「バービー」で世界を魅了!マーゴット・ロビーがカメレオン女優と称される理由

「バービー」で世界を魅了!マーゴット・ロビーがカメレオン女優と称される理由

アメリカの経済誌『フォーブス』が発表した「2023年に最も稼いだ俳優ランキング」で、アダム・サンドラーに次ぐ2位に輝いたマーゴット・ロビー。この年、彼女が主演・プロデューサーを務めた『バービー』は全世界で14.4億ドル超の大ヒットを記録し、年間興行収入1位の作品となった。

演技派女優と敏腕プロデューサーとしての顔

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「バービー」
(C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

本作のプロデュースに尽力したのは、まさにロビー自身だ。2014年、当時24歳の彼女は(後に夫となる)トム・アカーリーらと映画制作会社「ラッキーチャップ・エンターテインメント」を設立。「バービー」の映画化権を獲得し、米ワーナー・ブラザースに提案した。さらに、監督・脚本にグレタ・ガーウィグを迎えるなど、プロデューサーとして精力的に動いた。バービー役も、まるで人形がそのままスクリーンに飛び出したかのように演じきり、純真無垢(むく)なキャラクターが外の世界を知り、変化していく過程を繊細に表現している。

オーストラリア出身のロビーは、2011年にアメリカ進出するとドラマ「PAN AM/パンナム」でレギュラーキャストを務めた。その後、2013年の映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で一躍注目を集め、さらに2017年には、ラッキーチャップが制作した『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で主演。第90回アカデミー賞主演女優賞をはじめ、数々の映画賞にノミネートされ、名実ともにトップ女優の仲間入りを果たした。

ウィル・スミスと息の合った掛け合いを披露

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「フォーカス」
(C) Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

2015年公開のウィル・スミス主演作『フォーカス』は、ロビーが注目を集め始めた頃の作品。登場人物たちが仕掛ける大胆なトリックと、アッと驚く伏線回収が魅力のスタイリッシュな一作だ。ロビーが演じるのは、スミス扮(ふん)する天才詐欺師ニッキーの仕事仲間となり、やがて惹かれ合う新米詐欺師ジェス。若手だったロビーは、撮影現場でもスミスに臆することなく接し、二人の相性は抜群。現場では自由なアドリブが飛び交っていたという。

劇中で描かれる集団詐欺のシーンでは、驚くべき連携プレーと華麗なテクニックが披露される。これを監修したのは、人間行動学に基づく詐欺・スリの専門家として知られるアポロ・ロビンス。キャスト陣に指導を行った彼も、「ロビーは驚くほど習得が早く、粘り強く正確に技術を磨いていた」と絶賛している。

これまでとは異なる新たなヒロイン像を体現

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「ターザン:REBORN」
(C) 2016 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and RatPac-Dune Entertainment LLC All Rights Reserved.

翌2016年には、『ハリー・ポッター』シリーズのデヴィッド・イェーツ監督が手がけた『ターザン:REBORN』に出演。本作は、エドガー・ライス・バローズの小説に登場する人気キャラクターを、現代的な視点で描き直した作品だ。ロビーが演じたのは、ターザンの妻ジェーン。従来の"守られるヒロイン"像とは異なり、本作のジェーンは独立心が強く、周囲に流されない芯のある女性として描かれている。イェーツ監督もロビーと対面した際、「ジェーンがいた!」とほれ込んで、彼女の起用を即決したという。

「幼い頃は大自然の中で遊び回っていた」と語るロビー自身も、「私も誰かの助けを待つタイプではなく、自分でなんとかしようとするところがジェーンと似ている」と共感を寄せる。その言葉通り、劇中ではクリストフ・ヴァルツ演じる悪徳官僚に捕らわれても決して屈せず、ターザンと共に戦うタフな女性として描かれている。

念願の名優たちとの共演でも光る演技と存在感

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「アムステルダム」
(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC

これまで多彩な役柄を演じてきたロビーが、2022年公開の『アムステルダム』で挑んだのは、負けん気の強い看護師ヴァレリー。デヴィッド・O・ラッセル監督が"ほぼ実話"を基にフィクションを織り交ぜた本作で、彼女はクリスチャン・ベール演じるバート、ジョン・デヴィッド・ワシントン演じるハロルドと共に、戦時下のアムステルダムで固い絆を結んだ仲間を演じる。

物語は、バートとハロルドがある殺人事件の容疑者に仕立て上げられたことから始まり、3人が濡れ衣を晴らそうと奮闘する姿を描く。ロビーにとって、クリスチャン・ベールやロバート・デ・ニーロといった名優との共演は念願だったという。彼らとの息の合ったアンサンブルも、本作の大きな見どころとなっている。

マーゴット・ロビーといえばハーレイ・クイン!

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「ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結」
(C)パンチとロン毛 製作委員会

作品ごとに多彩な表情を見せるロビーだが、彼女の当たり役といえば、狂気に満ちた"悪カワ"ヒロイン、ハーレイ・クインだろう。白い肌にツインテール、倫理観のリミッターが外れたハーレイの奔放な姿は、多くのファンを魅了してきた。ロビーはこれまで『スーサイド・スクワッド』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』、そしてジェームズ・ガン監督が手がけた『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』の3作品でハーレイを演じてきたが、特にアクション俳優としてのポテンシャルを存分に発揮したのが、ガン監督作だ。

実はロビー、8歳の頃にサーカス学校に通い、空中ブランコの名手だったという。そこで培ったダンスやアクションの素地が、本作での華麗なアクションシーンに生かされている。まるで踊るように繰り広げられる、ガンファイトや接近戦は圧巻だ。ガン監督も「マーゴットは感情やユーモアだけでなく、アクションで物語を語れる俳優」と絶賛しており、彼女の新たな魅力を存分に堪能できる作品となっている。

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「バービー」
(C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

マーゴット・ロビーは、華やかな美貌だけでなく、確かな演技力とプロデューサーとしての手腕を兼ね備えた、現代ハリウッドを代表する女優の一人だ。多彩な役柄を演じ分け、そのたびに新たな魅力を見せてきた。これからも彼女がどんな作品で私たちを驚かせてくれるのか目が離せない。

文/壬生智裕

放送日時:2025年4月26日 17:00~

チャンネル:ムービープラス

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放送日時:2025年4月26日 19:00~

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