち位置が変わり、女優としてもステップアップいく様を一視聴者として見ていたので、改めて寄り添うことができて喜びを感じます。本当に大好きなシリーズなので、自分が参加できることが大変光栄でした」

石見「私、実写作品の吹き替えのお仕事は今回が初めてだったんです。しかも『ジュラシック・ワールド』は、長年愛されている大作というイメージがあり、メイジーという大切な役を担当させていただくことに重圧を感じ、恐怖心すらありました(笑)。でも山寺さん、園崎さんをはじめ素晴らしい先輩方の背中を見ながら、必死に務めさせていただきました。先輩たちのすさまじい仕事ぶりに触れ、恵まれた機会を得られました。もう一生忘れることのない仕事になったと思います」

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――演じる役の人物について、どんな点に魅力を感じますか。

山寺「オーウェンの魅力は、一連のシリーズに登場するキャラクターの中で、唯一の恐竜を手名付けた人物だということです。誰よりもタフで勇敢。そしてユーモアや優しさも併せ持つ。演じるクリス・プラット自身の人間的な魅力も大いに投影されていると感じます。本当に憧れる男だし、大好きな役ですね」

園崎「3部作を通して、クレアは子どもへの接し方が大きく変わっていきます。1作目では、姉の子どもたちの扱いに戸惑うなど、子どもが苦手だった彼女ですが、2作目でメイジーに出会ったこともあってだんだんと成長していきます。そんなクレアがオーウェンと共にメイジーを家族として迎えて全力で守る姿が素敵ですね。最後のほうでは、ほとんどアクション俳優みたいな活躍ぶりで、相当強くなっているし。そんなクレアの人間的な成長ぶりを私も表現したいと思って演じました」

石見「メイジーは2作目ではまだ子どもでしたが、3作目には多感なティーンエージャーに成長しています。当初はとても無邪気な印象でしたが、自身の特異な出生の理由に向き合うなど、自分と恐竜たちを重ね合わせていたように思えます。恐竜を助ける場面もあったりして。人間によって生み出された恐竜の待遇に共感して、優しくできるメイジーが魅力的だなと思います。クレアやオーウェンに愛されるところにも、メイジーの人柄が示されているような気がしました」

――2作目は大勢での同時収録という手法だったそうですが、通常の吹替収録と比べての違いなど、感じたことを教えてください。

山寺「今回の3作は、全部違う録り方をしています。1作目は単独で収録し、2作目は全キャストが一緒でした。3作目は園崎さん、石見さんと3人で収録しました。昔は全員一緒に収録するのが当たり前で、コロナ禍以降は大人数での収録は減っていたので、2作目の収録時は懐かしい感じがしました。」

園崎「最近は単独での個別収録かブロック収録(数人によるグループで収録)が主流でしたから、全員がスタジオに集合することがうれしかったです。やはり全員がそろうと、作品の空間観を共有できる。個別収録なら集中してセリフにこだわることができて、それぞれメリットがあるんです。3作目では家族同然の3人で録ることで、離れたり戻ったりという3人の環境の変化を共有しながら演じることができ、とてもよかったと思いますね」

石見「慣れない録り方にも緊張しましたし、原音を聞きつつ、マイクや掛け合いを意識しながら演じるのは、とても難しかったです。私は車の運転をしたことがないのですが、多分こういう感じなのかなと思いながらやっていました。吹替には、アニメとは違う複雑な難しさがあると感じました。先輩方は、呼吸にも感情を込めて演じているのがわかり、とても驚きました。息一つにこんなにも情報を込めて演じられるのかと。もう衝撃的でしたね。先輩方に圧倒されながらも、私も負けずに演じたいと精一杯務めましたが、3人での収録は緊張しっぱなしで......。それでもお二方が温かく接して下さり、とてもありがたかったです」

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園崎「山寺さんとは長いお付き合いになるのですが、このように肩を並べて収録をご一緒したのは初めてなんです。そんな意味でも記念すべき作品になりました。やはり、山寺さんが隣にいてお芝居されることでのすごい熱量とか、感じられることがたくさんありました」

山寺「園崎さんはセリフのキレも見事で、安心して一緒に演じることができます。石見さんとは、アニメでも共演していたけど、今回のメイジー役を立派にこなしてくれました。4年という年月の間に、どの登場人物よりも大きく変わっていた難しい役柄をきちんと表現していました。」

園崎「ティーンの年代も本当に難しいので、すごく頑張っていたと思います」

石見「ありがとうございます。ずっとテレビや映画で見てきたお二人との共演で、しかも生で吹き込まれていく瞬間に立ち会えたことに感激しました。園崎さんが自ら録り直しを要求された時に、プロとしての姿勢を感じたし、山寺さんのお芝居の説得力にも本当に圧倒されました。」

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――では、改めてジュラシックシリーズの見どころについて、教えてください。

山寺「見どころがあり過ぎるのですが、スケールが大きい作品で、恐竜をはじめ人類の未来と科学、環境など社会的で重厚なテーマが数多く内包されたストーリー。さらにアクションなど、多彩な角度から楽しめる最高のエンターテインメント作品になっています!」

園崎「シリーズを通して観ると、クローンとか各作品が公開された当時の時事ネタ的な要素も盛り込んでいるんですね。また、科学技術に対する価値観の違いとか、登場人物たちそれぞれの思いなども丁寧に描いている。視聴者への問いかけにもなっているので、深く考えさせられる作品であることも魅力です。個人的には、3作目のある場面に映画のタイトルロゴとまったく同じ画が登場するのですが、そこがとっても胸アツでした(笑)」

石見「重厚なテーマや問題提起に加えて、子供が観てもワクワクがたくさんあると思うし、老若男女誰もがそれぞれの楽しみ方ができる希少な作品だと感じます。そして、今回のザ・シネマ新録版は声優界を代表する素晴らしい方々が勢ぞろいしている作品でもあるので、ぜひ見てほしいです!」

山寺「今は声優が注目の職業になっていますけど、どうしてもアニメばかりがクローズアップされがちです。だけど、洋画吹替の世界にもすごい人たち大勢いるので、そんな視点でも新録版を楽しんでもらえれば嬉しいですね」


取材・文/渡辺敏樹 撮影/皆藤健治

放送日時:2025年7月21日 18:30~

チャンネル:ザ・シネマ HD

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放送日時:2025年7月21日 21:00~

チャンネル:ザ・シネマ HD

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