アレンレン(任嘉倫)の新たな一面!豪快に麺をすする姿から宿命に抗う自己抑制の演技まで「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」
2026.09.04
これまで、重責を背負った寡黙な男を数多く演じ、"古装男神"として確かな人気を集めてきたアレン・レン(任嘉倫)。そんな彼が「無憂渡(むゆうと)~瞳に映った真実の愛~」では、これまでになく生活感あふれるキャラクターを演じている。豪快に麺をすする大食漢で、掃除もこなし、ヒロインに髪まで染めてもらう。身近に感じられる飾らない姿を見せる一方、恋心や自身の宿命にはあくまで感情を抑えて向き合う。"自己抑制"の演技と、これまでにない力の抜けた表現――その両方から、新たなアレン・レンの魅力が堪能できる。

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宿命を背負う捉妖師と妖が見える令嬢の恋
「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」の舞台は、繁華を極める広平城。実はこの街では、多くの妖(あやかし)が人の姿を借りて暮らしているものの、人々はその存在に気づいていない。一方、名家の令嬢・半夏(ハンゲ/演:ラレイナ・ソン)は、"人ならざる者"の影が見えてしまうという特殊な能力を持っていた。そんな半夏の前に現れるのが、妖を狩る専門家・捉妖師(そくようし)の宣夜(センヤ/演:アレン・レン)。広平城で次々と起こる奇怪な事件を追う中で、二人は次第に心を通わせていく。しかし宣夜は、本人も知らない宿命を背負っていた――。
アレン・レンといえば、「麗王別姫~花散る永遠の愛~」で国際派女優ジン・ティエンと共演してブレーク。その後も、「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」や「美人骨」などで、立場や使命を背負い、感情を簡単には表に出さない男を演じてきた。アレン・レンは、そうしたキャラクターの内に秘めた感情を繊細に表現することで、古装男神としての人気を確立してきた。そんな彼が本作では、映画「熱烈」など話題作への出演が続く新進女優ラレイナ・ソンと共演し、宿命に囚われながらも半夏に心を寄せる捉妖師・宣夜を演じている。

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言葉より雄弁な距離感と穏やかな日常シーン
本作の大きな魅力は、アレン・レンが得意としてきた感情を抑えた演技と、これまでになく力の抜けた日常の演技を同時に楽しめることだ。これまで演じてきたのは、国や組織、使命など、重いものを背負い、喜怒哀楽をめったに見せない男たち。そんなアレン・レンの持ち味である感情を抑える芝居は、今作でも健在だ。一方、宣夜もまた、決して軽い過去を持つ人物ではない。人には見えない妖を狩る捉妖師であり、家族を殺したのではないかと周囲から疑われてもいる。さらに物語が進むにつれ、抗うことのできない残酷な宿命も明らかになっていく。それでも宣夜には、これまでのキャラクターにはない生活感がある。
例えば第1話冒頭、飯屋で豪快に麺をすする宣夜。店の主人が「追加のそば2杯!」と言いながら椀を置き、周囲の客がその食べっぷりに驚くほどの大食漢だ。さらに、半夏の隣の家に住み、彼女に呼ばれれば駆けつける。掃除もすれば、半夏に髪を染めてもらう場面まである。染料を髪に塗る半夏と、それを受け入れる宣夜。自然と近づく2人の顔、そして絡み合う視線――。派手な言葉を交わさなくても、その距離感から細やかに揺れ動く感情が伝わってくる。これまでの古装男神のイメージとは裏腹に、どこか身近で穏やかな日常を生きる宣夜。そんな役どころだからこそ、アレン・レンの新たな魅力が引き出されている。

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あふれ出す想いと過酷な宿命を体現する演技
その抑制された芝居が、宣夜の恋愛ではより繊細な形で表れている。アレン・レンは古装キャラクターにおいても、恋愛感情をセリフや大きな身振りで表現するのではなく、視線や表情、わずかな間によって伝えてきた。視線を少し残す。表情をわずかに緩める。あえて一拍置いてから言葉を発したり、言いたいことを飲み込むような気配を漂わせたり――。そうした一瞬の変化によって、言葉にならない感情を観る者に想像させるのが、アレン・レンの魅力の一つだ。
「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」の宣夜もまた、妖と戦う危険な立場に半夏を巻き込みたくないという思いから、彼女に想いを告げようとはしない。その代わり、行動の端々に半夏への気持ちをにじませていく。そんな宣夜が、物語の中盤でついに胸の内を明かす場面が訪れる。これまで抑えていた想いを言葉にすることで、宣夜の半夏への愛情がより鮮明に伝わってくるのだ。これまで感情を抑え、半夏を守るという行動で愛情を示してきた宣夜。その彼が真っすぐに想いを伝えるからこそ、この場面には大きなインパクトがある。

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そして終盤では、感情を抑える芝居が、恋愛だけではなく宿命との対峙にも生かされていく。宣夜が抱えるどうしようもない宿命が明らかになると、アレン・レンは呼吸や姿勢、眼光まで駆使し、内なる異質な本能に抗う男の姿を表現。今回、伝統武術と現代格闘技を融合させたトレーニングを徹底的に受けて撮影に臨んだという。繊細な心情だけでなく、体そのものを使って内に秘めた葛藤を伝えている。恋愛と宿命、二つの側面から楽しめる新たな抑制演技も、本作の大きな見どころだ。
日常では豪快に麺を食べ、半夏と穏やかな時間を過ごす。一方で、胸の内には恋心と過酷な宿命を抱え、それらを懸命に抑え込む――。「無憂渡~瞳に映った真実の愛~」は、これまでの彼ならではの魅力を残しながら、アレン・レンの新たな一面を引き出した作品だ。古装男神としての確かな存在感はそのままに、飾らない日常の姿と、内面の葛藤をにじませる繊細な芝居。その振れ幅こそ、本作でしか味わえないアレン・レンの魅力だ。
文/酒寄美智子



