SHELLYが語る「ナニコレ?」の面白さと18年続く理由

SHELLYが語る「ナニコレ?」の面白さと18年続く理由

オーストラリアの柔らかな日差しの中で、ふと日本のバラエティ番組が恋しくなることがあります。そんなときに思い浮かべたのが「ナニコレ珍百景」です。実はこの番組、私が子どものころからずっと続いているんですよね。普通、びっくり映像や街の不思議な光景を紹介する番組って、長く続けているとどうしてもネタ切れしてしまいがちじゃないですか。本来なら、一時期盛り上がって数年で終わるか、しばらくたってから「懐かしいね」とリバイバルされるものが多い中で、「珍百景」はずっと一線で走り続けている。これって本当にすごいことだと思うんです。

私がまだ横浜に住んでいた中学生くらいのころ、街を歩いていて変な看板や不思議なお店を見つけると、「あ!これ、ナニコレ珍百景に送ったら採用されるかな?」なんてドキドキしながら考えていた記憶があります。「自分の日常がテレビとつながるかもしれない」という、あの独特の期待感。だからこそ、自分が番組に出演して判定ボタンを押したことがあるというのは、本当に感慨深いですし、めちゃくちゃありがたいことだなと感じています。しかも、当時の私が見ていたときと、編集の仕方も音楽も「ナニコレ?」というおなじみのエフェクトも変わっていないんじゃないかな。その「変わらない安心感」が、この番組の大きな魅力なんですよね。

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■ネプチューンの3人が作り出す「視聴者と同じ目線」の安心感

番組を支えているのは、やはりMCであるネプチューンの3人の存在です。あの空気づくりは、まさに職人芸。もし、出てくるもの全てに「わー、すごい!」と手放しで褒めるだけだったら、見ている側はきっと飽きてしまうと思うんです。そこを泰造さんやホリケンさんが、絶妙なバランスで「これって本当にナニコレかなぁ?」と、あえて厳しく判定したり、ツッコミを入れたりする。決して上からではなく、視聴者と同じ目線に立って「それってどうなの?」という疑問を代弁してくれるから、見ている側も「だよね、それはちょっと無理あるよね」と一緒に笑える。あの絶妙なバランスが、見ていて素晴らしいんですよね。

そういうのって、やっぱり視聴者の方々に対してリスペクトしていないとできないと思うんですよ。今の時代、テレビに投稿して採用されることへのモチベーションが昔ほど高くない中で、今でも一般の方々が「面白いものを見つけたら送ってみよう」と思えるのは、ネプチューンさんの愛情が視聴者に伝わっているからではないでしょうか。一緒になって、同じ目線で楽しんでくれる感じがいいのだと思います。

■「地域再発見」と日常の景色を楽しくする視点

番組で紹介される内容は、「この犬のこの動きは何?」とか「この看板、読み方が変」とか、政治や経済に比べれば、生きていく上で絶対に知らなければならない情報ではありません。でも、そんな些細(ささい)なことに対して、大人たちが集まってああだこうだと真剣に議論する。その時間が、見ていて本当に心地いいんです。紹介される場所も、誰もが知っている観光地ではなく、「埼玉のどこかの通り沿い」にある看板、といった超ピンポイントなスポット。地元の人は当たり前だと思って見過ごしている風景も、外から来た誰かが「ナニコレ?」と驚くことで、新しい地域の魅力として生まれ変わる。そんな「地域再発見」の側面があるのも、見ていてほっこりする理由の一つですよね。

先ほど、ネプチューンさんの3人が厳しく判定してくれることを絶賛しましたが、私が判定員として出演させていただくときは、正直、基準は「甘々」です(笑)。投稿してくれた方の「これを見てほしい!」という熱量や、それを見つけ出した視点に注力してしまって、どうしてもボタンを押したくなる。私にとって、あの場はドキュメンタリーを見ているような気持ちに近いのかもしれません。特に、人の温かさを感じるエピソードにはいつも胸を打たれます。以前、人口の少ない小さな町で、赤ちゃんの出生届が出されると赤ちゃんの誕生を町民みんなでお祝いしようと、花火を上げてみんなにお知らせするというエピソードがありました。東京の港区でやったら大変なことになりますが(笑)、その町に生まれたことがみんなに祝福される姿は、なんて豊かなことだろうと感動しました。

最近はニュースを見ていても心がざわつくことが多いですが、「ナニコレ珍百景」は安心して見ていられる、今の時代に貴重な番組だと思います。家族で一緒に見るなら、「子どもに見せたい番組」として、自信を持っておすすめできますね。ただ、本当の楽しみ方は「投稿する」ことだと思います。何度も採用される常連さんは、自分だけの視点で面白いポイントを見つけるのが上手なんです。ただ動画を撮るだけでなく、「自分はここがこう面白いと思う」という工夫をして、ぜひ参加してみてほしいです。自分の街の「ナニコレ?」を探しながら歩くと、いつもの風景が少しだけ楽しく見えるはずです。

ちなみに、今住んでいるオーストラリアにも、実は「ナニコレ?」な光景はいっぱいあります。例えば、レストランのテーブルに置いてある、ハエを追い払うためだけにクルクル回る不思議なプロペラ。初めて見たときは「何これ?」と驚きましたが、これが意外と役立つんです。これをいつか「珍百景」として投稿してみようかな、なんて考えています。皆さんも、忙しい日常に少し疲れたときや、ゆったりとした時間を過ごしたいとき、ぜひ「ナニコレ珍百景」を見てください。きっと、昨日までとは少し違う、面白い日本が見えてくるはずですよ。

PROFILE
神奈川県出身。14歳で雑誌モデルとしてデビュー後、現在はバラエティ番組やMCなど多方面で活躍中。YouTube「SHELLYのお風呂場」では性教育を中心とした情報を発信している。

取材・文/永田正雄

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