「スキャンダル」で話題のチ・チャンウク、時代劇と現代ロマンス...そのギャップ沼に酔わされる!
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2026.10.09
"朝鮮一のプレイボーイ"という刺激的な役柄に挑んだNetflixシリーズの時代劇「スキャンダル(原題:The Scandal)」が話題を呼んでいるチ・チャンウク。一方で、今田美桜と共にW主演を務める「メリーベリーラブ」(日本テレビ系)での甘酸っぱいロマンス演技にも注目が集まっている。
10月に2都市(大阪・横浜)全4公演にて開催される日本ツアー"Just Come With"からも別格の人気ぶりがうかがえるが、特に「スキャンダル」での女性を翻弄(ほんろう)する姿には、注目度も爆上がり中。色気に溢れた彼の美しい韓服姿と、「メリーベリーラブ」で見せるチャーミングな表情とのギャップに、期待値が膨れ上がっており、「振り幅がハンパない」「ここからメリベリに行くの?」...と、日本のファンからも驚嘆の声が上がっている。
■20代中盤で元の皇帝を熱演!愛を知って変貌する演技に没入させられる時代劇「奇皇后」
こうした最新作からも"ロマンス職人"としてのイメージが強いが、そもそもチャンウクのキャリアの出発点はミュージカル。近年はハードな役柄も多く、アクション俳優としても高く評価されるなど、その出演ジャンルは多岐にわたっている。そこで今回は、彼の人気を決定づけた注目の時代劇&現代ロマンスの2作をピックアップ。真逆ともいえるジャンルで放つ、確かな演技力を掘り下げてみたい。

「奇皇后 」 (C)Lee Kim Production/MBC
2008年に本格俳優デビューし、2010年の主演ドラマ「笑ってトンへ」大ヒットで一躍注目を集めたチャンウク。実在した朝鮮最強の武人を演じた「ペク・ドンス」(2011年)に続いての時代劇となった「奇皇后」では、権力闘争に翻弄され、恋愛感情との狭間で身の裂けるような苦悩を味わう皇帝を繊細に演じ、"チ・チャンウクの再発見"という評価を獲得した。

「奇皇后」 (C)Lee Kim Production/MBC
「奇皇后」は、巨大帝国・元を揺るがした実在のヒロイン、奇皇后の生涯をベースにした壮大な歴史ドラマ。剣術・弓術に長けた男性兵士スンニャンとして生きる高麗女性・ヤン(※後の奇皇后/演:ハ・ジウォン)が、高麗王ワン・ユ(チュ・ジンモ)を愛しながらも、"貢女"として元の皇太子・タファン(チ・チャンウク)に仕えることに...。2人の男性の間で揺れ動きながらも、生きるため、そして高麗の民のために壮絶な運命に身を投じていく。
序盤、まだ皇太子だった頃のタファンは、どこかとぼけた味わいのあるキャラクター。高麗に流刑され暗殺の不安に怯えながらも、スンニャンや身近な宦官たちなど気を許せる相手の前では、甘えた表情や不安定な立場に苦悩する素の自分も見せる。そして、友として慕っていた"スンニャン"ことヤンを、一人の女性として愛するようになる。

「奇皇后」 (C)Lee Kim Production/MBC
だがその純粋すぎる真っ直ぐな愛ゆえに、タファンの感情は壊れていく。ヤンとワン・ユの関係に嫉妬し、やがて劣等感から狂気を滲ませるように。終盤に見せる苦悩や、酒に溺れながらワン・ユの処刑を命じる悲劇的な展開は、目を逸らすことができないほどの緊張感。当時20代中盤だったチャンウクの、確かな力量がひしひしと感じられる。

「奇皇后」 (C)Lee Kim Production/MBC
■目隠しキスや涙のキスも...激しいアクションとの振り幅に心奪われる「ヒーラー~最高の恋人~」

韓国ドラマ「ヒーラー~最高の恋人~」 Licensed by KBS Media Ltd. (C)2015 KBS. All rights reserved
そんな「奇皇后 ふたつの愛 涙の誓い」の翌年に放送されたのが、パク・ミニョンと共演したラブストーリー「ヒーラー~最高の恋人~」。チャンウクはこの作品で、切れ者の便利屋"ヒーラー"として暗躍する一方で、心に傷を持ち、ひとを避けて生きてきた孤独な青年を熱演し、韓国のみならず日本でもその人気を決定づけた。

韓国ドラマ「ヒーラー~最高の恋人~」 Licensed by KBS Media Ltd. (C)2015 KBS. All rights reserved
素顔を隠した闇の便利屋・ヒーラーことソ・ジョンフ(チ・チャンウク)は、殺人以外ならどんな依頼もこなす真のプロフェッショナル。そんな彼が"チェ・ヨンシン(パク・ミニョン)という記者について調べてほしい"という依頼を受け、新人記者パク・ボンスを名乗って彼女に接近。ある事件により狙われるようになったヨンシンを、"ヒーラー"として守るうち、次第に心通わせるようになり...というストーリー。
頼りなくも憎めない"後輩キャラ"のボンスになり切り、母性本能をくすぐりつつも、命懸けでヒロインを守るヒーラーとしての姿は実にスマート。その端々で、常人離れしたキレ抜群のアクションスキルを見せつけ、さらには"キス職人"と称えられる美しいキスシーンで、ヒロイン同様、見る者を酔わせていく。

韓国ドラマ「ヒーラー~最高の恋人~」 Licensed by KBS Media Ltd. (C)2015 KBS. All rights reserved
男たちに連れ去られたヨンシンを助け出す場面では、集団を相手に路地裏の工事現場の足場を巧みに使い、アクロバティックなアクションを披露。さらに中盤、落下寸前のエレベーターに閉じ込められた彼女の危機を察知し、身を挺して救い出すという緊迫感溢れるシーンの切れ味が抜群だ。
そんな決死の救出劇からの流れで描かれるのが、"目隠しキス"。正体を隠すヒーラーが、ヨンシンの帽子を目深に被せたまま口づけるこのシーンは、2人にとってのファーストキス。まさに命懸けでヨンシンを守った後、2人の心が重なり合う証明のように、雪が舞う中で交わされるこの場面は、ドラマの世界観を象徴する名場面の1つで、"キス職人"ならではの美しい1シーンへと昇華させている。

韓国ドラマ「ヒーラー~最高の恋人~」 Licensed by KBS Media Ltd. (C)2015 KBS. All rights reserved
このほかにも、ジョンフが素顔で初めてヨンシンと心通わせる"涙のキス"など、印象的なラブシーンが続々と登場。さすがロマンスの名手とされるチャンウクの本領発揮ともいえるが、本人は「台本に"キスする"と書いてあると『またするのか』ってため息をついていました」とインタビューで語っていたほど。この本格派のハードアクションと、ロマンティックなラブシーンとの振り幅こそが、彼の魅力をより引き立たせているといえそうだ。

韓国ドラマ「ヒーラー~最高の恋人~」 Licensed by KBS Media Ltd. (C)2015 KBS. All rights reserved
俳優としてのターニングポイントとなった出世作「笑ってトンへ」の放送から15年が過ぎ、再び "ギャップ沼"ともいうべき魅力を見せつけているチ・チャンウク。
「スキャンダル」と「メリーベリーラブ」という話題作が注目を集める今、新たな評価を引き出したという点で共通している、かつての代表作「奇皇后 ふたつの愛 涙の誓い」と「ヒーラー~最高の恋人~」を見比べて、その魅力を"再発見"してほしい。
文/酒寄美智子




